1話 スキルは最弱でした
~前回のあらすじ~
なんか飛ばされた
気が付くと俺達は地下室にいた
その場には神官らしき人が十数名、騎士らしい人が数名居る
足元には教室で見たような魔法陣が見える
「こちらへどうぞ。王がお待ちかねです」
一人ゴツい甲冑を身に着けた人に先導され、俺達は玉座の間に着く
感慨にふける間もなくおっさんが話し出す
「おぉ転移は成功したか!」
「ええ、その様です」
「これで我が国、引いては真人種に平和が訪れるな」
「やっとですね、計画してからここまで、決して短くない道のりでした」
豪華な衣装を纏った恰幅の良い偉そうなおっさん...
その隣にゴツい甲冑を身に付けたおっさん...何があったんだ?
「すみません、ここはどこですか?」
誰かと思えば不知火星焚か
まぁこう言う時はいつもあいつだしな
「おっと済まないな、ワシとしたことが余りの嬉しさに説明を忘れておった」
「は、はぁ」
「ここはオリアブ大陸カダスと言う国だ。」
どこやねん。まぁ知ってたらおかしいけど
「ワシの名前はエド=A=ホーキンス、国王をやっている。
そして隣の男はフランク=コルテスと言う、宮廷騎士団長を務めている」
お前王だったのかよ
いやなんか偉そうとか思ってたけど、本当に偉いやつじゃねーか
しかも騎士団長とか名前からして強そうだしマジで何事だよ
「先ず今の状況から説明さてもらおう、少しばかり長くなるぞ。」
やっとか、これでようやくこの状況が分かる
早く話さないかな、短めがいいな
そう思ってた時期が僕にもありました
長いわ!流石に長いわ!あいつどんだけ話してんだよ!
1時間は話してたぞ、お前は校長か!
声に出せないもどかしさよ
とりあえず持っていたノートに纏める
放課後に飛ばしたせいで
自習用の物理の教科書や資料集も一緒だ
まぁ使う事は無いと思うが
・この世界には魔法があり、魔物も多くいる
他の生物の生命活動を、停止させるとレベルが上がりステータスが上がる
・レベルが1上がるとHP,MPは1~10、それ以外は1~5上がる
・この世界に生きる者は全員例外なく“技能”と呼ばれる物を持っており、それを行使することによって、魔法を撃ったり出来る
・スキルの行使はMPを消費しその度合いはそれぞれ異なる
・スキルは使っていくごとにレベルが上がり、そのレベルはⅠ~Ⅹまである
・同じ行動を高い水準で繰り返すことにより手に入るスキルもある
・スキルは使っている内に進化し派生スキルと呼ばれる物に変わるときがある
・一定の構成により統合進化したスキルを超常スキルと言う
・真人種は満15歳になると神から職業を賜る
・それの確認は上位の神官かそれに匹敵するスキル等が必要
・職業はステータスや上昇幅等に補正が入る
・補正に認識は不要
・この世界には大まかに真人種、獣人種、魔人種、精霊種の四種存在する
・精霊種以外の三種族は互いにいがみ合って6000年前から大体500年周期で戦争をしている
・精霊種は他との関わりが希薄で中立状態
基本的にはこんな感じか。
なんかTheファンタジーみたいな世界に飛ばされたな、そのスキルとやらが強いといいが...
「状況については理解してくれたかね?」
エドが皆に聞く、答えたのは不知火だ。
「ちょっと質問が」
「何かね?」
「そもそもの話なんですけどなんで戦争をしてるんですか?」
「今から6000年前に神からお告げがあってな、獣人種は人間種を奴隷化しようとしていると言われ、
試しに密偵を送ったら、確かに人間種の奴隷が居った。
時の王は怒りに燃え戦争を始め、その戦火は瞬く間に広まりこの様な惨状と言う事じゃ。」
何というガバガバ防衛、獣人種チョロくね
「そうだったんですか..」
「他に質問はあるかね?」
「最後に1つだけ質問させてください」
「何だ?」
「僕達は元の世界に帰れるんですか?」
あ、それ聞くんだ、ラノベ的展開なら...
「残念だが...帰ることは出来ない」
ですよねー
「え!?」
驚くのかよ。来た時の反応思い出せよ、ギャンブルで勝って飲んでる某カ○ジ並みに喜んでたやん
それどころかあのテンションなら帰る手段あっても言わないレベルまである
「だが風の噂によれば獣人種か魔人種のどちらかが転送魔法を知っているらしい、そのものに聞けば解るやも知れぬ」
はい、ダウト。転送魔法とか強そうな魔法をいがみ合ってる国に風の噂でも渡さないだろ
ちょっとは考えろや
「それでは本題に入ろう。
率直に言う力を貸してくれんか?」
え、嫌なんだけど...もうこの流れ見たことあるし.クラスカースト的に俺絶対ザコスキルじゃん
強くなるならいいけどそこまでの展開は期待出来ないし...
「僕達はまだ学生ですし、戦闘の訓練を受けていません。兵力にならないと思いますが」
ほんとそれな。俺たちが生きてたの現代日本だし
て言うかなんでそんな参加前提なんだよ。参加する気じゃないよな?
