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利用規約を見ないでゲームを始めたらTSしたんだが  作者: 秋雨そのは
最終章 ルールさえ守ってれば楽しみ方は自由
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おまけifストーリー:もし、元の姿に戻っても……

だいぶ経ってからのifストーリー作りました。

TS戻して、ニナと付き合うエンドですが、強引過ぎたかもしれません。


 家でニナと昼食の作っていると、御梅と奏世先生が何やら話をしていた。


 教えながら支度をするため、会話の方に注視することが出来ないが……人の話は喋ってると聞きたくなるものだ。

 包丁を使ってる時を除き、横目で2人の会話を盗み聞きしてみる。


「そういや、宿題やったか?」


「やってないよ、問題よくわからないし」


 先生はその言葉を聞き、大きく溜息を付いていた。

 そういえば、宿題か……ん? この姿だと転入だから必要無い……か。

 横でニナが図星なのか動作が止まっていた、お前やってなかったのか。


「何時もは夏休み初めに終わらせるんだけどね、ホントだよ?」


「分かった分かった、さっさと終わらせてやろう」


 こっちに訴えかけながらニナは弁解した。

 俺が聞く以前に、それだとやってないって言っているようなものだが。


 その後は俺も手を出しながら調理を進めていった。

 御梅は先生をからかって遊んでいた様だし、特に気にする会話をしていなかった。


「そういえば、セナは今日居ないんだな。宿題の事で釘指しておこうと思ったが」


 奏世先生は自分のハンバーグを細かく口に運びながらそう呟いた。

 セナを呼んでもよかったが、どうせあいつゲームの中だし、こっちに来るまで時間かかるからな。

 俺は「面倒だから」と言いつつ、ハンバーグを一片食べた。


「……そうか、あいつも贅沢だな。女子3人と居るなんて、1人は身内だが」


「セナは何時も誘いは受けてるから慣れてるんじゃない?」


「俺が居るときはそんな事無かったがな」


 記憶を辿っても俺の目の前で女子に言われてる姿は無かった。

 御梅が言ったように、誘いを受けるくらい女子に人気なのは知っていたがな。

 すると先生は「お前は不良っぽかったからな、声掛けづらいんだろ」と事もなしに答える。


「セナもあいつと居ると楽って言ったのはそれかな」


 ニナはそう言って俺を見て。


「さぁな、この姿になっても変わらずに接してるし、あいつも基本言わないからな」


 俺の言葉に奏世先生は、悪者顔をしてニヤける。


「あぁ、なるほどな」


 そう先生はうんうん頷き。御梅もハッとしたと思うと先生と同じ顔になり。

 俺が尋ねる前に御梅が「まさか」と言いながら2人で理解したように話し込んでしまった為、聞こうにも聞けない。

 ニナも何かに気づいたみたいだが、1人で何かをぶつぶつ言い始めた。

 その姿に気になって俺はニナに声をかけた。


「どうした?」


「なんでもない……ううん、ほんとなんでも無いの」


「……」


 自分にも念を押すように言われたニナの言葉に疑問を返すことが出来なかった。


 食事を終えてもそんな感じの雰囲気は変わらなかった。

 からかい相手を見つけた子供の様にはしゃいでる2人を無視しつつ、ニナと話をしていた。


「さっきからどうした? あの2人は何時にも増してふざけてるが……特に先生が」


「大丈夫、ちょっと自信が無くなっただけ……」


 自信? 何のことだ? セナの話と繋がりが無いように見えるが。

 ニナと一緒に食べ終わった皿を片付けながらそんな事を思う。

 食器を水で流していると、後ろからニナが抱きついていくる。


「お、おい」


 突然だったためびっくりしたが、ニナが「お願い、このままにして」と言われたため、食器を洗いながらそのまま待つ。


「どうしたんだ、らしくない」


「だって……ゼノがこのまま何じゃないかって、本当は戻る気が無いんじゃないかって」


「……」


 こんなに心配してくれてるとはな。

 すぐ答えが出せればいいんだが、俺はバカみたいだからな、無理なようだ。

