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 朝起きるとベッドにルークがいなかった。

 いつもいるルークがいないとルークは強いと知っているのに心配になる。


「ルーク……」


 しばらくするとルークが朝食を持って部屋に戻ってきた。


「不安にさせてしまったんですね。すみません」


 そういうと、朝食をテーブルにおいて私が座っていたベッドにきて私の頬を拭った。なぜか涙が止まらなかった。

 とても不安定になっていてルークがきてもしばらく感情が動かなかった。

 ルークは後ろから私をぎゅっと抱き締めた。



「なぜ、こんなに不安に思ってるのか分からないのです……」


「うん。ゆっくりでいいですよ」


 どれくらいか分からないけれど、しばらく抱き締められ、ルークの匂いに満たされた頃やっと私は動けた。


「ルークごめんなさい。もう、大丈夫」


「うん。私が大丈夫じゃないからもう少し」


 きっと私のためだろうなと思いつつ、しばらく抱き締められたまま動かなかった。



 朝食を食べたあと、ルークと向き合った。


「ルーク、今朝はすみませんでした。ルークがいないと思ったとたん、なぜか不安が強くなって動けなくなってしまったんです。ごめんなさい……」


「いえ、私がいなかったからです。私こそすみませんでした」



 そんな私の様子を見て、今日のルークはトイレ以外、私から離れなかった。執務も私を隣に座らせて行っていた。

 私はその間、ほとんどボーッとしていた。感情のない人形のように。


 父母が突然亡くなってから家に一人きりだったのが急に頭をよぎり、ルークがこのままいなくなったらと不安になったとはなかなか言えなかった。父母の死は完全に私の中でトラウマになっていた。

 これは私自身の問題。分かっていてもコントロールできなかった。


 今日は1日、みんなに心配を掛けているのは分かっていたけれど、ルークの笑顔だけを頼りに過ごした。そして眠れない日が3日ほど続いた日、ルークによって魔法で強制的に眠らされた。



 目が覚めるとルークがいつものように横にいて、私を見つめていた。


「アリス、おはようございます」


「ルーク、おはようございます」


「気分はどうですか?」


「んー、悪くはないです」


「では支度をして朝食にしましょうか」


 ルークは私を抱き締めて優しくキスをした。

 いつものように支度をしてルークの膝に座り食べさせてもらう。

 そのあとはカインとマナーのレッスンをし、昼食は天気が良いからみんなでピクニックがてら庭園で食べる。午後はダンスのレッスンをし、終わると湯あみをし夕食をルークと取る。

 夜会が終わって日常が戻ってきた。


 夜はルークと2人で過ごし、これでもかと世話を焼かれ、キスをされ、甘やかされる。


 夜会のあとの数日の記憶がないことには気づかず、結婚式を心まちにして過ごした。




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