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その後もひたすら貴族の顔と名前と何をした人かを覚えていく。たまにカインから言われるエピソードを聞きつつ覚えようとするが、もう頭が働かない!限界!と言うところで終わりになった。侯爵家多すぎます。
そういえば、国王陛下から侯爵家がバックに付いてるから気を付けろと言われていたことをふと思い出した。
「カイン、かの男爵のバックについてる侯爵は分かったのですか?」
カインがなぜか驚愕な顔をみせている。
「えっと……ご存知だったのですか?」
「ご存知もなにも、ルーク様のお兄様にご挨拶に伺ったときに、気を付けるようにルーク様におっしゃってましたよ」
「そうでしたか。それについてはまだ調査中ですが、夜会までにはお伝え出来るかと」
「はい。では私にも必要な情報があれば、そのときは教えてくださいね」
お昼になり、今日は天気も良いということで、ルークに許可を取り、その場にいた使用人のみんなでお庭でピクニックをすることになった。
心地よい風もあり、はじめてみんなと食べる昼食にうれしくなった。
途中からルークたちも加わり、大人数のピクニックはとても賑やかに終わった。
午後は夜会や結婚式での衣装合わせをした。夜会の方は深い青色で宝石が散りばめられたキラキラとした生地でできていた。
Aラインのドレスは試着をしてみるとぴったりで修正箇所はなかった。このドレスに合わせ、アクセサリー、靴を履いていったのだが、実は事前にルークから指定があったらしい。
「アリス様いかがですか?とてもお綺麗ですよ」
仕立てやさんが笑顔でいうと、マリンや他の侍女もほめてくれた。
「とても綺麗なドレスですね。ありがとうございます」
マリンが「そうじゃない。お綺麗なのはドレスだけじゃない」と影で呟いていた。
夜会の衣装の方が決まり、次は結婚式の衣装合わせだ。ウェディングドレスは真っ白のプリンセスラインで、こちらはオーガンジーのような透けた生地が何層にも重なっていてふんわりとしていた。
上身頃の部分には細かい刺繍が入っていてとても手作業とは思えないすばらしい出来だった。
「こちらもすばらしいですわ。とてもお綺麗です」
仕立てやさんも侍女たちもほめるので
「ほんとに綺麗なドレスです。それにすばらしい刺繍ですね。ありがとうございました」
「だから誉めてるのは衣装だけではなく…」
マリンがぶつぶつ小声で何か言っていた。
ウェディングドレスも直しがなく、アクセサリーや小物も決まった頃には夕方になっていた。
ルークの衣装は午前に合わせたそうで、私の衣装と対になっているらしい。
当日まで見られないのが残念だ。
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