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最強技能は少女と共に  作者: 黒狐
6/10

5話 フロアボス

~前回のあらすじ~

気まずさはリア充をも殺す

暗い洞窟の中、魔道具の明かりだけがその道を照らしている

ここは王都の郊外にある洞窟型のダンジョン

名前こそ無いが、階層も30層と浅く初心者用のダンジョンとして認知度が高い

俺たちは今回実践訓練と題してここに来ているが

正直俺は戦闘訓練をまともにしていない

今の俺は≪弓曳童子(ゆみひきどうじ)≫に全てが掛かっている

これでダメなら俺に攻撃手段はない

さぁ、そろそろお披露目の時間だ。頑張ってくれよ


~~~~~~~~~~~~~


「そっち行ったぞ!」


「【ファイアボール】!」


「回復頼む!」


「今やってるわよ!」


現在位置は17層、みんな苦戦してんな

最初はそうでもないように見えたが...まぁ聞けばわかるか


「すみません。俺の錯覚でなければ敵が強くなっているように見えますが?」


不知火またお前か。分かれば問題は無いから良いけど


「それは錯覚ではない。ダンジョンのモンスターは強くなる」


フランクさん曰く


・ダンジョンは10層毎にフロアボスと呼ばれる強力な魔物がいる

・5層で強さが一段階上がる

・上昇幅はダンジョンごとに違うが下は1Lv、上は20Lvまで上がる


ここは1層の平均レベルが3Lv、上昇幅が大体3Lvぐらい

現在地までに15Lv上がる計算になる

それで平均レベルが18まで上がってレベル差が無くなったのか

ちなみに俺は7階層でMPが切れてから最後尾でアイテム整理をしている

俺の4倍で引けたところでMPが切れれば戦えない

帰りの事を考えればそろそろ潮時だな


「お前らそろそろ帰還するぞ。目に見えて動きが落ちている」


「分かりました...」


彼らの目に見えるのは悔しさと疲労

心情としては言い返したいが、肉体の疲労で渋々といった感じだな

まぁ殆んどをアイテム整理に費やした俺だけは余裕で戦えるわけだが

そんなことを考えながら帰還していると突然寒気がした


「フランクさん!ここは何層だ!」


口調を整える余裕なんてないし、皆も同じ寒気を感じているのか何も言わない


「この魔法陣...!ボスだ!召喚される前に逃げるぞ!この状態で戦うのは無理だ!

一度召喚されると部屋が結界で覆われる!その前に早く!」


その言葉に全員が駆け出す。フランクを先頭に殿は騎士たちだ

俺は召喚まであと数秒のところで無事に逃げられたがこれで全員か...?


「ま、待ってよ!」


柊!あいつ転んだのか!

認識した途端、体が自然に動いた。

魔法陣は完成し、結界が張られる。巨体はうごめき、後ろで喧騒が聞こえる。

転んだ少女は後ろに飛ばされ、反動で体が前に出る。

俺は...なんでこんなことを...?


GYAAAAAAAAAAA!!


っ!なんだ今の尋常じゃない寒気は?いやそれどころじゃない。まずは指示だ


「お前らは逃げろ!こうなった以上俺が時間を稼ぐ!」


「できるわけないだろ!仲間は見捨てられない!」


「いいから早く行け!ここにいても加勢出来ないんだから早く行け!

そんで騎士全員引っ張って来い!」


「だがっ!...」


「これ以上時間取らせんな!さっさと行け!」


「絶対連れてくる...だから生きてろ!」


...行ったか


さて、まずは情報収集だ


「スキル発動【洞察】」


============

グランドキマイラ Lv43

HP1622/1622  MP700/700

STR928+1856  DEF1570-942

INT65 AGI280-252

DEX55


スキル

咆哮Ⅹ 自身よりLvの低いものを一定確率で恐怖により拘束

時間と確率はレベルと共に上昇

剛爪Ⅹ 爪での攻撃にLv×10%の補正

火炎Ⅹ 火炎を吐き出せるようになる。威力はレベルと共に上昇


装備

狂化の首輪


状態

狂暴化 STR+100%、INT-90%、AGI-50%

腕力集中 STR+100%、DEF-60%、AGI-40%

============


無理ゲー乙。これは倒せんわ

某竜の冒険なら負けイベント。多分この後奴隷時代に入る

そんなことはさておき、あまり早く殺されると足止めにならない

まずは安地でも作ってみるか

もしかしたらハメ技があるかもしれん


GYAAAAAAAAAAA!!!!


ッ!体が動かない!?俺は...ここで...死ぬ?死...?

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ

いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ....................................