 俺は洗いながらニナに答えられる事を、答えるために口を開いた。


『俺は、お前らと変わらない日々を過ごしたい。それは姿が違っても変わらない』


 そう答えようとした。

 ふと気になって食事中のあの時の事なのか、そのままの状態で聞いてみる。


「さっきの話からか?」


「そうだけど、もっと前……ゲームに閉じ込められて、戻ってきて、そこからゼノが楽しそうで。面影が小さくて、笑ってて……」


 黙るしかなかった。

 後ろですすり泣く様な声も含めて、俺も思うところはあったからだ。

 自分が自分じゃなくなる、そんな感覚も少しあった。それ以上に自分の体なのか不安もあった。

 でもあの頃には戻りたくない。だけど、何故だかそれは自分だとわかる。それじゃ今は?


「なぁ……」


 唾を飲み込み、ニナに問いかけてみる。


「俺は何なんだろうな。今が俺だと思うし、前の俺だって俺だ。今、凄く楽しい……だけど少し、いや不安なんだ。本当に俺なんだろうかって、この気持ちが何時か消えてくれないかって思ってる」


 深呼吸するように大きく息を吸って吐く。


「後数日、俺は後戻り出来なくなる。それに今でも色々動いてくれる人もいる。戻れるか戻れないとかじゃなくて引き返せない。ニナ……」




「この先の不安、生活もある。何があっても男だった俺には戻れない……。本当に俺はバカで、何もやっても考えても行き当たりばったりで、良い所も一つもない。それだと言うのにお前が好きだと言ってくれる」



「ゼノ……」



「もし、元の姿に戻ったら……いや、今からでも良い。どんなに大変だって一緒に居てくれるか?」



「……うん」



「ならもう1度、言ってくれないか」



「大好き」



 まだ女の姿だけどそう言ってくれる、彼女……ニナに口付けをした。

 こんな締まらない告白、誰にも聞かせられない。それでも彼女が好きだと言うなら、俺はきっと彼女を好きになるだろう。どんなに変な関係でも、勢いだったとしてもだ。


 まぁ……恐らくあそこで騒いでる2人には全部見られてるだろうけどな。




 1ヶ月後。俺はソファーに寝っ転がっている、その子に声を掛ける。


「おい、少しくらい手伝え。家事覚えるんじゃなかったのか?」


「うん~? だってゼノが全部やってくれるし、いいかなぁって」


「相変わらずお前は……」


 あの後俺は一悶着あって、無事に? 男の姿に戻った。

 ゲームのキャラ自体はあれで登録しているため、俺が作った女の姿だ。色々やらかした運営的には謝罪というのがあってプレゼントでもあるらしい。利用規約には書いてあるが詳しい事書いていなくて色々苦情が殺到したらしく、俺も含む10人の方にお詫びしていた。

 そのお陰か、両親の嘘も混じって転校生として入る予定もキャンセル、俺は復帰。馬鹿らしくなるくらい学校で色々言い合ったらしい。

 ちなみにセナは残念がっていたが、ゲーム内でその姿で一緒にやれることが分かったら変に猛アタックし始めて来て困っている。


 俺とニナは晴れて付き合い始めたのだが、これがまた色々変わらない。

 最初の頃は、家事頑張る! とか言ってきたが3日坊主みたいにソファーにふんぞり返っている。掃除の邪魔にもなるので退いて欲しいし。


 変わったといえば学校の帰りとか、休みの日なんかデートに出かける。

 そんで学校はというと。


「お前、俺らの関係バラすなよ。女子にも男子にも面倒なくらい話かけられるし、変な目で見られるし」


「いいじゃん私、ゼノ大好きだもん」


 消極的過ぎたニナは生き生きし始め、友達を通じて学校中知れ渡った。休み中何があったんだと色々言われる。

 一番の要因は御梅だ。新聞部だから号外で書いて掲示板張りとかしていた。もちろんのその日の内に教師に連行されたが、知れ渡るのは防げない。


 最近隠そうもしないニナにドギマギすることが多く、なんだか恥ずかしくなって顔もそむけてしまう。

 これが好きになることなのか、別な事なのかは知らない。


 でも……大切にしたいと思う。

今の所こちらの話次作る予定は無いので、それではまた何処かで。

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