20話 ヘイト稼ぎという名の囮
主人公……ご愁傷様。
作者筆を休めるので、(2018年)1月5日まで休ませてもらいます……(もしかしたら、更新するかも)
俺達はあの光も差さない暗い空間にひっそりといた。
階段で待機して、その隣には戦闘職が10人程、その後ろに職業無しの人が数人……そして、もし失敗した時の為に採取職の人がいた。
モナさんが考えた作戦の要……ではないと信じたいけど、大変なのを押し付けられたな。
縦に開く扉を3人に手伝ってもらって、周りに例の虫がいないかを確認した後閉めてもらった……あいつは何処か行ったみたいだな。
「いないね」
「名前を聞かせてもらっていいかな? 今度会ったら呼べないからね」
「このタイミングですか……?」
そういえば、名乗ってなかったもんな……「ハルとでも呼んでください」と周りに聞こえる様に言う。
周りの人達も覚えた様で「ハル頑張ってくれ」「ハルか覚えておく」とか聞こえてくる。
少し前にこの名前に変わったばかりだけどな……さてそろそろ行くとするか。
「行ってきます」
「「俺達も行くぜ!」」
「作戦に支障は?」
モナさんは「問題無いよ」という事なので……2人に「頼んでいい?」と言うと頷いた……と思う、真っ暗だしな。
3人が扉を開けた時に俺と2人が通り道にいる、敵のヘイト……狙われやすさだな。
このゲームに存在するかは分からないが、ゲームなら何かの設定があるはずだからな。
「それじゃ、後からおねがいね」
先程開けた3人が持ち上げ、光が差して体出れるくらいに開かれた時に俺は立ち上がって、出て行く。
走り出す時に後ろでモナさんが「男共は目を閉じなさい」と言っていたが、俺には関係無さそうだったので出ていく。
街が燃えさかっている中、最初の大通り近くまで走りながら武器を出しておく……モンスターはまばらか。
「爆弾化」
片手では持つことが精一杯の大剣を引きずりながら、1言で黒く染まって片手にかかる負担が減った……質量も下がるのか?
大剣を横に敵のいる方に投げて「爆発」と言ってドカーンッ! という音共に爆風が、建物1つ超えて俺の方にまで飛んできた。
周りのモンスターは俺に気づいたのか、走って来るのが分かる……その間に新しい武器を装備しておく。
「来てくれないと困るからね」
目を爆発させた方に向けると、あの爆発に巻き込まれた奴は……さすがに死んでくれないか、まぁいい倒せればいいなくらいだったし。
周りを見ると骨の魔物スケルトンが数匹こちらに剣を構えて走ってきたいた……まだ、来そうだが今の内に例の下水道に行ってくれると助かる。
スケルトン数体を背に走り出し、武器を出す……今度の武器は細剣か? 詳細なんて見ていて追いつかれたら終わりだからな。
「ニンゲンニガサン!」
「思ったよりも早い到着だった……」
虫の羽音と共に声が聞こえてくる……もう少しくらいしてからだと思ったが、これじゃ俺がやられるのも早そうだ。
目の前を注意しながら上を見上げる……最初に遭ったカブトムシみたいのか、何やってくるかも分からない以上、下手に攻撃するのはマズイな。
視線を戻すとスケルトンが俺に攻撃を仕掛けていた、それを避けつつ攻撃を加えるが……こりゃ倒すのが何時になるか分からねぇな。
「ニガサントイッテイルダロウ……ストーンウォール!」
「ちっ!」
空中からスライムが使っていた様な陣を発動して、走ろうとした先を土の壁で覆われてしまう……マジか、逃げ場失われちまったぞ。
スケルトンの攻撃を避けつつ先程走った場所を戻ろうとする……おい、ちょっと待てこの状況でこっちに突っ込んでくるのか!?
