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最強技能は少女と共に  作者: 黒狐
10/10

9話 邂逅

~前回のあらすじ~

一つ目のタイトル回収

「何のためにこんなことをしたんだ?」


開始早々すまないが、俺は今憲兵の詰め所にいる。現在時刻は11時頃


「早めに言った方が刑は軽いぞ」


あのあと俺は転送されたわけだが、その転送先が大衆浴場の女子更衣室だったらしい


「黙秘して何の得がある?」


らしい、というのも目を開ける前に物をぶつけられて気絶。気が付いたら詰め所にいる、とこういうわけだ


「いい加減になんか話せよ...」


さっきから憲兵がうるさいな。少しは静かにしてほしいものだ


「ちゃんとした理由が無いから黙ってるんだろ?」


理由なんか俺にもわからないのだから説明のしようがない


「理由があれば刑は軽くなるのか?」


「あぁ?ちゃんとした理由だったら軽くしてやるよ」


「限りなく真実味がない場合でもいうのか?」


「あるなら早く言ってみろよ」


「死んだらどっかに飛ばされて、精霊の試練に合格したらあそこに飛ばされた」


「はぁ?飛ばされただと?嘘をつくならもっとましな嘘をつけよ

転送する魔法なんか聞いたことすらないし、第一誰も魔法陣を見ていない」


「ほら信じない」


「今の話のどこに信じられる要素があるんだよ」


「あるなら言えといったのはお前だろう」


「嘘をつけとは言ってねぇ」


「嘘はついていないが...まぁ信じられないものは仕方ない。結局俺はどうすれば良い」


「今回は何も見てないし、そもそも客が少なかった。それに被害者側の反撃が予想以上に強かったからな

たぶん謝罪だけでいいはずだ。被害者も一人だけなら廊下で待たせてる、そいつに謝罪して帰んな

まぁ十中八九怒ってるだろうが頑張って許してもらいな」


面倒だな、俺に非はないというのに。あの精霊は絶対に許さん。今度会ったら殴ろう

そんなことを考えながら扉を開けると...誰もいなかった。一人待たせると言ったな?あれは嘘だ


「あ、あの」


そんなことはなかった。声と同時に服の裾がひかれる。犯人は下か


「お前が待たされてた奴か?」


「は、はいそうです」


こいつは...低身長に、童顔、銀髪ロングで、透き通る青と赤のオッドアイ...となるほど、厨二病か

そんなわけない。俺じゃあるまいし、そんなアホなことは流石にしていないだろう


「その目とか髪は先天的なものか?」


「センテンテキ?っていうのは分かりませんけど、眼も髪も生まれつきこの色です」


ふむ。厨二病(同志)ではなかったか。まぁそんなことは良い。早く謝って帰ろう


「今回は色々とすまん」


「その事なんですけど...」


許すか許さないかで答えろよ。国語苦手か


「私、一瞬だけ魔法陣みたいなのが見えたんですけど...なにかご存知ですか?」


憲兵の話だと誰も見ていないはずだが...あいつの情報は信用ならないな

他にも隠してことがあるような気がする


「あ、あの...聞こえてますか?」


「ん、ああ聞いている。君の言う通り、私は転送魔法で飛ばされた」


咄嗟過ぎて初期ゲーデみたいになってしまった。これもあいつの弊害の一つだな


「やっぱり!私見間違いじゃなかったんだ!」


「テンションが高いところ申し訳ないが俺はもう帰る。気を付けて帰れよ」


「あ、待ってください。私まだ気になることがあって...この後暇ならちょっと付き合ってください」


残念だったな。俺レベルともなれば美少女の「付き合って」で舞い上がることはない

ちょっと心拍数が上がって気分が高揚するだけだ。ナニコレめっちゃ舞い上がってる


「と、特に予定は入れてないから問題はない」


「やった!じゃあついて来てください。これでもいいお店を知ってるんです」


そう言って彼女は貴族街の方へ足を進める。貴族街か、服屋以来だな

ブラウが居なければ今の俺はないと言っても過言ではない。嘘だ。過言だ

隣にノイルとか言う店もあったし、あそこでしか出せない服とかも多分ない。オーナーおっさんだしな

そんなことはさておき、こいつの名前まだ訊いてないな。まぁステータス見れば分かるか


「スキル発動【洞察】」


============

フロージュン=ローシャル Lv3

HP39  MP35

STR42 DEF39

INT36 AGI34

DEX39


スキル

家事Ⅱ

料理Ⅰ

慧眼Ⅰ

隻眼Ⅰ


家事 炊事洗濯の効率が上がる

料理 料理時に五感の感度上昇

慧眼 観察力及び洞察力の上昇。万象の可視化、効果はレベルに依存

隻眼 観察力及び洞察力の上昇。万物の可視化。効果はレベルに依存

============


オッドアイの、正体見たり、チートスキル。字余りとかどうでも良くなるほどにチート

慧眼+隻眼で見られないものはないし、観察力とかのステータスには表れないが重要な項目も上がっている

しかも名前的に洞察の完全上位互換だよな。こいつもステータスとか見られんのか

可視化と言う事は共感覚みたいな感じにでもなるのか?俺は違うから何とも言えんが多分そう

ステータスも俺に比べれば余裕で高い。仲間にならないかな


「着きましたよ。この建物です」


ここは現代日本で言うところのサ○ゼ○ヤだな。見た目も似てるし

ただし値段には気を付けなければならない。立地的には銀座だ。それもビルの最上階とかの方だ

小鉢一つで銀貨一枚とか取られるかもしれん。安めのを頼もう


