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「アリス様、5日ぶりでございます。お元気でしたか?」


マリンからニヤニヤ笑いながら声をかけられた。うん。なんだかマリンの性格がだんだんわかってきたかも。


「元気ですよ。マリンはどうでしたか?」


「私は元気でしたが、カイン様はだいぶお疲れかもしれませんね。ふふふ」


「カインに何かあったのですか?」


「いいえー、いつもより仕事が多かっただけですよ。ふふっ」



私がいない間、お仕事がたいへんだったなんて何か急なことでもあったのかな。


今日の予定はどうなるのかな?と思っていたら、カインが部屋にやってきた。


「おはようございます、アリス様。遅くなりすみません」


カインの様子を見ると明らかに疲れきっているように見える。目の下には特大のくまができているし、いつもピシッと撫で上げてある髪が自然のままになっていた。

個人的には今日の髪型の方がかっこいいと思ったが、言ってはいけない気がしたので黙っておく。



「午前中は今日は魔法についてにいたします。ただし、実践になりますので、保護魔法がかかった部屋に移動します。

午後は午前の様子を見てアレク様から許可が出ればダンスの時間にします。初めて魔法を使うので体調が読めませんからね」


おお!ついについに、魔法のことを習えるみたい!

これだけは元の世界にはないものだったからとても楽しみだった。


保護魔法のかかった部屋に入るとアレクがソファーに座っていて、私たちに向かって手を振った。

部屋に物はほとんどなく、ソファーとテーブルのセットくらいしかなかった。


「今日は魔力の様子を見るためにアレク様も同席されます。

魔力を使うときはリラックスしている方がスムーズにいきやすいので、アリス様、まずは座られてください」


小さく息を吐いてからアレクの隣に座った。


「先に魔力の調子を見させてもらう前に、カイン、君にヒールをかけようね」


アレクにヒールをかけられたカインは目のくまが減り、顔色もずいぶんよくなった。


「アレク様、ありがとうございます。なんだか生き返りました」


アレクは「ハッハッハッ大袈裟だよ」と笑いながら私に手を上からかざしていく。それが終わると「はじめていいよ」とカインに声をかけた。


「まずは魔力の流れを感じましょう。私の魔力を流します。どんな感じか覚えてください」


手を握られたかと思ったら、指先から体の中を水が流れるように流れてくるものがあった。これが魔力の流れだろうか。


「これが魔力の流れです。魔力の出し方は人それぞれですが人差し指で魔力を対象に指示するようにするとしやすいかもしれません。

とりあえず、この石を浮かべたいと思ったら石を浮かべるイメージを持ちながら指先に力を込めて浮かべと指示する感じです。

こんな感じですね。アリス様もやってみましょう」


テーブルの上にあった石がふわふわ浮かんでる。


「はい。指先に力を込めて……浮かべ!

うわぁ、浮かんだ!浮かんでますよ!」


「下ろすときはゆっくり下ろすように指示してもいいですし、魔力を止めればこの石は落ちます」


石がテーブルの上にコロンと落ちた。


「初めてやってみていかがですか?」


「すごくうれしいです」


アリスの喜びようにカインとアレクは微笑んでいた。


「魔法はイメージが大切で、イメージが悪いと失敗します。少しずつレベルを上げていく練習をしましょうね」


という、カインの言葉通り、少しずつ練習を進めた。


石を浮かせるから始まり、風を起こしたり、水を出したり、火を出したり……

魔力が豊富だからだろうか、初級は難なくクリアしていった。


「今日はもう終わりにしよう」


という、アレクの言葉で練習は2時間ほどで終わった。始まるときと同様、アレクは私の頭から足元まで手をかざしていく。

問題はなかったようで、午後のダンスの許可が出た。


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