9話 ゲームやってると時間忘れるよね
採取をしてたら、ふと思った……ゲーム内の時間と外の時間ってどうなってるんだろうな。
セナを見て「現実の時間って今何時だろう?」言うと「さぁ?」としか帰ってこない。
御梅を見ても頭をかしげるだけだ。どうしようか、そろそろゲーム内では夜になるからモンスター出てきそうだし。
「どうしよう……」
「私としては、モンスターと戦ってみたいんだけど~」
「よし、1回だけ戦って見よう……セナと私は戦えないけど」
御梅は戦ってみたいらしいし、戦ったら満足するだろう。そして、服がどうなるのかも気になるしな……いや、破れたらどうなるとか想像したわけじゃないぞ? 俺もなるの嫌だからな?
そんな事を考えてたら、ニナからメールが届いた。
『件名:そろそろ飯食おうよ~
時間忘れてない?
ゲームしてから3時間は経ってるよ
追伸
私料理作れないし、一緒に買い物しよう~』
3時間も経ったのか……。そういえば、ニナ料理ダメだったな……家に食べに来るくらいだからな。
そうそう、返信っと……モンスター1匹倒したら戻る……と。
それと入ったのは、9時位だから今12時なのか。それでゲーム時間の方は……入った時、丁度朝だったから3時間で夜……4時間で1日か。
「お? モンスターが出てきた~!」
「ステルス」
「おい、卑怯!」
ステルス:触れられない限り、モンスターに見つからない
御梅が声を上げた瞬間に、俺は素早く使うとセナが言ってくる。だってなんか嫌な予感がしたから……。
そういえば、武器装備したのかな?
「武器……武器、双剣!」
何も出ない……そりゃ装備してないからね。て事は……攻撃出来ないわけで……。
ちなみに、モンスターは王道のスライムみたい……すごいプルプルしてる。
「装備しろって、門番言ってたのにね」
「えぇい! 暗殺!」
凄い1撃だった……ただし、物理だ! 武器無いとはいえ……物理で半液体? 倒せるのか? 打撃で。
倒せてるから、問題はないか。
「御梅は武器買わないとな、ただ金稼ぎは……」
「私が素材取って、セナが作って売る?」
「マケボが使えるかも分からないから、店売りになるな」
マケボか、プレイヤー同士でゲームマネーの取引的な奴だ。まぁ……今は、お金がそこまで必要じゃないからな。
とりあえず、戻らないとな……ニナにぼやかれる。
「モンスターも倒したことだし、私達はご飯食べるから一旦落ちるよ」
「えぇ~! ん? 待てよそれなら……」
「絶対来るなよ? 面倒な事になるから!」
そんな会話をしながら、街に戻ってログアウトをする。
装着したVR装置を外すと、ニナが若干半泣きで「1人で寂しいのよ! メールしても結局1人寂しいし」と言ってきた。
頭を撫でてやるくらいしか出来ないが、意外と嫌じゃないようで笑顔を見せてくれた。
セナは「無理して来なくてもよかったのにな」と言ったから、とりあえず俺がネック決めとく。
「また感触が……」
「息の根止めてやろうか?」
「まぁ……ハルが買い物付き合ってくれるし」
あんな顔をされちゃ困るからな……「近くに、スーパーあったな。そこ行くか」と言った。
セナも「俺も行くぜ、荷物持ちくらいになるだろ」と言ってる。
「ただな~、お前が来ると色々変な噂立ちそうだが?」
「今思えばそうだな……やめとく」
「そっか、兄妹はいいけど……ハルが一緒に居たら」
腕を組みながら頷いて「近所で、恋人くらいには噂されそう」と言う。そうなんだよな、この見た目だと何処行っても目立ちそうだしな。
結局2人で、食材を買いにスーパー行くことにした。
スーパーまで歩いてる途中、ニナが「沙月が、ハルの家に行くって」と言ってくる。マジか来る気か……。あの1言は来るとは思っていたけど。
少し肩を落としながら「なんか、どんどんバレてくな」と呟く。ニナは「まぁ隠しても、学校行くんだからばバレるよ」と言う。
スーパーの中に入ると、みんながこっちを見てくる。昨日も思ったけど……そんなに金髪って目立つか?
いや、目立つな……浮いてる感じがする。
「ハルは、綺麗だから。みんな注目してるよ」
「珍しいだけじゃないか?」
作るのはカレーでいいか、野菜コーナーで買い物してると……。
奥から誰かこっちに手を振ってる、ニナにだと思うけど……げっ! あれ先生じゃね? なんでこんな所にいるんだ?
「よっ! ゼノが死んだとか、連絡来たから落ち込んでるかと思ったが……!?」
「奏世先生、春転校してくる子ですよ」
「この綺麗な女性が……やべぇ、興奮して鼻血出そう」
相変わらずの変態ぶりだな……奏世 水雲、去年の担任の先生。馬鹿やってる俺ら3人と良く話してくれる先生だが……興奮するとすぐ鼻血でる。
とりあえず、笑顔で一礼しておくか。すると「仕草が綺麗すぎる、道理で入り口のおばちゃんが騒いでたわけだ」と言ってくる。
「料理か?」
「はい、この子得意なので作ってもらおうかと」
「いいな~、こういうのは女性から作ってもらった方が上手いからな」
おい、こっちを見て嫌らしい目をするんじゃない、悪寒がするわ! ニナも「気持ち悪いです」と言ってる。
巫山戯た感じに「酷いな、これでも先生なんだけど」と笑ってる。
「手間は変わりませんし、奏世さんも一緒に食べますか?」
「いいのか? どうせセナもいるんだろう?」
「そうだね、セナが待ってます」
誘ったのが意外だったのか、ニナは驚いてる。奏世先生の言葉で正気に戻ったのか、受け答えする。
自分で思った……これ、自分で面倒事増やしちゃったんじゃないか!?
ニナは落ち込む俺に「自業自得だね」と奏世先生に聞こえないように言ってきた。
次は、11月22日までに更新します