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利用規約を見ないでゲームを始めたらTSしたんだが  作者: 秋雨そのは
3章 みんなで楽しむという事
24/43

24話 人生誰しも人と関わっている

何も無い? 回です。

ただ、裏では何やらやりとりしているようで……。

 俺はニナと2人分朝食を作り、食事を済ませた。

 途中、セナから悔しそうな内容のメールが届いたが無視した。


 今、俺の部屋にあるクローゼットにかかっている服でニナが何を着せるか考えている。

 正直、ファッションだとかオシャレなんてものは知らないし……適当にしようとしたんだが。

 いざ服を持った時に「これどうやって着るんだ?」となった。


「う~ん、これでもいいし……これなんかどう?」


「よくわからん」


 ニナは「もう、自分の事なんだから……」と言いつつ、俺の体に重ね合わせて違うのか元の場所へ戻した。

 着かたもそうだが、何1つニナに頭が上がらないな。


――数十分後


 あれから服を着せてもらい、なんとか準備を終える事が出来た。

 白色の……ワンピース? だっけか、それとか黒いニーソックスとか色々着た。

 自分の部屋には鏡が無いので、洗面所で確認すると。


「可愛いな」


 そんな感想がもれた……自分の事なのにな。

 金髪にエメラルドの瞳と、日本人には見えないし体型もスラッとしていて……て何を考えてるんだ俺は。

 ニナが言うには、俺をカッコイイ系にしたかったらしいが、今はこれでいいとの事。


 財布とか最低限の物を持って、玄関に向かう。

 外にはニナが待っていて、満足気な感じで笑顔だった。


「どこに行く予定だ?」


「えっとに近くにある、喫茶店とか?」


 アバウトだな、まぁ構わないが。

 歩きだすと後ろからニナが「ゼノは……元の姿に戻りたい?」と聞いてきた。

 俺は別に前の姿に未練があるわけじゃないし、それに戸籍変えたから戻っても面倒なだけだ。


「別に思わないな、なった以上今更戻る気はない」


「そう……うん、ありがとう……」


 声が小さくてよく聞こえなかったけど、さっきと違いどこか元気が無くなった。

 それを悟られないようにか、ニナは歩いている俺の隣に早足に追いついてきて、無理して作ったような笑顔で並んで歩く。

 何故と聞きたかったけれど、聞くよりも俺はニナの頭を撫でた。


「ゼノ?」


「まぁこんな俺でも良ければ、これからも付き合ってくれ」


 ちょっとくさいセリフだったかもな、照れ臭くて空いてる左手で頬をかく。

 ニナはその言葉少しは元気が出たのか、少し嬉しそうな顔をした様に見えた。



 ニナが行きたかった喫茶店まで、のんびりと話をしていた。

 服に関してとか……後、珍しくゲームの事を聞いてきたな。


 街の外れで着いた喫茶店は、老舗の様な雰囲気を持った木造の店だ。

 自分で言うのもなんだが、建物見ても何も感じ無いんだよな。

 ゲームでもそういう場所だくらいしか思ってない。


「どうしたの?」


「いや、どこで知ったのか気になってな」


 ニナは店の前に立ち止まっている俺に聞いてくる。

 とっさに嘘を付いたが実際に気になった事でもある。

 ニナは「ちょっと知り合い」と言って俺の腕を引いて店の中に入る。


 店の扉を開けるとカランカランッというドアベルの音が鳴る。

 縦に伸びたカウンター席の正面に、少し歳行ってそうなお爺ちゃんがガラスのコップを拭いていた。


「いらっしゃ……おぉニナ、元気かの」


「おじいちゃん、こんにちわ」


 ニナの姿を見るなり、親しそうに声をかけた……ニナも気軽に話かける所見ると、親戚か親の知り合いとかか?

 すると、今度は俺に視線を向けてきた。

 笑顔で「いらっしゃい、適当な所に座っておくれ」と言った。


 ニナはう~ん、と言いながら日の光が入るテーブルの席へ歩いていった。

 俺はそれに付いていく。


「ハル、ここに座ろう」


 そう言って、ニナは座ったので俺はその反対側に座る。


 メニューの注文は、紅茶とか飲んでみる事にした……飲んだこと無いけど。

 注文が終わり、ニナは俺に話しかけてくる。


「あのゲーム、やめるつもりは無いんだよね?」


「あぁ、少なくともこの春休み中はやるつもりだ」


「そうなんだ……」


 ニナは少し残念そうな顔をしたが、楽しかったしやり続けるつもりだ。

 すると、ニナは携帯を取り出してメール打った。

 なんか凄く嫌な予感がしたんだが……何故かは分からない、だが悪寒の様なものが……。


「そのゲームって、自由に動けるの?」


「むしろ快適過ぎるな……普通に現実以上の動きが可能になる」


 そうなんだよな、出来そうと思えば出来る感じになる……怖いと言えば怖い。

 例えば現実では地面から、2階に飛び上がれないが……あっちでは、ジャンプの意識が出来れば行ける。


 多分、職業によって変わる事だが……武器の構え、技の動き、範囲が自動的に頭に入ってくる。

 無意識の領域くらいに。


「まぁ……世界を歩くのが目的だから、やると言っても……これからあいつとぶらぶら街巡りだがな」


「そう……なら私も……」


 ん? ニナがいきなりうつむいたが、何かぶつぶつ言って……まぁ気にしないでおくか。

 そんな話をしていると、お爺ちゃんが2人の飲み物を持ってくる。



 その後は、昔の事……小学生の頃の話で盛り上がった。

 昼になるくらいまで話して、そろそろ帰るかという事で家に帰る事にした。


 結局ニナの目的は、あのお爺ちゃんに会うこと?

 聞いても「ないしょ」と答えるだけで、更に良くわからん。


 俺達は家の近くまで歩いてくると……見慣れた車が置いてあった。


「両親、帰ってくるなんて言ってなかったよな」


 そう、そこに見えるのは何時も両親が運転してる車。

 ニナは特に驚く様子もなく、家に入っていく。

 俺も一緒に入っていくが嫌な予感が拭えない。


 何故だろうな、両親が絡んでるのと……ニナの態度が原因か?

 そう思いつつリビングに顔をだす。

次は3月14日までに更新したいです!

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