すると、羽音共に風を切る様な音が聞こえてくるので横に思いっきり避けると、地面に1本角が突き刺さり中心にクレーターの物が出来た……うわぁ、くらいたくねぇ。
「クッヨケタカ、ツギハソウイカンゾ」
「よしっ、今の内に逃げる!」
カブトムシ……カブトでいいか、それが地面に突き刺さったのを外す間に、逃走する……やってられるか、こんなの付き合ってたら生命がいくつあっても足らねぇ!
スケルトンの攻撃してくるのを、体を捻らせて避けつつ走る……置き土産としてくらわしてやる!
走りつつ「爆弾化」と言う、目の前にいるスケルトンの攻撃を受け流し……ん? 受け流す時に違和感があったぞ。
「くらってみろ! 爆発」
とりあえず、武器をカブトのいる方に投げ爆発させる……もしかしたら、爆弾化された武器はアイテム扱いになるのか?
後ろの爆発音を背に走り出すと、レベルアップの音? が聞こえた……スキルも新しいのを覚えた様だ。
メニューを出して武器を装備しつつ走り、ついでにステータスを急いで開いて確認する……次に覚えたのは、これか。
「爆弾化」
ディアルブレード:両手武器を含む2本の武器を装備できる、ただし武器攻撃力は半分になる
大剣を2本出して、即座に爆弾化させる……て、それだけかよ! このタイミングで覚えるからいいのかと思ったわ!
爆発の煙の方から羽音が聞こえてくる……武器も残り1個か、こりゃ無事に戻れるかどうか分からないな。
「ニンゲンシヌガイイ……ヴォルカニックデストロイヤー!」
何かが聞こえてくる、走りながら後ろをチラチラ見る……は? ちょ、ちょっと待って! 地面が噴火してるんだけど!? 高速でこっちに向かって噴火してるけど!?
ドドドッという音共に、自分のいた地面まで一直線に全ての地面にヒビが入っていく、それを慌てて横に逃げる。
その瞬間にドカーンッという音がして、連続してヒビ割れた順番に地面が噴火し始める……元自分のいた地面まで全て赤い柱が吹き出ていた。
「これ、勝てる相手なの?」
『件名:無事成功だって
セナからメールが来たよ、直接メールすればいいのに……。
今下水道で進行中、そっちに2人向かったって
私の画面に、赤い柱が見えるんだけど……これ何?』
一息付いたらニナからメールが飛んできた……無事通ったか、ここから先は負け戦と言ってもいいが、逃げ切ればいい。
噴火が収まるまで何も襲撃は無かった、周りを見渡しつつ近くの建物に背を預ける……大規模の魔法には多分何かしらデメリットがあるらしい、ただよくある詠唱とか無いのか?
黒い大剣を2つ掴み直し、上を見上げるとカブトがここまで来ていた……2人が来ても勝てないだろうし、今の所スケルトンしかいないし、それを処理してもらうしかない。
「ニンゲン、ヤルナ……ダガ!」
高速に飛んでくるので慌てて走り出す……こっちは攻撃してもいないんだがな、そろそろ諦めて欲しい、な!
地面に角では無く、簡単に折れそうな細く手で着地させて「サモンインセクト」と言って地面に陣を発動した。
陣から物体が生成されるように、下から出てきた敵は……嘘だろ、いやいや! 1匹でもキツイってのに、2匹目!?
「逃げるしかない! 今度はクワガタ!?」
出てきた2体目はクワガタムシ、それを確認しつつ走る……カブトと明確に違うのは両手が角と同じ硬い装甲みたいだ、という事は近接技メインか?
噴火があった方の逃げた先に、スケルトンが数匹斬りつけてくる……少しくらい、痛かったら嫌だが腹を括ろう。
スケルトンの攻撃をギリギリに避けて「爆発」と武器を持ったまま言う。
前に振りかぶった腕が白く光だし……ドカーンッ! という音がした。
次は1月5日~1月19日までに更新します。