突如轟音が鳴り、恐怖が薄らいだ。

近づいてきたのか...今のが咆哮...これがレベル最大のスキル...

あいつが動いて、音が鳴ったから動き出せたが...

不味いな早く解決策を出さないと...

って危ねっ!風圧だけで半分削れるとか...

このまま逃げててもジリ貧、

かと言って弓曳童子はタメが大きいしそもそも動かしている暇がない

残すところは...突貫あるのみか。


ん?攻撃が止んだ?まさかっ

俺は急いでキマイラの足元へ駆ける。直後俺いた場所は炎に包まれた

背中が尋常じゃない程ヒリヒリする...

後ろ若干焼けてんな。火炎を知らなかったら即死だった

多分反動でまだ動けないはず。

今のうちに【加工】で穴掘ってみるか、壁は無理でも床ならいけると俺は信じてる


「スキル発動【加工】」


掌から魔法陣は出てくるが、変形が遅い...?

いつもよりMPを多く使ってんのに、変化部分が小さいな

十中八九この魔法陣の仕業だろう。っとまた動き出したか

だが俺一人分の穴はできた。さっそく入って加工で入り口を戻そう


GYAAAAAAAAAAA!!!!


また動かなくなる。これで2回目かよ...マジで強いな...

...耐えなければ。少しでも...いいから。耐え...なければ。今...はそれ...し...かない

グアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアア

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

...........................


「痛っ!」


これは...血...?出血は...頭か...

ん?血?俺は負傷耐性に自己治癒、加護、受け身まで持っている。

ダメージこそ負うが、出血はしにくくなっているはずだ。

にも関わらず、血。そこで俺は一つの考えにたどり着く

()()()()()()()()()

多分【咆哮】は加護のおかげで切っ掛け一つで簡単に解ける

だから俺は無意識のうちに軽減スキルを切って血を流させた。

こう考えるのが一番自然だろう

さぁ【咆哮】対策はできた。残り体力見て作戦練るか


============

カロ ジュンセイ Lv5

HP24/54  MP52/52

STR26 DEF33+30

INT40 AGI30

DEX30


スキル

工作Ⅹ 操り糸Ⅹ

速読Ⅴ 暗記Ⅳ

受け身Ⅳ 苦痛耐性Ⅴ

負傷耐性Ⅳ 恐怖耐性Ⅱ

自己治癒Ⅴ 魔力回復Ⅲ

英雄の導きⅤ 言語翻訳Ⅹ

洞察Ⅴ


恐怖耐性 恐怖心をLv×2%分軽減


装備

透徹のモノクル

マジックポーチⅠ

マジックポーチⅠ

加護の指輪


状態

隠密Ⅰ

加護Ⅲ

============


ここにきて【工作】と【操り糸】がレベルⅩ!これで制限は消えた。自由に使わせてもらおう

さらに【恐怖耐性】。こっちは対策を考えただけに喜びづらい

まぁいい在って困るようなものじゃない

だが作戦は決まった。そろそろ塞いだ穴も突破されそうだし、外へ出ようか


GYAAAAAAAAAAA!!!!


開幕早々かよっ!だがさっきとは違う。完全には消せないが、そこは血で補う

次は...突進か。単純だがあの巨体だ範囲も馬鹿にならないな

突っ込みつつ...皮膚を足元をっ


「スキル発動【工作】!」


突然踏み場をなくしたキマイラは、鋭利な爪を自分に立て、轢き殺す勢いのまま、盛大に転ぶ。


GYAAAAAAAAAA...


キマイラは初めて痛そうな悲鳴を上げる

攻撃に使った右足は血塗れ、全身傷だらけだ

この調子なら勝利の可能性もあるな


GYAOHHHHHHHH


爪が光った?【剛爪】か

これも同じく...


GYAAAAAAAAAAA!!


ってブレス!?


進めば【剛爪】の餌食、下がれば突進、左右は火炎。だったら右に移動しつつ下向きに...


「スキル発動【加工】!」


抵抗も小さい。これなら壁を作れる

そして、轟音。無事に火炎も耐えられた

俺が即席の壁から顔を出すと目の前にはキマイラ

火炎も、剛爪も、突進も、全ては今の為にあった

全ては、トラップ。俺に近づくためだけの、囮

元々俺を殺すのにこいつはスキルを使う必要がない

よくよく考えれば、いや考えなくてもわかる問題

キマイラが血塗れの右足を上げ、俺の首が彼方へ飛んだ

調子に乗って、思考放棄した報いとして、俺の人生に暗幕が引かれた

お久しぶりです。黒狐です。

長らくお待たせ致しました。

実家に帰省したり、予定が詰め込まれたりで、

更新できなかった事深くお詫び申し上げます。

最後に、ここまで読んでくださって誠にありがとうございました。

こんな作者ですが、応援して頂ければ幸いです。

それでは次話でまたお会いしましょうノシ

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