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利用規約を見ないでゲームを始めたらTSしたんだが  作者: 秋雨そのは
3章 みんなで楽しむという事
26/43

26話 旅は1人より大勢が楽しい

ブクマしてくれた方々ありがとうございます!


前話にて、改稿しましたのでそのあらすじを

俺はニナと家に帰ると母親がいた、なんの様だと思ったらニナと一緒に買物行くし、その後暇でしょうがないセナがやってきた。あいつどんだけ暇なんだよ。


修正

 のんびりと隣に居るセナと喋りながら飯を食べると、食器を片付ける。


 午後3時まで暇だし、洗濯とかしておくか。

 俺は使った物を洗いながらそんな事を考える。


「そういえば、ニナはいないんだな」


「あぁ、俺の母親と一緒に買い物に行ったぞ」


「手伝えって言っておきながら買い物に出かけるのか」


 そんな事言われてたのかって思ったら、メールに書いてあった奴か。

 セナはパソコンに顔を向けたまま俺に言ってくる。

 お前はさっきから何を調べてるんだ……あのゲームの事だったら色々聞きたいが。


「何を調べてんだ?」


「うぉ、ちょっとあのゲームに付いてな」


 食器を洗い終わってセナの見ている画面を覗き込む為、横にしゃがみ込むと驚かれた。

 どうした俺を見つめて。

 何故か俺の方を見ているセナを気にしないでパソコンの画面を見る。


 公式サイトか、元はこいつに誘われてやろうと思ったからな、適当にしか確認してなかったわ。

 今開いてるのは……あれか、全体マップと施設か。


「そうそう、後で知ったことなんだがな」


「なんかあるのか?」


「攻略サイトを作るのを禁止しているらしくてな」


 脇で呟いたセナの方を見ると、パソコンの方へ顔を向けて「代わりに公式サイトに進行状況が分かるらしい」と続けた。

 それはそれで構わないが、運営も太っ腹……いや単純に楽しんでほしいだけか。

 戦闘もあの凝りよう、探せば色々な施設見つかりそうだ。


「PVPとかってどうなんだろうな」


「あぁ~、ちょっと待ってな今調べる」


 セナがマウスを動かして公式サイトのリンクを辿ってページを開いていく。

 しゃがんでるのも辛いため、セナの隣に腰を下ろす。


 やがてたどり着いたページに書いてあった事に目を通すと。

 暴力的、性的行為などは原則禁止……後はプレイヤー同士はそんな事が出来ない様にはなっているらしい。

 他にも色々書いてあるが、違法な取引や違法行為を見つけた時に運営に連絡すればゲーム内、現実共に対応するという事は覚えておこう。


「時間まで洗濯してるわ」


「よかったら手伝うぞ?」


「お前にしては珍しいな、だけど遠慮しとく」


 俺は立ち上がって、セナに言うと意外な言葉が返ってきた。

 元男だっただけに、洗濯物を見られるとなんていうか、恥ずかしいからな。


――数十分後


 こう、なんていうか……自分の着ていた物っていうのに少し戸惑うな。

 洗濯物を干し終わって、セナの方に向かうとノートパソコンを閉じて頭をくっつけていた。


「何してんだ?」


「いや、気にするな……俺が我慢すればいいだけだ」


 ますますよく分からんが。

 そういえば、そろそろメンテ終わってる頃じゃないか? 確か3時になる頃だと思ったし。

 時計を見ると、もう少しで3時というところだった。


「そろそろメンテ終わるだろ、上行くぞ」


「おぉ、そんな時間だったか」


「途端に元気になるのな」


 俺が呟くと、セナは勢い良く立ち上がった。

 他にやっておく事が無いか確認しながら、2階に上がろうと階段を登る。

 ニナや母親はかぎ持ってるし、最悪大丈夫だろう。


「全然聞いてなかったが、学校どうするんだ?」


「元の俺は死んで、新しく編入だってよ」


「思い切り早いな」


 俺は溜息混じりに、何故あの両親は前の俺に厳しいんだろうなと呟く。

 特に最近はそう感じる様になった、話し方といい世話の焼き様。

 まぁ、今気にしてもしょうがないか。


 部屋に着くと、セナは昨日と同じくベッドに座ってノートパソコンを開いた。