「その点に関しては問題ない、別の世界から来た転移者は必ず特殊スキルを持って、この世界に来る。それに戦争は10年後それまでに訓練していけば良い」
問題ないのかよこの国の軍事レベル低過ぎだろ
今の話聞いてやりたいとか言うバカはいないと思うが
「どうする?」
「やるか?」
「俺まだ死にたくないしなぁ」
「でもさぁ」
ほら、こちらが多数派だ
まぁみんな死にたくないしそんなもんか
「やらせてください」
え?
「おぉ!やってくれるか!」
え?え?
「えぇ困っているのに見捨てることなんてできませんよ」
は?本気かよ、やめとけって。
ほら隣のえーと...デカイ奴止めろ!急げ!
「全くお前には呆れたぜ、良いぜ俺もその船乗ってやろうじゃねぇか」
アホかあああああ!
何でだよ!止めろよ!現実見ろよ!
「榊原...」
榊原...じゃねーよ!お前らが立つの多分戦線だぞ、さぁ考えなおせ
「良いわ私も乗ってあげるわよ、光栄に思いなさい」
光栄じゃねーよ!止めろ!
「皆で頑張りましょう!」
お前は範囲広げんな!マジで!
「本井、、、柊まで、、、」
あーもうこれ無理な奴だわ覆せない奴だわ
クラスの中央4人が乗り気は無理だわ
元々無理っぽかったけど本格的に無理だわ
「決定じゃな。お前達にステータスカードを渡そう。これはどこでも良いから血を付けると、自分のステータスが解る代物じゃ」
早いなーもういいやチートでも祈って待ってよう
「血を付けたらフランクに見せてくれ、それぞれの説明をしてくれる」
はいはいチュートリアルチュートリアル
「な、何だこれはっ!」
っ!お前かよ、いきなり大きい声出すなよ。耐性無いんだよ
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シラヌイ セイヤ Lv1
HP140/140 MP120/120
STR130 DEF130
INT100 AGI120
DEX100
スキル
全属性魔法Ⅰ 全武器適正Ⅰ
近接強化I 英雄の導きⅩ 言語翻訳Ⅹ
全属性魔法 火,水,風,木,土,雷,光の超級魔法まで使えるようになり、全ての属性でLv×5%の威力補正
全武器適正 全ての武器を使いこなせるようになり、全ての武器でLv×5%の威力補正
近接強化 近接攻撃にLv×10%の威力補正
英雄の導き 入手経験値が10%増加する
言語翻訳 転生先の言語を使えるようになる
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オール3桁+範囲の広い威力補正ね...なんだ、ただのチートか
で、フランクのステータスカードがこれか
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フランク=コルテス Lv50
HP300/300 MP280/280
STR500 DEF400
INT350 AGI300
DEX300
スキル
指揮Ⅶ 剣術Ⅵ 騎馬術Ⅵ 火魔法Ⅴ
指揮 Lv×1000人を配下として選べる、配下となった者は全ステータスにLv×3%の補正
自身にLv×5%の補正
剣術 剣装備時にLv×5%の威力補正
騎馬術 馬の扱いが上手くなる
火魔法 火属性の魔法が使えるようになる
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まぁ騎士団長だしな当然強いわな。スキルも全体的に高いし、バランスが良い
加えて【指揮】とか言うぶっ壊れスキル
ノーリソースで仲間を最高三割アップ、自身は5割アップとかチートだろ
おっと、そろそろ俺の番かどれどれ...
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カロ ジュンセイ Lv1
HP20/20 MP30/30
STR15 DEF10
INT25 AGI20
DEX25
スキル
工作Ⅰ 操り糸Ⅰ 英雄の導きⅤ 言語翻訳Ⅹ
工作 無機物を加工できる。重さはLv×保持者のSTRの半分、種類はレベルと共に上昇
操り糸 無機物を遠隔操作できる。重さはLv×保持者のSTRの半分、範囲はレベルと共に上昇
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え...?私のステータス低すぎ...?
いや、案外こんなものかも知れない。まぁでもスキルは強い気がする
聞いてみるか
「すみません。Lv1の平均ステータスはどれくらいですか?」
「Lv1か?大体30くらいだな」
「年齢や体格で変わる事はありますか?」
「無い事はないが、まぁ誤差の範囲だな。っと、そろそろお前の番だなステータスカードを見せてくれ」
「え、あ、いやまぁわかりました」
「おいおい。俺らにも見せてくれよ。
俺らは友達だろ?」
「っははははは!何だこれちょー弱えーじゃん」
もしかしてこいつら...このスキルの有用性がわかってない...?まぁフランクさんなら分かるだろ
「あー1ヶ月は訓練を受けてくれ、適性を知りたいからな。そのあとは好きにして良い」
え?その反応...フランクお前もか...
最後まで読んでいただきありがとうございました
繋げ方雑ですね(汗)
誤字脱字があればコメントしてくれるとありがたいです
一章が終わるまでは一日一投稿で頑張ります