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ロッドの回想②
祖母は信仰心の厚い人だった。
小さい時から、変わらぬ祖母を見てホッとしたものだった。
僕が、学校を卒業して、いよいよパイロットになろうとした時、祖母はこんな事を言った。
「お前は、笑わなくなったね。でも、いつか笑えるようになれる日が来る」
そんな日が来るのだろうか。
「人はなぜ待てないのだろうね。神様は途方もなく長い時を待っていてくれる。人間が成長するのをね。……大切なものを幸せにしたいなら、あきらめないことだよ」
僕はいつのまにか泣いていた。子供のように。
祖母は黙って僕の頭をなでてくれた。
泣いたあと、少し恥ずかしかったがスッキリした。
まだ、痛みはとれないけれど……。