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本日このお話『召喚された私は~』のエピローグ的なものを短編でアップしました。リューン視点のリューンとリンの話です。合わせてご覧下さい。お読みになるときは残酷な描写があります。ご注意ください。
タイトルは『俺は俺が一生許せない』です。よろしくお願いします。
夜会まであと4日という日、ダンス2曲目 がやっと合格できた。今日は待ちに待ったルークとのダンスレッスンの日。
今朝は私が起きるよりも早くにルークは王城に行ってしまったのでまだ会っていない。
ルークが戻るまでまだ時間があったので、カインと先に2曲続けて練習し、ダメなところがないか見てもらう。
「この短期間でよく仕上げましたね。2曲続けて踊っても綺麗に踊れてますので、夜会でも自信を持って踊ってくださいね」
「はい。ありがとうございます」
カインからの合格をもらい、あとはルークとのレッスンを待つばかりと休憩しているとルークがダンス室に入ってきた。
「遅くなってすみません。早速始めましょう」
ルークは急いできてくれたのか、城に行くための服装のままダンス室に来てくれた。
「ルーク様…カッコいい」
ルークはほんとにカッコいいのだ。いつ見ても何度見てもかっこよすぎて好きすぎる。城に行くための服装も王子様で似合っていて自然と顔が赤くなる。
「私のお姫様、私と踊っていただけませんか?」
「喜んで!」
躍りながらルークから優しく微笑まれ、私は照れながらも微笑み返した。私がルークと踊ることは奇跡みたいに感じながら…。
躍り終わるとなんだか寂しく思ったけれど、私の足は疲れてもう体力は残っていなかった。
「ルーク様、ありがとうございました」
「アリス、とても上手になりましたね。夜会では私とだけ踊ってくださいね。楽しみにしてますよ」
と言って、そのまま横抱きにされた。
「カイン、部屋に戻りましょう」
カインに声を掛けながらスタスタと私の部屋に行きソファーに座ると、ルークの膝の上にそのまま私を座らせた。
マリンにお茶の用意を指示すると、私を後ろから優しく抱き締めた。
「アリス、ダンスをよくがんばりましたね。素晴らしかったですよ」
「ありがとうございます。ルーク様と踊れてすごくすごくうれしいです」
「私もうれしいです。ありがとうございます」
お茶が入り、マリンたちは退室していった。
「アリス、伝えることがあります。今日、兄上と決定させてきた内容です。
1つ目は、夜会では婚姻したことまで話し、披露宴を予定通り行うこと。ただし、招待は国内貴族は上位貴族までに限定することになりました」
事実のみの発表だが、アリスについての内情は召喚者ということだけで他は伏せることになった。
「2つ目は、男爵と繋がりのある侯爵家が判明しました。が、兄上がいじけるので任せることになりました。兄は昔から兄ぶりたい人なんですよ。ただ、頼りになる方なので任せていて大丈夫です」
「ふふ、仲がほんとにいいですね」
「そうですね。尊敬してますし、頼りにもしてますし、自分を頼りにもしてもらいたいといったところでしょうか」
「素敵ですね」
「でもアリスに勝るものはありません」
ルークはぶれない。抱き締められてる手に力が入っている。
「そこで夜会での注意ですが、私から離れないことと、魔石を渡しますので持っていくことです。魔石は紛失したとしてもアリスにはしっかりと保護魔法をかけてるので心配いらないです。おそらく男爵あたりが仕掛けてくるとは思いますが、私が狙いだと思いますので私たちにレイとカインを護衛としてつけることにしました」
侯爵についてはこちらが何も知らないと思わせた方がいいと判断され、アリスには知らされないことになった。
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