23話 不具合があってこそ改善する
3章です、日常パート……久しぶりです。
寝ていたようだ……ベットの中に入った覚えが無いから誰か運んでくれた様だ。
服装も変わってるしニナ辺りか?
ベットから出てスマホを確認すると、6時半くらいだった。
昨日も起きて分かった事だが……体が主に前の方が重いような気がする。
「ニナ辺りに聞いてみるか」
長い金髪を掻き、空いた片手は手すりを滑らせながら、下へ行くために階段を下りていく。
さて今日はどうするか……てニナに付き合う予定だったな。
多分今日も下にニナがいるだろうと思って、リビングの扉を開けようとすると数人の声が聞こえてくる。
――……ここが彼女の家か、1人暮らしなのは驚いた。
――……なぜ僕がこんな所に。
なんか聞き覚えのある声が聞こえてくるな……誰だっけな。
扉を開けてリビングに入ると、モナさんとオナが物珍しそうにリビングを見渡して……ニナはテレビを見ている。
そういえばニナは合鍵持ってたな、両親に無理やり作らされて……まぁ別に構わないと思ったがな。
「何でここにいるんです?」
「お、来たね……って寝起きなのか、すまないな勝手に上がってしまって」
「お、お前はなんて格好で……い、居るんだ!」
オナの動揺はよく分からないが、上げたのがニナだから別に気にすることもないな。
その声にニナは気がついたのか、テレビから視線を俺の方に向けて「おはよう」と言って、こちらに歩いてきた。
髪の手入れもまともに出来ないから、ニナにやってもらうしかないな……そろそろ覚えないとマズイか?
「ほ~ら、ハル行くよ……ごめんね、この子手入れも出来ないから」
「しょうがないだろ、2日で覚えられたら超人だと思う」
「あぁ、私達は構わないが……先程も思ったが、どこかで会ったかな?」
ニナは、それは戻ってきたら説明します……と言って、俺の背中を押して洗面所の方へ連れていく。
そっかニナは画面で見ていたから姿も分かるし、一方的に知ってる形になるのか。
――数十分後
む、無力過ぎる……試しにやってみる価値はあるかもしれないが、手際がいいニナに手伝う隙などなかった。
鏡を見た時のビフォーアフターが違いすぎる……そういえば、昨日風呂入ってないがまぁいいか。
リビングの方へ戻ると、ソファーにオナが座っていて、モナさんは……冷蔵庫を見ていた。
「ウメから聞いた話だが、君は料理が出来るのかい?」
「あいつ、色々な事喋ってるな……」
「……そっちが素なのかい? 大分荒いが」
別にアーリーアクセスの事知っている訳だし、御梅の親戚……後ゲームで一緒にやった中だし、少しくらい教えるか。
ニナの方へ視線を送ると、どうしたの? という感じに見てきた。
こいつは基本的に人を疑わないからな……そこが怖いが、いいところだ。
とりあえず、元の性別の事やニナがパソコン画面から見ていた事をモナさんに話す。
すると俺の方を見て、あごに手を当てつつ興味深々に体中を見始めた。
「オナのパターンは性別までは変わらなかったが……それにしても聞いてもいいかい?」
「なんですか?」
「子供は産めるのかい?」
「知りません!!」
流石に目上の人だし「知るか~!」とは叫べなかった……父親の時も思ったが、なんでそこが気になるんだよ!
病院に行ったわけじゃないし、男だったのに自分から進んで行って……「子供産める体なんですか?」とか聞くか普通。
多分引きつった笑顔でいる俺に対して、モナさんは真剣な表情で言う。
「いや、大事な事だよ? ほら、アレとかね?」
「そ、そうですよ! アレ本当に辛いからね!」
モナさんがニナの方へ顔を向けて言うと、同意するようにニナも続いた。
アレとか言われても知らん、オナは「僕の来た意味あったのか?」と呟いている。
喋っていて気になったが、御梅は来てないのか? 場所教えるのに一緒に付いてきてるだろう。
「御梅は来てないんですか?」
「別に口調を意識しなくても何時も通りで構わない……それとウメはそこに居るよ」
モナさんはオナが座っている反対側のソファーを指を指したので、覗いてみると……横に寝っ転がった御梅がいた。
こいつは何をやっているんだ? というか居るのに反応も無かったのは寝てたからか。
凄く気持ちよさそうな寝顔だな……と思いつつ、モナさんの方へ戻る。
「ゲームの方はやらなかったんですね」
「あれ知らないのかい? 今日緊急メンテ入っていて、10時くらいから出来ないんだよ」
そうだったのか、昨日は寝ちゃったからな……緊急メンテするのか、何か重大な不具合でも起きたのだろうか?
多分一日中やる気だったセナは、絶望で膝からくずれ落ちるだろう。
想像してクスッと笑うと、モナさんは懐かしむような視線を向けてきた……どうしたんだろうか。
「あ、すまないね……昔の私もこんな感じだったと思っただけだよ」
「そうですか?」
2人で話し込んでいるとニナは御梅を起こしていた……すると寝ぼけた声で「どうしたの~? もう少し寝させてよ~」と言っていた。
完璧に寝ぼけてるな……よくあることなのかニナは慣れた手つきで、頬をパンパンッと両手で叩いていた。
それでようやく起きたのか、俺の方へ顔を向けると元気な声で挨拶してきた……頬が少し赤いけど。
「ハル、おはよう~」
「う、うん……おはよう」
痛くないのかなと思いつつ……挨拶を返す。
するとモナさんが「さてと」と言って、床に置いた荷物を持つ。
オナと御梅が見えるように顔を向けて、言う。
「そろそろ行こうか、こっちにも用事はあるからね」
「あれ、こっちに来たのはついでだったんですか?」
「そうだよ、ウメが寄りたいと言い出してね」
どこに行くかを聞くのはやめておこう……人の用事なんて色々あるからな。
知ってるか分からないが、セナに緊急メンテだから出来ないな! と送っておこう。
3人はその後、車に乗って帰っていった。
うるさかったリビングは静かになったが、ニナは笑顔のままだった。
「あ、ハル朝食お願い~」
「はいはい」
姿と変わる前と同じ様に、ニナが腹が減ったのか俺に言ってくるので朝食を作り始める。
どこに行くかはその時に考えるか。
次は、2月27日までに更新します。
「ボマー」職業のちょっとした設定です。
職業ごとにパッシブ(永続)のプラス効果がある……ボマーは武器ドロップ率を上昇する。
しかし、自分のレベル超えた武器は落とさない……加え、トレード以外の武器購入物は、爆弾化出来ない。
上級職は「テロリスト」……条件は複数存在。




