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本日2本目です

初めて魔法を使った日から5日後、2回目の魔法の練習日がきた。

今回は前回同様アレクもいたが、ルークも一緒にやることになった。

今回も始まる前にアレクの診察があった。


「はじめていいよ」


アレクの声にカインが大きな水晶みたいな石をテーブルに用意した。


「アリス、今日は保護魔法とヒールについてやりますよ。

保護魔法はあらゆるものからに対しての保護なので便利です。

ちなみに、アリスには私が毎日掛けてるので、アリス自身には掛けなくていいですよ」


い…いつの間に掛けてたの?



今日の先生はルーク。カインは光属性を持ってないかららしい。


「この石は保護魔法やヒールを練習するための石で、これで合格したら人に向けてできることになってます。

さっそくやってみますね。


プロテクト!」


すると、ふわっと膜みたいなもので全体が覆われた後に消えた。


「これが保護魔法です。保護魔法は魔力の強さに比例します。守るイメージでやるといいですよ」


守るイメージ、守るイメージ、守るイメージ。


「プロテクト!」


するとルークと同じように膜みたいなもので全体が覆われて消えた。


「アリスは才能がありますね。すばらしい!

今後は今の保護魔法に、毒の耐性とか攻撃魔法からの防御とかの付与で保護魔法のレベルを上げていくことができます」


「ルーク様、私にはどんな保護魔法が掛かっているのですか?」


「んー……毒、攻撃魔法はまあ当たり前ですね。あとは魅了などの精神魔法、呪いなど、だいたいものは跳ね返します」


「えげつない」カインが呟いた。


「それではアリス、さっきの保護魔法をカインに掛けてみましょう」


カインはしまった!という顔をしていたが、ルークはニッコリ笑っていた。


先程と同じようにカインに掛けると、同じようにうまくいき、カインもほっとした顔をしていた。


「次はアリス自身に掛けてみましょう。私の保護魔法は重ね付けできるので心配いらないですよ」


また先程と同じように自分にも掛けてみるが、何度やっても発動しなかった。


「同じようにやってるつもりなんだけど……」


「うまくいかない原因がわかりませんね。アレク、心当たりある?」


「分かりません。見ていると間違った掛け方はしていないです。魔力の流れも特に変わってないのですが発動しませんね」



「うーん…、アリス、私に掛けてください」


ルーク様にも同じよいに保護魔法を掛けると、今度は問題なく掛けられた。

どうやら自分にだけ掛けられないようだ。


「うーん、召喚されると自分には掛けられないのか?それとも別の理由なのか…」


ルークもアレクもカインも思案しているが、掛けられないものは仕方がない。


「これについては、追々調べましょう。保護魔法も初級はできてますので、次はヒールの方を練習しましょう。」


いつもアレクがやっているヒールだ!

上達すると、かなりの治療、治癒が出来るようになるらしいが、光属性がないと使えない魔法で貴重だと言われた。


「これは実はシンプルなんです。治れ!とイメージして掛けるといいですよ。石に向かってやってみましょう」


治れ、治れ、治れ

そっと指先に力を込めて発動させると、石に変化はないが、うまく出来たようだ。


「アリスはほんとに才能がありますね。ではカインにも掛けてみましょう」


カインはすでに想定していたのか、疲れた様子で待っていた。


治れ、治れ、治れ

カインに向かって発動させると、カインから感嘆の声がでた。


「これはスゴい!ルーク様も掛けてもらった方がいいです!」


ルークにも掛けることになりヒールを発動させた。


「なるほど。これは確かにスゴい。髪の毛1本1本にまで活力が湧いてくる感じです」


結局アレクにまで掛けることになったが、ヒールも自分に掛けようとすると発動しなかった。

体験したかったのに残念。


「自身に掛けられない原因は分かりませんが、王城の禁書の方にはまだ書物があるかもしれません。ルーク様、確認したいので許可を取ってもかまいませんか?」


「かまわないよ。アレク、よろしく頼むね」


今日も最後はアレクの診察で終わり、そのままルークは執務に戻った。


この二つの魔法は部屋で練習しても構わないとのことだったので、さっそくマリンや他の侍女に掛けさせてもらうと、口々にすばらしいだの、スゴいだの、誉めた上にお礼を言われた。


「アリス様のヒールは若返った感じがして、さらに体がすっと軽くなるんですよ。ご自身に掛けられないなんて残念ですね」


「そんなにいいの?自分にもかけられたらよかったのになあ。練習したら上達していくみたいだから、毎日掛けさせてくださいね」


マリンが入れてくれた紅茶を一口飲んだ。


「え?毎日掛けていただけるのですか?」


なんだか、すごく喜んでもらえたことに、やっぱり自分に掛けられないことを残念に思った。

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