11話 ニュースは大事な事多いが怖いよな
修正中→完了14時(2017年11月)
文修正
エプロンを着けて、材料を確認しながら……テレビを見てる黒髪が見える後ろ姿の御梅と。ソファーに座って茶髪で顔が隠れてる奏世先生を横目で見てみる。
誰も手伝わない状況の中、1人野菜を切りながら2人の事を思い出してみる。
御梅 沙月、高校1年からの付き合いで。ニナは前から知り合いだったとか聞いたことあった。基本的に笑顔しか見せない、小柄な少女の印象。出会いは、セナと馬鹿やってる時に見られた時だな。
奏世 水雲、同じく高校1年からの付き合い。1年の担任で、馬鹿騒ぎしてるのをよく怒られてたっけ。何故かあごひげを残したままで、テンパといえるボサボサ髪。少しやさぐれた、おじさんの印象。
話声が聞こえてくるので。耳を傾けてみると……。
よく聞こえないけどな。
「30代の男性が行方不明なんだって」
「そうなんだ、何でだろうね」
御梅とニナが喋っている。さらっと言ってるけど、行方不明ってもしかして……あのゲームで姿変わったとかじゃないよな?
奏世先生が、その言葉に返していた。
「ゼノと同じじゃないか?」
「それは無いでしょ」
御梅が奏世先生に顔向けて言った。
ニュースがお知らせをしていた。
『今日のニュースです。
昨日未明、30代男性が行方不明です。
その男性は、ゲームを買ってから行方不明の模様。
警察は誘拐事件として捜査を進めています』
おいおい、大事ならなきゃ良いけどな。
と思いつつ、調理はしていく……失敗は嫌だしな。
「昨日は捕まったニュースだったよね」
「あれね〜男子トイレで捕まるって、普通は無いと思うんだけど」
「そう言ってやるな、下手すればゼノだってやるはずだ」
おい、奏世先生……俺をなんだって思ってやがる。御梅は「えぇ~、私は鼻血出しながら女子トイレ入ると思う」とか言ってる。
鼻血は出さないとは思うが、昨日……女子トイレに引きずられながら入ったからな……。だって、男なら全力で抵抗するだろ?
なんか全員の俺の評価が分かってきた気がする。
「ゼノは構わないけど、姿を戻す方法無いのかな?」
「利用規約だっけ? それあるんだろ? 持ってきてみろ」
ニナは俺に「何処に置いた?」と言うから「パソコンの脇」て答えた。
奏世先生が立って、こっちに寄ってくる。なんだよ、何か用か?
こっちをまじまじみて、頷く。
「それにしても面影ねぇよな……」
「普通に考えて俺だとわかる奴いないだろ」
「そうだろうな、男からいきなり女になるとか」
当たり前だ。そしてなんで少し残念そうな顔すんだよ! 俺の事、狙うなよ? 本当に全力で拒否するからな?
そして、奏世先生の後ろでセナが立ち上がって……。
おい、なんか爆弾発言するんじゃないよな?
「お前と遊びにくくなるな……」
「そうだろうな」
「ハルだったら~。学校に行ったら、男子から引っ張りだこになりそうね?」
御梅はそんな事まで言ってくる。
ニナが戻ってきて「なんか聞こえたけど?」とキョトンとしていた。
知らなくていい、悪寒が止まらないわ!
「男子からモテそうだね~って」
「あぁ~、分かるかも。見るからに、できる女って感じだし……実際、家事全般ハル出来るからね」
「ゼノってそんなに、家事出来たのか?」
奏世先生は、家に来ないから知らないと思うが……掃除洗濯、今してる料理だって1人でやってる。両親が俺が男だった時、酷いくらい家事押し付けてきたからな。
ニナが『絶対呼んでね! 利用規約!』を奏世先生に渡していた。
少ししてカレーが出来上がって、ご飯と共に別けていく……が。ご飯そんなに炊いてるわけねぇ!
と思ったが……奏世先生がレンジで温めるタイプのパックを買っていた。用意周到だな……何時の間に買ったんだよ。
「いや、なんとなく必要なんじゃないかと思ってな」
「ありがたいけど、その良くわからない。感が冴えるのはおかしいと思う」
「まぁハルの料理拝見しようか~」
特に美味しくも無いし、下手では無いと思うがな。ニナは知ってると思うし。
飲み物は、箱買いしておいた快健美茶でいいか……。コップに氷を入れて、全員に配り……カレーをご飯と共に、皿に全員分を分けていく。
「美味しくなくても、文句言うなよ?」
「ハルの料理は普通に美味しいと思うよ」
ニナは即座に反応してくれたが……エプロンを外して、自分の席に座る。
口に運んでみるが、まぁ……こんなもんだろ。
「美味しい~、市販のカレーより上手いよ」
「また、なんとも喜んでいいか分からない。感想だな」
「まぁ……普通に上手いのは本当だ」
と言いながら、御梅も奏世先生も食べていた。少し、ホッとしたり嬉しかったのは口に出さないがな。
そして昼食も終わり、片付けながら。奏世先生は……。
「学校始まるまで、時間あるし。慣れておけよ? 主に女子のトラブルが多いからな」
「そんな事は、私がさせない~!」
「凄い、信用できねぇ……」
御梅が名乗りを上げるが、正直こいつが関わると何が起こるか分からん。
残ったカレーを小分けにして、冷蔵庫に入れながら。これからどうしようか考える。
まぁ……とりあえず、ゲームだな。
次は、11月27日までに更新