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7話 選ぶ職がバラバラ過ぎて先が読めない

職業って全国合わせたら何個あるんだろう。

 人に揉みくちゃにされた、御梅を介護しつつ俺は職業をどれにしようか考えていた。


 いきなり起き上がって、御梅が「はっ! あの親父、尻触りやがったな!」とか言ってる。また、行くのか……懲りないな。

 セナは「俺は生産職やってみるわ」と言い出して、今いる採取職の反対側にある生産職の方に行こうとしてるんだけど……あ、御梅と一緒に揉みくちゃにされてる。真ん中から突っ込むから……。


 溜息付きつつ受付に話しかける。


「採取職をしようと思うのですが」


「了解致しました、それでは職業を選んでください」


 目の前に表示されたのは採掘師、園芸師、漁師だった。

 説明と分類細か! ここは少し、まとめつつ考えるか……。


 えっと……採掘師は。

 それぞれ道具が必要となるが、地表や地下、海辺や海底、沖合や川床による採掘や採取が可能となる。鉱物の採鉱や破砕、選別をする事ができる。


 園芸師は……。

 野菜や果樹(かじゅ)花卉(かき)や花木を含む。栽培や採取をすることが出来る。また生産、改良、加工をする事ができる。同じく道具が必要となる。

 他に温室とか盆栽の説明あったけど、今は割愛する……使うか分からないし。


 漁師

 海洋、海底、河川などの魚介類、植物を採取、養殖する事ができる。漁船に限り、動かすことが出来る。道具は餌も含み同じく必要である。


 うん……採掘はいろんな場所において、鉱石系とか取れるのか……水中でどうするんだ? スキルとかか?

 園芸は、栽培って……これ、何時まで掛かるんだ? 何ヶ月単位だろ? 収穫って。そこはゲームだから、育つかもしれないが。

 漁師は、年中大丈夫そうだが……養殖も可能か。いや、俺、全然知らないんだけどな。


「お~い」


「どうしたの?」


 セナがこっちに走ってくる。何があったのか聞きたいけど、御梅も一緒だった。

 御梅は茶髪を揺らしながらも、一緒に走ってくる。


「職業決めたの?」


「私は……くノ一!」


「俺は、裁縫師だ」


 御梅は、決め顔でこっちに言ってくる。確かに、新聞部は何時も、知らない所で覗いてるし。ある意味昔の忍者やくノ一か。無駄に去り際、鮮やかだし。

 セナのは……何か、こっちを見ていってくる所見ると悪寒がするんだが……。裁縫ってなんだよ、服でも作るのか? もっと別な奴があっただろうに。


「私は、園芸師にしとこうかな」


「それは大丈夫なのか?」


「そうよ、大丈夫なの?」


 言うしかあるまい……「お前ら、もし……道に迷って、腹が減ったらどうする?」と言う。2人は「その辺で採る」と言ってるが、ここはゲームの中だ。採れる訳ないだろ……。

 御梅は「腹減るの?」とセナに聞くと「さぁ?」と答えていた。


 受付に「園芸師でお願いします」というと。


「分かりました、ここに手を当てた後。道具一式をお渡ししますので、アイテムイベントリを確認してください」


 と、返ってきた。差し出されたのは、手形の様な物。手を置くと体全体が光った。

 光が収まっても、特に変化した様子はない。


「それでは、道具一式を受取ください」


 受け取ったのか? メニューを開いて確認して見る。アイテム欄はいくつか入るらしい、防具は無いみたいだけど……道具は10個近く? ある。

 2人は「園芸師って地味なイメージなんだが」「私も」と言ってる。


「地味なのはしょうがないと思う」


 そう言いつつ、メニューでステータスを確認して見るが……。

 表示少なっ! ほら、攻撃力とか防御力とか普通あるんじゃないの!? 表示されてるの……魔法を使う際? 使うMPと。もう一つは、GP? これは、採取職限定か? それしかない。

 後は、現在サーバーと名前、現在レベルくらい……手持ちのお金くらいだ。


 夢が無いのか……自由性があるのか分からないな。


「ステータス表示、殆ど無いんだけど……」


「嘘……確認して見る」


「俺も!」


 2人は、今ステータスを確認してるようだ。

 セナは驚いて「少なっ! あ、でも待てよ……こういうのって」と言って別な事を調べだした。

 御梅は「少ない! あ、でも私こういう方が好きかな」と納得していた。面倒な事考えなくてもいいけど。


 暇それぞれやっている様なので、スキル欄を確認して見る。

 ……多くね? いや、多いのか少ないのか分からないけど。少なくとも20個は見えるぞ。獲得レベルの表示が書いてあった。


「スキルが馬鹿みたいに多いな……多分、そっちはどうだ?」


「こっちは上がった時も含めれば、20個」


「こっちは、100個だ」


 100個って、そうか……生産するから鑑定スキルや品質を上げるスキルもあるのかな? 後、種類によって使う使わないがあるのかも。

 一方御梅は……「10個だったよ~」と言っていた。何か戦闘職、適当過ぎないか?


 という事で、俺達は無事。転職することに成功したんだが……。


「異形過ぎる……」


「そうだな……」


「なんで?」


 俺とセナで溜息を付くが……御梅はよく分かっていないようだ。

 普通は、戦闘職に固めると思う。最初なら余計……いや、採取職を選んだ俺が言うのもなんだけど。

 だからこそ、ギルドの中は戦闘職の所でごっちゃしてたんだと思う。


 職業は……園芸師、裁縫師、くノ一という。良くわからない組み合わせになった。

 大丈夫なのか、このパーティー……。


 取り敢えず、ギルドを出て……この先やることを探さないとな……。


「それで何処に行く?」


「まずは、外がどうなってるか確認しないとな」


「賛成~!」


 そうして俺達は、地図も無く……ただ適当に、街を歩いて行く。


『件名:戻ってきた

 その建物の裏、何かあるよ~。

 大きいけど、みんな不気味で近づかないみたい』


 ほぅ……それは、気になる。2人に「少しここ行ってみないか?」と言うと頷いてくれた。

 そして、俺達は偶然すれ違った建物の裏に行くと。


 奇妙な箱が置かれていた……うん、こりゃ不気味だわ。誰かが開けそうな気がするけど……。

 誰かがチャレンジしても開かなかったのか、ギズ付いてる。


 ほぅ……これは俺の好奇心が……と思った瞬間。

 黒光りで長方形の箱が開いた。

次は、11月16日までに更新します

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