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18 ルーク視点

ルーク視点続きます



屋敷に戻ると、通常の執務があったのと、加えてアルボーン男爵家について兄上からあった情報、さらに追加の情報を精査すること、また、アリスの護衛の件についてなどやることがたくさんあった。

夕食には体を空けるために昼はアリスに一人で食べてもらった。


執務については一週間ほど前倒しできるものはやってしまっているが、どうしてもできないものの分をやってしまう。

アルボーン男爵家は、誰かもう一人ほど動かそう。

アリスの護衛については、レイに選定を任せていたが、騎士団時代の部下に決めたようだ。身体能力も高く、口も固い。

レイに了承を伝えると驚いた顔をしていた。


「女性騎士以外は認めないかと思った」


レイはやはり遠慮がない。というか、誤解していると思う。

カインと二人いれば、俺がいない緊急時も対応できるだろう。


しばらく恪勤していると、なんとか今日の分は終わった。一旦私室に行き、休憩することにした。


レイもライトもお茶を入れるのがうまい。自分もいつか入れたいと思いつつ実現はしていない。


今日はライトが入れたお茶で一息つく。


あとは領地についての調べものがあったはず。と考えていると……


「ルーク、そういえば、結婚おめでとう。小さい頃から見ていたから、俺としてもすごくうれしいよ」


「ルーク様、ご結婚おめでとうございます。ついにここまできましたね」


レイとライトに改めて声をかけられた。執務が忙しくてすっかり忘れていたが、今日、結婚して夫婦になったのだった。

小さい頃から家族以上に一緒だった二人の前だからこそ素直に言える。


「ありがとう。これからも迷惑かけるがよろしく頼む」


それから10分ほど休憩した後、調べもののために図書室に行こうと部屋を出たら、ちょうどアリスの新しい私室からアリスが出てきた。

アリスもこちらに気付いたかと思ったとたん、カインの後ろに隠れてしまった。


婚姻届を出したのが早急すぎていやだったのだろうか。そうだとしても隠れるなんて……。


「今日の執務は終わりだ。呼ぶまでは誰も入るな」


とレイとライトに声をかけ、カインの後ろにいたアリスの手を引いて、寝室に連れて入った。




寝室に入ると後ろ手で鍵を閉め、ベッドの上に座り、膝の上に正面を向かせてアリスを座らせた。


「アリス、アリスは私よりカインの方がいいのですか?」


これでそうだと答えられたら立ち直れる気がしない。


「ちっ、違います。さっきカインから、今日から寝室はルーク様と同室でと言われて、いろいろ妄想してしまったのを…、ルーク様を見て思い出してしまって………」


え?顔が真っ赤なんだけど。

それって、俺とのことで妄想して恥ずかしいって、恥ずかしいことを妄想したってことだよな。


アリスをぎゅっと抱き締め、そのままそっとベッドに押し倒した。アリスは自分の破壊力が分かっているのか?



「かわいいことをする子にはお仕置きしないとね」


アリスの表情がくるくるかわる。赤かったり青かったり。


「理由があったとしても、夫の俺から逃れるために他の男に隠れるのはお仕置きが必要だよね」


「ごめんなさい」


少し泣きそうな顔でアリスが答えた。

アリスがかわいすぎて心臓が痛い。

俺はどうにもこうにもうれしくて、アリスの唇に優しくキスをした。


「結婚してくれてありがとう。愛していますよ、アリス」


「私もです」


小さな小さな声でアリスが答えた。

よかった。俺が嫌われて隠れたわけじゃなくて。

愛しくて愛しくてもう離したくない。離れたくない。


大事な大事なアリス。

身も心も俺だけのものにしたい。

宝物にさわるようにそっとアリスの頬を挟み、優しくキスをし、そのあと俺のものにした。


愛しすぎてどうにかなりそうだった。

19年待ったけれど、その分尊くて離れられない。


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