8話 クエストって聞くと受けたくなるけど嫌な予感がする
道具とか、スキルとか色々説明を省くかどうか、ずっと悩んでいました……。
修正(最初)
大きな箱が開かれた……どうなる!?
なんて事はなく、開かれた箱の中には『クエスト』と書かれていた……メニューの様な半透明の板があった。
御梅とセナは「クエスト?」と首を傾げていた。
「こういうのって、持ってみないと」
そう言って、マニュアルを掴んでみると『ユーザーコードに認証……認証しました』といった。
何か面倒な予感がするんだけど? いや、こういうのって逆に良い事が起きるのか?
『クエストを受注してください』
「えっと……」
メニューウィンドウから、内容と受注しますか? の文字が……。
えっと、何々? 長っ! 取り敢えず、細かな部分は置いておいて分かる部分を見るか。
はじまりの街から次の街へ、受注からWRO時間の5時間以内に次の街へ到達せよ。
それは全員強制参加であり……夜間のみ現れる、モンスターが一斉にこの街に攻めてくる。それを次の街へ行き、援軍を要請せよ。
受注できるのはユーザー番号の初期ユーザー10名のみである。このクエストを無事完了すると、街の好感度が上がり。購入及び、品揃えが増える。これから訪れるユーザーも反映される。
無茶苦茶な内容だな……。受けないでそのままにしておくか、10名なんてこんな場所に全員いるわけないしな。
板をそっと戻すと、箱はふたが浮遊し……そっと閉じた。
誰も受けない事を信じよう……。
「何だったの?」
「最強の装備とか貰えるとかじゃないのか?」
「そんなんじゃない、全員強制参加の……次の街へ逃げるクエスト」
2人は「何か……凄くワクワクする!」とか言ってる。ダメだこいつら……全員強制参加で、しかもモンスターが攻めてくる。それは、新規ユーザーしかいない今じゃ……。
てか、何でこんな事考えなきゃならない。誰も受けないし……ほっとこ。
「今は、やめておきましょう?」
「それもそうだね~」
「すげぇ……ワクワクするんだが、運営がやることだ……嫌な予感がする」
セナは結構、MMOやってるからな……運営が酷い所を数多く知ってる。
でも、この会社……全国と共同開発で作ったから、問題無いと思うけどな。でも、何で10名限定なんだ? 普通なら全員に見せるはずだけど……。
「やめやめ」
「そうだね~、外でモンスター狩りと行こう~!」
「私達は、狩らないけどね」
刈る側だな……。スキル使えば、見つからないし。セナは、論外。
セナに顔を向けると「今回は着いてくよ、次はこの街で色々試してみる」と言って。付いてくるらしい。
御梅は「確かに、生産職いても~意味ないし~」とからかっている。
「ふんっ、言ってろ。服がボロボロになって泣きついてきても知らないからな」
「決め顔で言ってるけど、かっこ悪い」
「しょうがないだろ! 裁縫なんだから!」
ステータス面で色々書いていないのが、気になる……。何故か? それは、装備欄を見て今の着ている服が『初期装備』として装備されてる事だ。
現実世界は無いと思うが……。服が破れるとか、無いよな?
「どうした?」
「どうしたの?」
「何でもない……凄く嫌な予感がしただけ」
リアリティに作ってると言っても、普通は破れ……るな。ゲームじゃなく、リアルに似せてたら。
まぁウジウジしててもしょうがない! 街の外へ出発だ!
色々試さないといけないし……。あの箱の事も気になる。
その後、適当に進んでいきなんとか……門まで着いた。門には門番が立っていた。
「この先は、瀬戸大橋……先には平原が広がっていて、よく練習場に使われる」
「通ります」
「構わない……だが装備は、装備しないとダメだぞ」
門番に「はい」と答えると、門を出た。
あ、装備忘れてた……道具貰ってたのに。メニューを開いて、イベントリで道具一式を開封する。
うわ……10個もある、なんじゃこりゃ……。1人でそんな事をしてると、隣で御梅とセナが話してる。
「凄い橋だな」
「凄い、凄いよ! ゲームの中とはいえ、こんな情景は見惚れるよ!」
メニューを閉じて周りを見渡す。そこには、風情のある橋と川があった。ただ……そういうのに詳しくないから「へぇ~」くらいの反応。
そんな事をしている2人を他所に歩いて行き、橋を渡っては……日差しを手で隠して周りを見渡す。
それにしても、ゲームの中だろ? そこら辺にモンスターいないのか?
「モンスターいないね~」
「世界を歩くと言うくらいだから、いないんじゃないか?」
そういえば、さっきの板に書いてあった……クエスト説明欄に『夜間のみ現れるモンスターが』と書いてあったか。
御梅に「もしかしたら、夜しか出ないかも」と言うと「えぇ~……」と崩れ落ちた。
「のんびりしてよう~」
「私は園芸で、素材取ってようかな……」
「俺は、ハルに付き添っていよう」
そうか……なら。とりあえず、スキル使うか……。
御梅も付いてきた。スキルが何かは見れば分かるが、使ってみる。
「マップ、ポイント」
マップ:簡易地図を頭に浮かべる、再度使用で消える
ポイント:マップと同時に使うと、採取出来るポイントを当てる事ができる
「なんか、凄いな」
「いや、何も見えてないでしょ……」
マップとポイントが頭に浮かぶため、歩いて……場所を触ってみる。
草の中にだけど、採取用の鎌……鎌。
どうやって……道具出すんだ?
道具……出てこい! 道具! 出るわけない……か。
「主道具といえば、いいんじゃないか?」
「主道具」
すると、ポンッと小さい煙と共に出てきた……。いいのかそれで……まぁゲームだからいいか。
さてと……えいっ。何か、揺れる……。
「えいっ! えいっ!」
「セナ……」
「御梅……」
どうしたんだ? という風に、2人見ると……「ナイス揺れ!」と親指を立てて笑顔で言ってきた。
揺れ? あぁ……乳揺れか。自分で動かしてると、何か同時に動くな~くらいだな。
その後もゲーム内で夜になるまで採取をした。その度に2人は「持ってるな」「持ってるね」と言っていた。
次は、11月17日までに更新します