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次の日、目が覚めると何時かは分からないが日が高く昇っていた。
昨日ルークの話を聞いて、なかなか寝付けなかったせいだ。
しまった。寝坊だ……。
しばらくすると、昨日の侍女のマリンが来てくれた。
「おはようございます。お食事はいかがなさいますか?」
「おはようございます。軽く頂くことはできますか?」
「もちろんです。アレクセイ様の診察後、お持ちしますね」
と言うと着替え後アレクを呼んできてくれ、マリンはそのままドアの近くにひかえてくれている。
「おはよう! 調子はどうかな? ちょっと見させてもらうよ」
アレクは昨日と同じように頭から足先まで手をかざしていた。
今日も十分ぐらい経つと終わったようで、最後にヒールを掛けられた。
「だいぶ落ち着いてきたね。そろそろ魔力量も自分で確認できそうだけど、やってみる?」
魔力量……? いよいよゲームっぽい。
「ステータス。と心で唱えると見えるようになるよ。ちなみに、基本的に他人のものは見ることができないからね」
ステータス!
お、お、おお!?
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ステータス
工藤有栖 レベル39
HP 283/4253
MP 344/5239
属性:全
スキル:チート能力 レベル∞
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強いのか弱いのかさっぱり分からないけれど、属性とスキルが変!! こんなの某RPGでも見たことない! どういうこと!?
「どうかな? 見えたかな? ……うん、その様子だと見えたみたいだね」
アレクは他人のステータスは見られないといったが、鑑定のスキルがあるとある程度は分かるとのこと。ただし、鑑定スキル持ちは稀だとのこと。
その稀な鑑定スキルをルークは持っているらしい。
「HP、MPってのがあるのが分かるかな? HPは生命力、MPは魔力で、それがMAXに回復するまではしばらくゆっくり過ごしてね」
どれぐらいで回復するのか分からないが、まだまだかかりそうな感じがする。
「ちなみに属性はなんだい? 今後はそれに沿った魔法の練習をしていくといいよ」
「全です」
「え……」
「全です」
アレクの目がこれ以上は無理ではないかと思われるぐらい見開いたが、すぐに元に戻った。
やっぱりおかしいようだ。
「すべての属性持ちだということだろうが、それにしてもすばらしい。通常は一つか二つぐらいなんだよ。まあ、でもルーク様の例もあるしな…」
ちなみに属性は、火、土、水、風、光、闇、と六属性あり、アレクは水と光の二属性を持っているそうだ。光を持つ人は稀らしい。
「今日の診察はこれくらいにして、また明日にしよう。じゃ、またね」
アレクは忙しいらしく長居することなく部屋を出ていった。
そのあとマリンが軽い食事を持ってきてくれた。