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一通り見ると、隣の寝室に移動することになった。


「こちらの部屋は日当たりがとてもいいので、きっとお昼寝にももってこいですよ!」


マリンが笑いながら言ったので、つられて笑っていると、隣のルークの部屋からちょうどルークたちが出てきた。


ルークを見ると、急にさっきの初夜の妄想を思い出して顔がほてり、思わずカインの後ろに隠れてしまった。


それを見たルークはレイや、ルークの執事のライトに「今日の執務は終わりだ。呼ぶまでは誰も入るな」と声をかけ、カインの後ろにいた私の手を引いて、さっき案内されようとしたばかりの寝室に連れて入った。

カインがあーぁ、という顔をしていたのが見えた。



寝室に入るとルークは後ろ手で鍵を閉め、ベッドの上に座り、私をルークの膝の上に正面を向かせて座らせた。

あいかわらずルークからはいい匂いがする。


「アリス、アリスは私よりカインの方がいいのですか?」


いつだって穏やかに笑ってくれるルークの顔が、少し怒ったような困ったような顔をしていた。

私に向けて怒ったような顔は初めてだった。


「ちっ、違います。さっきカインから、今日から寝室はルーク様と同室でと言われて、いろいろ…妄想してしまったのを…、ルーク様を見て思い出してしまって………」


私は顔に熱が集まるのを感じ、だんだん自然と小さな声になりつつ答えた。

するとルークは目を見開き、私を強く抱き締めたかと思うと、ベッドに優しく押し倒した。


「かわいいことをする子にはお仕置きしないとね」


え?お仕置きって言った?


「理由があったとしても、夫の俺から逃れるために他の男に隠れるのはお仕置きが必要だよね」


あうっ……。ごもっともすぎて、言葉がでない。

自分がされて嫌なことは人にしてはいけない。恥ずかしくてもカインの後ろに隠れてはいけなかった。


「ごめんなさい」


私が謝るとルークは驚いた顔をしたあと、ニッコリと笑い唇にそっとキスをした。


「結婚してくれてありがとう。愛していますよ、アリス」


許してくれるのだろうか。不安に思いながらも、ルークの目を見ながら小さな声で答えた。


「私もです」



その後、私が妄想してしまったことをルークと致したのだが、お仕置きといいながら甘く、大事に大事にされた記憶しかなかった。

ルークのことがもっともっと愛しく、泣きたくなるぐらい幸せな気持ちで溢れていた。

ルークも同じように思ってくれているのか、とろんと甘い顔をずっとしている。


大好きすぎて胸が痛い。




ただ、私がこの部屋から出られたのは5日後だったのを思えば、やっぱりお仕置きだったのかもしれない。


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