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メイド服姿の女性に連れられ、男性二人が戻ってきた。
さっきはあまり見ていなかったが、一人は私好みのかなりのイケメンだ。一目惚れと言っても過言ではないくらいに。なんて綺麗な顔をしているんだろう。金髪に目が青い。鼻筋はすらっとしていて、薄い唇はきゅっとひきしまっている。背も高そうだし、細身だが筋肉はありそうだ。
「アレク、どうだ?」
「今は魔力も落ち着き、おおむね問題なしです。ただし、魔力の安定まで何回か繰り返しますのでしばらくは静養を。また明日診察致します」
「そうか」
アレクは頭を下げて部屋から出ていった。
男性はアレクから話を聞いたあと、私に顔を向けにっこりと笑った。
「!」
イケメンすぎて心臓が痛い。
それになんだかいい匂いがする。
「こんにちは。私はルーク・ローズと申します。ルークとお呼びください。あなたのお名前をお聞きしても?」
「あっ……。はじめまして。ルーク……様?私は工藤 有栖です」
「クドウ……アリス……。ではアリスと呼んでも?」
「あ、はいっ」
こくこくうなずくと、ルークは破顔した。
!!
あぁ、心臓が痛い。イケメンの破壊力スゴイ!
「こちらは私の側近のレイです」
「はじめまして。レイ・オーキッドです。護衛も兼ねてやっております。よろしくお願いいたします」
レイは暗めの茶髪にグレイの目をしていた。ルークとはまた違ったイケメンだ。ルークよりも背が高く、護衛ということだけあって細身だががっちりしている。そして、なぜかニコニコ笑っている。
「いろいろと聞きたいことがおありかと思いますが、起きられるならまずは食事でもしましょう。
準備はこちらの従女のマリンに任せてください」
ルークはそう言うと私の頭を撫でてから部屋を出ていってしまった。
「マリン様……?」
「マリンです。従女をしております。様は付けずにそのままマリンとお呼びください。なにかありましたら、なんなりとお申し付けくださいませ」
「マリンさん、よろしくお願いします」
マリンは明るい茶髪をお団子にし、ぱっちりした薄い茶色の目をした顔をしていた。私よりも年上っぽいがかわいらしい顔立ちだ。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。使用人ですから呼び捨てでお願いします。
では、起きられるようでしたら湯あみをいたしましょう。私が支えますので大丈夫ですよ」
湯あみ? お風呂のことかしら?
と思っていたら合っていた。体がベタベタしてたからとてもさっぱりした。少しふらふらしていたからか、手伝うと言われたが、一人で入れると言って一人で入らせてもらった。
お風呂のあとは髪を乾かしたいのだが、ドライヤーはどこかな? と探していたらマリンが戻って来てくれた。
「こういうのは従女が致しますのでこちらにお座りください」
ふと鏡をのぞくと、いつの間にダイエットをしたのか、自分がかなりほっそりとしていた。鏡が歪んでいなければ十キロほど痩せたような……。そういえば、に、肉がなくなってる。
マリンが私の髪に手をかざすと、濡れた髪がふわっと浮いたかと思ったときには乾いていた。
「えっ!!」
マリンによると魔法で乾かしたとのこと。
なにがなんやら……。
私、まだ夢の中かもしれない。
呆けている間にシンプルなワンピースを着せられ、軽くお化粧もされた。