 機器も持ってきている所みると、やっぱり一緒にやるつもりだったか。


「さてと、インする場所は一緒だったな」


「それじゃあっちで」


「あぁ」


 セナは先に少量アップデートを済ませて、ダイブし始めた。

 俺も次いでパソコンを付け、アップデートと共にダイブをする。



 いつもの入る時のシステムの声と共に、ゲームの中に入っていく。


 目を開けると、そこには現実とは思えないような大樹が立っていた。

 キレイなんだよな、東京タワー以上の長さあるよな……いやあれですら間近で見たことは無いけどな。

 街に葉っぱが舞い散る風情は、神秘的とも取れる。


「ここが一番ゲームの中だと分かるな」


「そうだね」


 隣にやってきたセナに口調をを変えて答える。

 さっき思ってたことだし、同意だな。

 空気を大きく吸うと、爽やかな自然の香りが入ってきた。


 匂いまで再現か、現実と大差がさほど感じ無い所凄いと思う。

 わざとらしく伸びをしていると、セナがこっちを見ていた。


「どうしたの?」


「いやなんでもない、とりあえず街でも周ってみるか」


 そうだな、昨日は疲れて寝ちゃったし、どんなのがあるか気になってたんだ。

 セナと隣同士で大樹を囲む街をゆっくり周り始める。

 メンテが終わったばかりなのか、周りにはプレイヤーと思われる人は少ない様に見えた。


 人々を見ると、プレイヤーかNPCなのかすぐに分かる。

 街の人々が、全員若い男女であり……長耳に、髪の色が様々。


「エルフかな?」


「どこかのゲームで良く見るが、こんなリアルに見れるのは初めてだな」


 男子は中性的な活気とやんちゃな子供や、それをしか凛々りりしい大人までいる。

 女子はキレイな顔立ちで純粋な子供もいれば、大人びた雰囲気で優しく包む人もいる。

 すごいな、本当に別世界だ。


「周りの建物も、樹の根っこを使ったような木造だな」


「人ばかりで気にしてなかった……」


「それでも凄いよな、ここは」


 どうせなら他の奴らとも、この感動を味わいたかったがな。

 そういえば、ニナはこのゲームに誘ったらやってくれるかな……今度言ってみるか?

 周りを見渡しながらそう思っていると、セナがある店の前で止まった。


「お、ここは衣服店か」


「それがどうしたの?」


「いやだってな、こういう場所なんだから見たこと無い服売ってるだろ?」


 まぁ確かにそうだが……こちらにキラキラした目で見ているのが裏がありそうで嫌だな。

 中に入るために木のスライドドアを開けると、若い女性のエルフが「いらっしゃいませ」と笑顔で言ってきた。

 店で何かを購入するのは初めてだな、どうやって確認するかくらい試してみるか。


 店主に聞いたりアイテムを売ったりして思考していると、セナがこっちに掴みかかってくる。

 おいおい、どうしたんだ……て、そうかこいつ金無いからか。


「ハル、これ買って着てくれ」


「いやだ、何故そのフリフリを着なきゃならない」


「いいだろう~、どうせ防具の中で良い性能なんだからさ~」


 セナが見せてきたのは、黄緑色をメインとしたシンプルで妖精をイメージした様な服だ。

 いやそんな服、似合わんだろ……どちらかというと子供が着そうだぞ。

 俺は断固として断ると、セナはしょんぼりと肩を落とした。


 やっぱり裁縫やり始めたのはそれが原因かと改めて思った。

 ただ何時かは装備買わなきゃと思った。


「今の服でも構わないでしょ、早く行くよ」


「はいよ」


 そういってセナはすぐに立ち直って、俺の隣に並んだ。

 ほんとにこいつは調子いいんだから。


 そう思いつつ、俺達はゲーム内が夕方になるまで街を周り続けた。

次は、4月14日までに更新する予定です。


おまけ

エルフィン

生命の大樹と言われる樹の下で守護する種族、樹の下で儀式やお祈りをして大樹を信仰する。

外部の人でも来るもの拒まずだが、大樹に良からぬ事をすると……。

運営としては、この種族は別な物でよく語られるエルフを元にしたが、似ているだけで全く別物と主張している。

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