14話 職業は勘で選ぶべきではないな
戦闘シーンがありますが、不慣れな物で……アドバイス受け付けますよ!
誤字修正!
黒い扉を見つけ、俺達は開けようとしていた。
このままいても、敵が来てやられるだけだからな……中に入るしかあるまい。
ゲームだからそこまで重くはないだろう……て重っ! そこまでリアルに作らくてもいいだろう!
取っ手部分を持って、上げようとするが……少しだけ上がるだけ、どうするんだ? これ全力でやればいけるかもしれないが。
「手伝う?」
「お願い」
そう短く会話をして、御梅に手伝ってもらって一緒に持ち上げるのがやっとだった……。
ギギギッという音と共に、開いて反対側に2人で投げると、バタンッという音がした。
2人でひと息吐く中、入り口の方から……何か物音が聞こえて『イキノコリカ!』という先程の図太い声と共に、羽音が聞こえてくる。
「……逃げる」
「……分かってる」
先行して、穴の中に入ろうとする……剣は何故か消えていた、このゲームの仕様だろうか。
扉の奥は空洞だと思う、真っ暗というオマケ付きで……何も無しに突っ込むのはためらわれるが、死ぬよりマシだ。
真っ暗の穴の中に飛び込む……。
長く、長く落ちる感覚を感じてから……意外にも降りると、そこには普通に明かりがあった。
真っ暗だったのは、明かりが近くになかったからみたいだな……少し歩くと、続けて御梅が降りてくる。
ダメージが無いのはゲームならではだが……心臓に悪いんだよ、だけどそこはリアルに作らなかったんだな。
「よっと、これで一安心だね~」
「そう言いたいけど、敵のお出ましね」
目の前には、最初にあったスライムが2匹……御梅は倒したことあるが、俺自体戦闘は初めてだからな。
剣を出すにもどうすればいいか……「武器」というと、先程のボロボロの剣が光と共に出てきた。
まだあっちは仕掛けてこないが……御梅の方も武器を出してるため問題は無かった、短剣が2本とくノ一っぽい。
「こっちは職業だって確認もしてないのに……」
「え? 確認してないの~?」
「うん、時間が無かったし適当に変えてきた」
スライムは、構えたまま喋っている俺達に向かって攻撃を仕掛けてくる……体内の液を飛ばす、体の半分以上の量に見える液体を避けようと、横に動くと……簡単に避けられた。
速度はそこまでじゃないな、御梅はもう一方の敵と戦っている様だし……こっちはこっちでやるしかない。
御梅を気にしていると、スライムが魔法陣の様な紋章を出して……その中心から水の塊が飛んでくる。
「うわっ!」
情けない声を出しつつ、避ける……その時には、次の攻撃に向けてスライムは構えていた。
拉致があかない……とりあえず、近づいて攻撃するしかない、行くぞ!
剣を顔の横に構えて、スライムを睨みつける……構えは自然と出来て、スライムが体液を飛ばすと同時に……横に避けながら、走る。
「はぁあ!」
避けと共に放った攻撃は、スライムに直撃したが……1撃で終わらないため、2撃3撃と加えていく。
すると、スライムはドロドロとした体液になり……やがて地面と同化するように消えていった。
あちらも方がついた様だが……どうやって倒したんだろうな、気になる。
「ハル! レベル上がったよ!」
「おめでとう~」
祝福の言葉を言いながら、考える……2匹でレベルが上がるのか、まだ良心的なゲームではあるのだが。
自分のステータスを見る為に、メニューを開いてスキルとステータスを確認する。
その文字を見てきょうがくする……そこには、現在の職業が書かれていたんだが……。
『ボマー』
ボマー……名前から分かるけど、爆弾だよな? 俺剣使ってたよな? それはそれでいいのか?
混乱しつつも、スキルを見ると20個程あった……今使えるのは何だろうな。
うん、気にしない事にしよう……自殺願望あるわけじゃないし、絶対やったらダメージ受けそうだから……。
「どうしたの~?」
「職業がボマーだったのよ……」
『件名:職業は見ないとダメだろ
全部の職業を知ってるわけじゃないんだから、適当に選択するのは良くないぞ。
前ゲームやって、そのまま変更出来なくて、新しくキャラ作り直すハメになったからな』
御梅は「何それ? ……あ、メールだ」と言って、メールを見ている様だ……こっちにも来ていたな。
セナお前な……あのボスに追い掛け回されたら、お前だってなりふり構っていられないと思うぞ?
とりあえず、進まないと……さっきのスライムに大群で来られたら一溜りも無い。
「先を急ぎましょう、この場にいても出来ることは無いんだし」
「そうだね~、一緒に行こう~」
「はい」
本当なら、隠れるで先行して欲しいが……変な不安や緊張をされると困るので言わなかった。
ダメージ無しで倒せたけど、交流メインのゲームじゃなかったのか? というくらい敵の攻撃が激しい……歩きながら、スキルを詳しく見ておくか。
御梅は「暗い~、先何処に繋がってるの~?」と俺に近寄りながら、少し怖そうな表情で言ってくる。
暗い所嫌いなのか分からないが、不安にさせないようにしないとな。
歩いていくと……ギルドの所から落ちてきた場所の様な、上に縦穴があった。
覗いてみると、真っ暗で何も見えない……行ってみるしか無いな。
「私が行ってくるよ」
「わ、私も登るよ!」
「なら、少し下を……いいえ、付いてきて」
下を警戒させて貰いたかったけど、御梅が何が苦手なのかも分からない以上……下手に警戒させないほうがいい。
登るための取っ手を、掴みながら上を登っていく……。
真っ暗のため、全く先が見えない、不意にゴツンッという音を立てて頭が何かに激突する。
「痛っ~!」
「大丈夫? 私には何も見えな……むぐっ!」
「後ろから何か触られた様な気がしたけど、止まってしまってすみません」
両足を取ってにかけて、両手でその黒い何かを押す……と同じようにギギギッという音を立てて、開いた。
本当に! 重いんだけど! と思いながら、なんとか開いたちょっとの隙間の先には……。
誰かと戦っている様だが……よく見えない。
「俺は勇者だぞ! 貴様みたいな奴殺してやる!」
『キサマガユウシャダト? ワラワセルノモタイガイニシロ』
「殺してやる! かえん斬り!」
先程のボスなのか? どうも違う形をしている様に見えるが……。
男の声は剣を持っていて、斬りかかっていくのが見える……だが、炎を宿った剣は敵の甲羅で全然ダメージを負っていない。
敵は『ツマラン、アノヨデコウカイスルンダナ!』と言って、手に持っていた何かで斬りつけて、男は断末魔をあげて消えていった。
「……」
『ン? ソコニイルノカ!』
振り向かれる前に、手で抑えていたのを静かに……元に戻した。
すると敵が『キノセイカ、モンダイハナイダロウ』と言って、何処かに去っていく羽音がした。
ふぅ、と一息を付くと再び開けて……周りを見渡す。
大丈夫そうだな……だが、ここは何処だ? 最初の温泉施設前だといいんだが。
次は、12月10日までに更新します。