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1話 利用規約は読みましょう

2018年11月1日

改稿作業11月1日→一時完了(同日)

 今日は念願のVRMMOの発売日の前日! そして俺の手元にあるのは……。

 『World run online』! 今日は、そのゲームを1日早くプレイ出来るアクセスコードが届いたんだ!


 俺はオフィスにある様な回転椅子に座って、箱を持ち上げてグルグル回る。

 大変だったよ、俺自体は何もしてないが、抽選10名様の壁を押し切って俺の所に来るなんて夢みたいだ。


「ふふふ……ははは!」


 ゲームを始めるためVR機器とパソコンを起動し、箱の中にあるディスクを入れる。

 画面に『利用規約』と大きく表示された。

箱の中にも入っている『絶対読んでね! 利用規約!』というのもあるが……。

 どうせ、リアルマネーとか使うな~とか。機械を使うな~とかだろうな。

 俺はその利用規約の画面を内容を見ずに一番下にスクロールして、同意にチェックを入れる。


『警告! 本当に始めてもいいですか?』


「はいだ」


『本当に! 始めてもいいですか?』


「しつこいぞ」


『始めますよ?』


「何度やるつもりだ」


 そんなやり取りを機械相手に声を上げながらマウスをクリックする。

 薄暗い部屋でただ1つ明るいディスプレイは俺を移していた。

 学校は休みの期間に入ってるし、ゲームが届いてすぐ始めたから寝癖も直してなかった。


 ダウンロードを待つ間、キャラをデザインが出来る画面が現れた。

 お、いいじゃないか。だけど、右上にある『1度確定した容姿は、ゲームを開始すると2度と容姿を変更することは出来ません』と書いてあった。

 このゲームは課金とか無いのか? まぁ俺は無課金主義だからな。どうせなら、外国女性風にしてみようか。


 性別は女に設定して、100は超えるだろうか設定と。細かい部位までどういう風にするのか、表情や裸の姿など確認画面があった。

 す、すげぇ……こんな事まで可能なのか。ネカマしてるからな……細かい所まで設定するか。身長は……これくらいで……体重もあるのか……。


 ダウンロードが終わると同時に、俺はキャラメイクが完了した。


『VR装置を装着してください』


 了解、さてどんな事になるかな。

 VR装置は目に装着型で複雑な事は分からないが、色々凄いのだろう。

 俺はVRを装着して、体をスキャンする音が聞こえる『容姿誤差を計算……計算完了。変更点を計算……全てに置いてイレギュラー。遺伝子計算……一致完了』。


『演算完了……新たな人生にようこそ、人生を楽しんでください』


 そんな言葉を最後に、俺の意識はゲームの中に吸い込まれていった。



 意識が戻ると、大草原に俺は立っていた。

 自分の容姿について、確認出来ないか考えていると、眼の前に大型の鏡が出現する。

 考えた事が実行されたのか凄いな。


 金髪ロングで、エメラルドの瞳に。155くらいある身長、男には無い綺麗な肌と大きな胸、筋肉があるとは思えない細い腕がある……女性だった。

 俺は「ここまで再現出来るんだな」と呟いて、チュートリアルが無いかを探すが……。

 ウィンドウが出てきた。そこには『チュートリアル』と書かれていた。


 その案内によって、様々な事を学んでいった。戦い方、スキル、生活や食事など……やる上で不備が無いように全てを試していった。


――数時間後


 俺は一通りどういうものかをずっと、試しては検証を繰り返してはチュートリアルを見ていた。

 狩りは全然することなかったけど、まぁ俺は明日友達もやるとか言ってたから一緒にやるか。


 頭の中ででログアウトと考えたら『ログアウトしますか?』という機械的な言葉が聞こえた。


「はい」


 声も女性そのものに変わっているし、これは今後ゲームやるのは、楽しそうだな~。

 俺はそう思いつつ意識を手放す。



 意識が戻ってくると胸の辺りの苦しみと共に戻ってきた。

 胸をキツく絞められた感覚に近い。

 なんじゃこりゃ、こんな副作用があるなんて聞いてないぞ。


 春休みに入って、時間はあるし友達と一緒に網羅してしまうかと考えていたのに。

 それにしてもなんでこんなに苦しいんだ?

 VR装置を外そうと手を上げると、違和感があった……。

 外してから、パソコンの画面を見ると……液晶に反射された顔がキャラクターにそっくりだった。


「おい」


 声にも違和感があった。もしかして……もしかするけど?

 俺はスマホの画面で、カメラを起動して自分側の全面撮影に変える。


 女性の顔が写っていた。

 しかも、先程作った俺のキャラが。


 手で金髪の長い髪が生えてる頭を掴み「どういうことだよ~!」と叫んでいた。

 そのまま頭をグルグル回していると、不意にスマホの着信音が鳴った。

 なんだこんな時に……液晶を開き、メールを開くと。


『件名:羨ましいな』

『明日、そっちで一緒にやろうぜ!

 パソコン持ってくるから、色々教えろよ。

 後、ニナも来るらしいからな。やりすぎて怒られるなよ?』


 差出人は俺の親友……金田 瀬成(せな)。俺の事を馬鹿にしては、学校で馬鹿騒ぎしてる仲だ。

 ニナは、金田の妹。オタクの俺らとは違いゲームをしないが、面倒見のいい性格で様々世話を焼いてくれる。


 そして、問題は明日ここに来るという事はあいつらにバレるという事だ。

 隠したってどうせバレるけどな、どう説明すればいいんだ?


ガチャッ!


 玄関から音がした。

 まさか、ニナが来たのか?

 よくニナは俺の事を心配だと、言っては1人暮らしの俺を覗きに来る。

 世話をするけど、今の状況はヤバイ!


「ゼノ~、いないの~?」


 結局オロオロと体を隠す所を探すだけで、無残にも可愛い声と共に、扉が開かれた。

 そこには、茶髪の少女が……ブラウンの瞳を限界まで開いて、俺の事を見ていた。

 俺の名前は、黒旗 禅之。ニナや瀬成はアダ名で俺の事を呼ぶ。


「ゼノが……女性を連れ込んでる~!!?」


「お、落ち着け! 走り出すな!」


 俺は女性の声で抗議しながら、走り出そうとするニナの体を両手で掴み抑える。

 ニナは「え? その喋り方もしかして……ゼノじゃないよね?」と声を上げていた。


 俺の生活はどうなることやら。

 ニナに状況説明しようと落ち着かせながら、深く溜息を付いた。

完結により後書き処理しました。


他の話に表記した物。

ネカマ:ネットオカマの略、男性が女性キャラを操作して言動等演じること。または逆も然り。

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