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14 カイン視点

 カイン視点


 私はルドベキア伯爵家の三男で、現在はアリス様の専属執事をしている。

 ルドベキア一族は元々皇族の隠密であり、影の存在だった。影として今も王家に忠誠を誓っている。


 私も幼い頃よりルーク様の側近になるべく、兄と共にできる限り以上のものをやってきた。兄は努力が好きで、私はそんな兄につられるように努力をしてきた。兄がいなければ続かなかったかもしれない。

 剣術、体術、学力、魔法、マナー、ダンス…。その他にもありとあらゆるものを最高値まで高めてきた。そうしなければならなかった。

 中でも毒の体得だけは辛いと思った。毎日のように食事に毒を混ぜられ、嘔吐するのも辛かった。今では口に入れる前にだいたいの毒に気付き、無味無臭であっても口に入れたら分かるようになった。

 毒の体得が終わると食に全く興味が持てなくなっていた。食べることが作業としか思えなくなり、何を食べても同じだった。ただ、たまに兄がくれる甘いお菓子は好きだった。


 だいたいのことをできるようになった頃、ルーク様から命令があれば影の仕事もやるようになった。


 幼いころより、ルーク様とは近しくさせていただいていたが、それにしてもあのクールなルーク様が…。

 アリス様がいらしたときから我が主はどうなされたのだろうか。驚きの連続の数日後、ルーク様よりアリス様の専属執事を任命された。

 ルーク様が大事にされているアリス様。

 大事だと思う方が私にもできたらああなるのだろうか。

 今は考えないでおこう。


 アリス様は、異世界からきたばかりということで、こちらの世界のことを知るための勉強を始められたばかりだ。

 執事ということもあり、私が教えることになったが、アリス様が今後狙われる可能性を考えて、ルーク様が外部のものを入れたくなかったのだろう。


 まだ初歩的なことをされているさなか、驚いたことにあっという間にルーク様の妃となられた。異例づくしだと思う。


 アリス様は異世界の方とあって、やはりこの国の令嬢とは違う。

 規格外の魔力をお持ちだと聞いている。魔力の暴走を防ぐために魔道具を着けていることを、毎日確認することになっているほどだ。

 そのため、魔力は多いが魔法の方はまだ何も教えないように言われている。


 また、HP(生命力)がなかなか上がってこないことをアレク様が心配されていた。通常HPはしっかりと休めばある程度は回復してしまう。が、アリス様はその回復量が極端に少ないのだ。

 異世界からきたものは短命だと聞いていたが、もしかしたら魔力の暴走だけが原因ではないのかもしれないと思っている。


 それにしてもアリス様はお教えすれば何でもよくお出来になるのに、腰がとても低い。そしてとても素直だ。

 ありがとうございますが口癖で、皇族になられたのだから、その辺りは今後注意が必要であり、挙式までには身につけて頂こうと思う。

 

 最近探るように命令があったアルボーン男爵家についてはだいたいの情報が上がってきている。ルーク様がどうしたいかによるが、まあ、十中八九……。



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