33話前編 無意識でやるっていうのはある意味怖い
遅くて申し訳ありません
前編と後編に分けました、サブタイトルはこの文字数では回収難しいと思い……。
家に帰ってきてから柄にも無く、学校に行くのが不安になっていた。
ニナに言うのも情けないし、セナ辺りにゲームやりながらそれとなく相談するか。
1人で自分に元気を付けつつ、ゲームをやりに上に行こうとするとニナが話かけてきた。
「ゲームやるなら、ちゃんと戸締まり忘れないでね。今は女の子なんだからね」
「帰ってきたばかりだし、セナが来ない限り下は締めてあるよ」
「そっか」
少し安心した様な声を出していたが、なんか複雑そうな顔をしているな。
ニナはそれだけを言うと「私はちょっと沙月と一緒にやることあるから」と行って、俺の家の冷蔵庫を漁る御梅の襟を掴んで歩き出した。
御梅は「あぁ~プリンがあったのに」と言いながら抵抗していた。
「それ俺のだから、勝手に食おうとするな」
「いいじゃん! 買えるんだから」
ブーブーと言いたげにニナに引きずられながら、出ていった。
ニナの様子がおかしいが……なんでだ? 何かやらかしたか?
そんな事を思いつつ、玄関を覗いて遠ざかってく2人を見て俺は家の鍵を閉めた。
分からないな、ん? メールか。
考えても分からないままでいると、セナからメールが届く。
『件名:クエスト見つけたから手伝ってくれ
ゲーム内でレシピもらえるクエストあったから手伝ってくれ。
制服の採寸? だっけか、それ終わったらでいいから返事くれ』
あいつ、完全にゲームにハマってるな……しょうがない、付き合ってやるか。
溜息付きつつも、終わってこれからゲームにインすることをメール送る。
返事のメールが返ってくると、文章には前ゲーム止めた所の近くだから、インしたら教えてくれとのことだ。
「了解っと」
口に出して返信しながら、2階へ歩いていく。
パソコンを起動しながらふと思ったことがあった。
車に乗った時に言われた仕草について言われた時、何も考えずに返したが……意識してはいなかった。
自分の手を見ると違和感を感じない、慣れたとも言えるけど。
あぐら、なんてものもしなくなったし、それに……自分の体がこれが普通だと思っている事。
「いやいや、そんな事はない。これは元の体じゃない」
思いを振り払う様に、俺はゲームの中へ入った。
少しの間、意識が飛ぶ感覚に襲われて目を開けると、自分の部屋とは違う広々とした空間が広がっていた。
何も考えずにいられるゲームの中はとても快適に見えた。
セナにメールを送りつつ、周りの風景を見渡す。
「おっす、すまないな。すぐに呼び出しちまって」
「構わないよ、それよりもクエストだっけ?」
メールを送った矢先、セナがすぐに到着する。
気軽に声をかけてくる所、こいつらしいというかなんというか。
すると、セナが俺の顔を覗いてくると、首を捻ってくる。
「どうしたの?」
「いやお前、仕草こんなに上手かったか? 言ってあれだが、他の奴と比べて違和感が無くてな」
「……気のせいだろ」
さっき俺が思ったことを言われ、戸惑った。そんな事あるわけがない、俺は元男だぞと戸惑いを隠す様に背を向ける。
強く否定出来ない自分におかしさを感じつつ、本題の方をセナに聞こうと横目でセナを見る。
そんな俺を他所に「よし、考えてもしょうがない。行くか、ハル」と言って、いきなり背中を叩かいてくる。
「痛い」
「話が進まないからな、ついでに言うと。職業は今回狩人にしてきたぜ」
別に痛くは無い、背中を押されて少しバランスを崩しただけだ。
職業を変えて胸張っているセナに悪態をつこうと決めつつ、姿見をしても特に変わりない。
心の中で良くわからない、と思いつつも溜息を付いて歩いていく。
「敵と戦うなら武器を少し買わないと……そういえば、どうやってあれ上げたの?」
「裁縫か? 勿論、狩人のレベル上げついでに素材を集めてたからな、金も溜まった」
「そう、ならついでに寄ってって」
はいよ、と言いながら俺の横で笑いながら並んで歩く、それを俺は溜息付きながら一緒の歩幅で歩いた。
俺のアドバイスいらない所がこいつだな、今回のクエストは簡単に終わりそうだが……嫌な予感もする。
仕草、仕草か……学校で幾分には慣れてくれた方がいいが。
「……なんでこんなに不安になるんだろう」
「まぁ細かい事は気にすんな、どうせなるようになるさ」
こいつも母親みたいなことを言う、口調ですら違和感を感じて来なくなってきたというのに。
しょうがない、楽しむだけ楽しんでやろうか。
武器で買ったものは元の3本の剣に加え、10本程色々な武器種も買っておいた。
槍とか斧とか、あげたらキリがないな、まぁどうせ投げて爆発させるし。
重いのは勘弁だが、ダメージが大きい事はいい事だしな。
「買い過ぎじゃないか?」
「あのクエストの時に全然足りなくて、やられそうだったから。これぐらいが丁度いいと思って」
蜘蛛と戦った時も思ったが、片っ端から爆発させても消費が増えるだけだ。
そういえば、服装も着物のままだから変えとかないとな。
メニューの装備欄から着物を何時もの服へ変えて、反映させる。
「着替える時、光包まれるんだな」
「色々不味いでしょ、そこもリアルに作ったら子供お断り」
「このゲームをやるの自体色々、親的にまずいと思うがな」
違いない、と思いつつもクエスト受けるため、セナに案内させてもらう。
最初に保存された私服……もとい初期装備、ワンピース姿に戻って問題ないか体を見る。
問題無いし、行くか。
セナに声を掛けると、顔がちょっと気持ち悪かったので殴っておく。
しかし、避けられる……こいつ、避けるのうまくなってないか?
「はぁ行こう」
クエストを受ける人に聞いてみると、この近くにある村が襲われているだとか。
内容は『村の救護、または魔物の討伐』だそうだ。
救えとか……むしろ壊しそうで怖いんだが。
次は7月24日まで!




