22話 騒いでいるのはゲームの中だけじゃない
今回で2章終了となります! 3章は現実と半々かな?(予定は変わるかもしれません)
セナと一緒にログアウトした俺は、1つ忘れていた事を思い出した。
目を開けてVR装置を外して、体は疲れていないものの……精神的な物なのか凄くダルいという感覚に襲われた。
御梅が見当たらなかったけど、現実に戻ってきてなかったらメールでも打ってやるか。
ふぅ……と一息付いて後ろを振り向いてみると。
「ハルが戻ってきた~」
「お、おい……」
目の前から飛びつかんとばかりに、いきなり抱き付いてきたのは御梅だった……凄く嬉しそうな顔をしている為、いきおいで椅子から落ちそうになった事に言及も出来ない。
地下の1件から、からかいとかじゃない純粋に心配してくれているのが分かるな……スキンシップが過剰な気もするが。
横ではセナが自分のスマホを見て、顔を青くしていたので聞いてみる。
「どうしたんだ?」
「あ、あいつらに口止めするの忘れた~!」
「そういえば、そうだったな」
疲れてるから素っ気無い感じになった……だが、すぐ冷静に考えてみると周りにバレた訳で。
スマホ……SNS……学校……あ、ヤバイわ。
おいおい! どうすんだよ! 下手すれば、男共の事だ『セナに彼女が出来てたぞ!』といったようなメッセージを送っているだろう……ということは。
「しかもそこに、俺が転校してくるって事は……」
「あぁ……どこの漫画の展開だが知らんが、少なくとも周りにはそう見えるだろうな」
「ん~? バレちゃったの? まぁ良いんじゃないかな、ハルはニナと一緒に守るから」
セナと一緒に青い顔をしているだろう俺に、御梅は抱きつきを解きながらそう言った。
セナは「俺は守ってくれないのかよ……」と呟くと「男なんだから我慢する」と吐き捨てるように言った。
それにガックリしつつも、セナは疑問に思ったのか御梅に問いかけた。
「そういえば、ニナはどこに行ったんだ?」
「さっき、ハルの両親が来てたから一緒に何かしてるんじゃない?」
「……なんか凄く嫌な予感がした」
何でだろうな……それを聞いた瞬間に背筋が凍る様な、悪寒が……。
そもそもこんなに内に来るような親じゃない筈だ! ただでさえこっちに来るのは稀だってのに!
確認の意味も込めて3人で下に降りていくと話し声が……その方に歩いていくと次第にリビングの方での話し声が鮮明に聞こえてくる。
「……これなんかハルに似合うと思ったのよ~」
「わぁ~こんな可愛い服どこで売ってたんですか?」
「えっと、これはね~」
ヤバイ凄く逃げ出したい、服は前買っただろう!? また買ったのかよ! ということは……また、させられるのか?
戸籍とかやる時に、服を買うために色々着せ替えさせられた記憶が……くそう、そうだ今なら間に合うはずだ! 部屋に……。
そう思って、部屋に戻ろうとリビングに背中を向けて歩きだそうとすると……丁度、誰かが扉を開ける音が。
「おっ、ハルじゃないか」
「な、なんでこんなに……タイミングいいんですかね?」
「ハル……諦めろ」
父親の声が聞こえた為、できるだけ普通の顔で振り返り憎らしい様に呟く……セナは無駄だとばかりに、肩に手を置いてきた。
御梅はというと、リビングの方で……俺が帰ってきたと、ニナと母親の声が聞こえる中に入っていった。
お願いだ……寝させておくれ、ただでさえ凄く疲労が溜まっているのに。
「ニナが泣きそうな顔で、私達の前に来た時はびっくりした……心配かけたんだから、謝るんだ」
「分かってるよ」
「それと、ゲームばかりやってニナを悲しませるんじゃない」
父親は真面目にこっちを見て、半分説教の様な少しキツめの言葉で言ってきた。
分かってるさ、昔からの付き合いだしどんなに心配している事も……だからこそ、明日から少しの間ニナに付き合うんだ。
しょうがない、腹を括ってリビングの方に歩いていくか……これも罰とでも思っておけば気が楽だろう。
「ハル!」
「ただいま」
ニナはさっきの御梅の様に抱きついてきた……それを普通に受け止め、声をかける。
その後、ニナと一緒にリビングに入って母親に父親と同じ様な事を言われながらも、幼馴染は大事にしなきゃな……と思った。
ついでに時間を確認したら、夕方だった……そういえばニナから電話来た時は15時くらいだっけか。
色々言われたり、それに答えたりしていると流石に限界が来てしまった為、ソファーで俺は静かに眠ってしまった。
次は2月9日までに更新します。
今回もちょっとしたモンスターの少し設定です。
マニュ
作中ではスライムと言われてるが、モンスター名はマニュである。
運営も浸透させたいらしいが、モンスター名を確認する方法が限られてる為か、スライムとして浸透してしまってる。
酸の様な物を飛ばしているが、実は体液で……動きを封じたりする程度の性能である(裏話:溶かす選択肢もあったが、子供への教育などの影響で中止となった)




