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んー……何か忘れてるような気がするけど、ま、いいか。朝から今日も気分が良かった。
「そういえば、ルークはレイ様たちと話すときはきやすく話すのに、私と話すときはどうして丁寧語なのですか?」
「それは……アリスの存在が尊すぎて……。無理です」
ルークはほんとにぶれない。
「尊くなんてないですよ。ルークの方が年上ですし……普通に話して下されば……」
「アリスは存在が尊いのですから仕方ないと思ってください」
「……」
説得失敗した。
なんとなく気安く話してる方が素に見えて、私にも素を見せてほしいなと思ったんだけど……。
「アリスから毎日キスしてくれたら善処しますよ」
イケメンによるアルカイックスマイルを見せられた。キスを……ちゅっとするくらいなら……いける…かも……?
「……」
私の表情を正しく読んだのか、イケメンが近づいてきて唇を重ねた。柔らかな唇の感触から私の唇をこじ開ける舌の感触。私は簡単に口を開けられ歯列をなでられる。引きぎみになる腰にぐっと腕でささえられ離れることもできない。舌をひとしきり絡ませたあと唇を離し、ルークは離れたときにできた唾液の糸ごと私の唇を舐めとった。
「アリスがこれを毎日してくれたら善処しますよ」
いや、無理ですから。無理ですから!
腰が抜けてますから。
ルークはふふっと微笑み
「では、私が毎日して差し上げますね」
「……は…い」
「そろそろ朝食にしましょう。アリス、支度を手伝いましょうか?」
「い、いえ。マリンの仕事を取ってはいけません」
クスクス笑うルークに顔を赤くしたまま答えた。
なんだかルークが激甘になってる気がする。私はいつか溶けてしまうかもしれない。
マリンに支度を手伝ってもらいながら考えていた。
「いかがなさいました?」
「最近ルークが激甘だなあと」
「いいではないですか。ご夫婦は仲良くするのが一番ですよ」
「いや、うれしいんですよ。ルークのことが大好きですし。でも幸せすぎていいのかなあと」
「ま、ルーク様はそれ以上を望んでそうですけどね…」
ふふっと笑いながら器用に髪を結ってくれるマリン。
「結婚式まで全力でお綺麗になっていただくためにも、全力で愛されてくださいね。さ、お支度おわりましたよ」
「ありがとうございます」
朝食を食べ終えるとルークは執務に行き、入れ違いにカインがくる。
「今日は体力作りがてら庭の散策をしましょう」
と言われた。体力、確かに落ちてる。筋力もつけたいし、お花も見たいし。一石二鳥。
「日差しがありますから帽子をかぶりましょうね」
マリンも一緒に散策するので、マリンにも被るように伝えた。
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