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40 フローラ・アルボーン視点

 フローラ・アルボーン視点


 おかしい。どうしてこうなったの?


 私はフローラ・アルボーン19歳。

 アルボーン男爵令嬢。

 男爵令嬢と言っても平民とあまりかわらない生活をしている。いや、していた。

 子どものころは親子みんなで家のことをし、質素だったが楽しく過ごしていた。


 貴族は10歳になると王都の学園に通うことになっている。

 すべての学費は王族や貴族からの寄付でまかなっていて、管理は王族直轄がしている。寄付は将来的に領地を繁栄させるための初期投資として当たり前だと思われているため、ほとんどの貴族は定期的に行っていた。そのため、うちのような貧乏貴族でも通うことができた。


 初めて王都に行ったときはあまりのきれいさ、人の多さに驚いたものだった。


 10歳で学園に通うようになり、容姿がそれなりに可愛かったからか男の子に声を掛けられることが多かった。薄いピンクの髪、茶色い目、ふわふわした髪というだけで可憐だと思われていた。


 14歳になったある日、お父様から私の能力を教えられた。

 心で念じて目を合わせると、相手が自分に好意を持ってくれるというものだった。

 お父様がどこからか先生を連れてきた。何度か指導されて、相手に命令をさせることができることがわかった。


 それからというもの、私に好意を持たせたあとに命令をするとおもしろいくらいにみんな思った通りに動いてくれた。うちは貧乏だったし、お金とか物とか少しくらい分けてもらってもいいよね。そう思っていた。


 好みの男には貢がせることはしなかったけれど、他の男と張り合って金品を持ってくる男もいたので、体でお返ししたりもした。たくさんの男と関係を持ったが、みんないつだって私を好きだと言って甘やかしてくれた。婚約者がいた令息もいたが、みんな破棄をし、私に尽くしてくれた。それが当たり前だった。


 ある王族主催の夜会があったときに運命の出会いがあった。

 いろいろな夜会はあるけれど、出席していることがほぼないと言われる『氷の王子』がいたのだ。入場から退場するまで王族か護衛とだけしか話をしていなかったが、信じられないくらいの美形で好みの顔だった。

 あの男がほしい。いや、あの男は私を好きになる。そう確信していた。

  私と目を合わせれば私をすきになると。


 それからはお父様に相談し、王家に求婚の手紙を何度か出していたが、手紙のみで断られていた。会いさえすれば好きになるのに。


 学園を卒業する年の18歳のころには、みんなからの貢ぎ物で男爵家とは思えないくらい家が潤っていた。今まで貢いでくれた男たちの中で急に学園を去るものがいたけれど、代わりはいくらでもいた。ただ、高位貴族と低位貴族はクラスも校舎も違ったため、全く交流がなく、効率的に稼ぐことができなかった。


 何度目か分からないくらい求婚の手紙を出していたが、先日はとうとう宰相が断りにきていた。説教付きで。低位貴族から王族に求婚などルール違反も甚だしく、金輪際出すなと。私がどれくらい愛されてるか知りもしないで。


 お父様が連れてきた先生が再度うちにきて、私に指導していった。これで思いのままだと。

『次の夜会は王族主催だから必ず王弟殿下も出席する。ひょっとしたらすでに婚約者がいるかもしれない。だが、君の力を使えば容易いだろう。保護魔法がかかった魔石をもっているとこの力は効かない』

 そういって先生は帰っていった。


 魔石をもっていたら私の力が効かないなら魔石は盗めばいいよね。


ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。

とてもうれしく思ってます(^^)


励みになりますのでまだの方はよろしくお願いします。

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