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不穏
それは突然に起こった。
「ビービービービー」
けたたましい警報の音が船内に響いた。
「何事だ、ユーサ !? 」
ロッドは驚いて叫んだ。
「わからない。ちょっと待って」
「わからないって……ユーサ、どういうことなんだ」
「……」
しばらくユーサからの返事はなかった。
「ユーサ、ユーサ返事をしろ。異常事態なのか」
「ロッド、おかしいの。いうこときかないの。警報装置を止めようとしても……あっ!」
「どうしたんだ、ユーサ!」
「わからないけど……誰かが操作してるみたい」
「操作? 人為的なものだというのか !?」
「…!!…」
ユーサ自身、動揺してロッドに聞かれるまで気が付かなかった。
(あっ、あの時のあれ……)
「ロッド、今、例のスパイかもしれない二人組のうちの女性の方が、自室で何か機械を触ってるの。それに関係あるかもしれない」
そして、ユーサはその映像を映し出した。
その瞬間、ロッドの脳裏に不安な影がよぎった。
(こいつは……ハッカーか !?)