表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/84

36

「いってらっしゃいませ」


 ライトやマリン、他の侍女たちからお見送りを受けた。

 始まる時間からは早いが王城に出発する時間になり、私たちは馬車に乗り込んだ。ルークは膝の上に座らせると、レイもカインもなんとも言えない顔をするのはいつも通り。

 

 王城につき、王の謁見の間に通されるのかと思ったら、また王の私室に通された。

 今回はレイやカインも同席している。


「ルーク、アリスよく来たね。今日は忙しくなりそうだけど、気をつけて、そして楽しんで。きみらの婚姻の発表なのだから」


「ありがとうございます、兄上」


「ありがとうございます、お兄様」


「時間より前に来てもらったのは妃を紹介しようと思ってな。アリスはまだだったからね。もうそろそろ来るだろう」


 すると、ちょうどノックの音がし、お兄様が「どうぞ」と言うとかわいらしい女性が入ってきた。


「アリスにごさいます。以後お見知りおきを」


  立ち上がり挨拶をした。


「まあ!ありがとう。リリーです。堅苦しいのは家族ではなしにしましょうね。姉様と呼んでくださいね」


 お互いに挨拶をすると、お兄様はリリーお姉様を膝の上に乗せた。普通に。

 ルークの言うとおりこれが標準だったらしい。

 それを見てルークが膝の上に乗せようとし一応抵抗してみたが、強い力で座らされた。は、恥ずかしい。


「アリスちゃんに夜会の前にお会いできてよかったわ」


「ルークが屋敷から出さないから、なかなか機会がなかったが、これからお互いに妃同士、仲良くしてやってくれ」


「お姉様よろしくお願いします」


 暖かい空気を感じながら、改めてルークに感謝をした。この世界に呼んでくれてありがとう。もう家族の暖かさはないと思っていたから。


「さて、じゃぁ控え室に行こうか」


 準備はできてるか?と問われてるように言うお兄様にルークは真剣な顔で頷いた。



 控え室に行く途中ルークから魔石を受け取った。


「これは保護魔法が込められた魔石です。毒や精神魔法、攻撃魔法など跳ね返します。必ず身につけておいてください。」


「はい、分かりました」


 ルークは聞かせるようにいつもよりゆっくり話した。


「こちらは私の分です。アリスと同じ保護魔法がかけてあります」


  ニッコリ笑いながら、やっぱりゆっくり話した。


「では、控え室に行きましょう」


 ルークは私の腰に手を当て、エスコートして控え室に入った。



「うまくいったか?」


 控え室に入るとすぐにお兄様から声がかかり、ルークは「おそらく」と答えていた。この控え室は王族専用で部屋に結界が張ってあり、話したことが外部に漏れることもないそうだ。魔法って便利だ。


 ルークはソファーに深く腰かけると私を膝に座らせた後ろから抱き締めた。


「もうすぐ始まりますがあまり心配はしないでください。

 入場すると参加者が挨拶にきます。その後兄上が挨拶をしたら、王族はダンスの披露をします。

 今日は私たちの婚姻の発表なのでしばらくはいますが、他のものとはダンスはしなくていいです。私から離れずにいてください。もし離れてしまったらカインが対応します」


「はい」と頷くと抱き締める力が少し強くなった。

 いよいよ夜会が始まる。


 

ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。

とても励みになります(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