「何名様でお越しですか?」


お前もう入ってんのかよ。俺も入るか


「二人だ」


「奥へどうぞ」


...ボーイは去ったか


「で、フロージュン。質問は何だ」


「あれ?私名乗りましたか?」


やべっつい言っちまった。「ステータス覗いて確認しました」とか言えないしな

えーと、あーと...詰んだ。【悲報】俺氏詰む


ぐ~~~


今の音は...腹の音か?フロージュンの顔が赤くなってるから多分彼女だ

俺は近くにいたボーイを呼ぶ


「すみません」


「はい。只今参ります」


「このお勧めセット二つ」


「かしこまりました」


値段は特に見ていないが金貨1枚あれば足りるだろう


「その、ありがとうございます。」


「気にする必要はない。それより聞きたい事って?」


とりあえず名前の方は誤魔化せたか


「その前にお名前を教えてください」


「そういえば言ってなかったな。俺の名前はカ」


っと危なく"真の名"をいうとこだった。偽名を考えなければ


「カ?」


「いや、ガレリアだ。ガレリア=ウォーデンと言う」


「私はフロージュン=ローシャルと言います。」


「名前が長いな。フロウで良いか?駄目ならそのまま呼ぶが」


「好きな呼び方で良いですよ」


なんかあっさりしてんな。初対面の男にあだ名を許すとは...何の作戦だ?

今までに使ったことが無いから考えても分からんな。いったん放置だ


簡単な自己紹介の後、食事が運ばれてきた。料理は○イ○リ○の鉄板メニュだ

やはり鉄板になるだけあって味は良かった


「で、訊きたい事って?」


「答えられる範囲でいいんですけど...どうやってあそこに入ったんですか?

そこまでの経緯が気になっちゃて」


「ダンジョン探索してたらフロアボスに殺されて、精霊の試練に合格したらあそこに飛ばされた」


「ちょっと信じにくいお話ですね」


「俺もそう思う」


「でも、私は信じますよ」


「根拠は?」


「なんとなくです」


「まぁ信じてくれて何よりだ」


「じゃあ次の質問行きますね」


「おう」


「さっきダンジョン探索と言ってましたが、冒険者なんですか?」


「いや、ただの異世界人だ」


「ええっ!異世界から来たんですか?!」


「あまり大きな声で騒ぐなよ」


「すみません...召喚した方とかは分かりますか?」


「名前は知らんが召喚先が王城だったから、城の誰かじゃないか」


「そうですか...」


「詳しいことは俺にもまだわからん。ここに来るときもそうだがあのフロアボスも強さがおかしい」


「そういえばそのフロアボスって何の魔物か分かりますか?」


「グランドキマイラだ」


もっと言えばLv43だし狂暴化していたが


「グランドキマイラ!?国が軍を出して戦う相手ですよ!?どこのダンジョンに行ったんですか!」


「少しは落ち着いてくれ。行ったのは王都郊外にある初心者用のダンジョンだ」


「そこのフロアボスでそんなに強いのは出ないはずなんですが...」


なんか一人でぶつぶつ言っている。そろそろ三時くらいか、あまり長居しても迷惑だろうしそろそろ出たい


「まだまだ訊きたい事はあるんですけど、予定があって帰らないといけないんですよ...」


「じゃあそろそろ店出るか」


「そうですね」


代金は金貨一枚。完全に歌舞伎町の値段だろこれ。だれだよ銀座とか言ったやつ

しかしこれで文無しになってしまった。働かねば


「じゃあ俺は帰るから。またな」


いや、まてよ。俺変える場所無くね。多分死亡判定食らってるから城には行けないし

かと言って宿屋に泊まる金はないし...どうしたものか


「あ、あのー帰らないんですか?」


「いや、ちょっと家に帰りづらい事を思い出してね。どうしたものかと考えていたんだよ」


嘘はついていない


「んーだったら家に来ますか?部屋なら開いてますし、ごちそうして貰ったお礼です」


「いや家族とかいるでしょ」


「いませんよ。母が他界してから父は別の人と結婚して出て行きました」


「じゃあどうやって食ってんだよ」


「代筆業ですよ、まだまだ文字が書けない人も多いですから。それで、どうします?」


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」


そうして俺たちは、日の傾きかけた街を歩く。貴族街を抜け中央街へ、そこをさらに抜け貧民街へ出る

え?貧民街?いや、考えてみれば当然か。少女が代筆業一本で住めるほど中央街は安くない

衛生面と犯罪に気を付けて過ごせば多分問題ない。なにそれきつい


フロウの足が止まる。家って言うかあばら家だな、まぁ雨風が凌げるから良いか


「部屋は奥を使ってください。と言っても手前と奥の二部屋だけですが」


「すまない。恩に着る」


「気にしないでください、困ったときはお互い様ですから。

あ、私は仕事に行ってきますので好きにしててください」


「ああ。気をつけろよ」


さて、誰もいないことだし、手に入れたスキルの確認と行こうか

お久しぶりです。黒狐です。

長らくお待たせしてしまい申し訳ございません

少女が...うまく書けないのです...

友人にそのことを言ったら「向いてないんだろ」と一蹴

それでも書きたくなるのは作家病になったからかもしれません

少女も戦闘もうまく書けない私ですがどうか完結までお付き合い願います

まぁ完結する気はサラサラありませんが

今回はここら辺で筆を置かせて貰います

ここまで読んでくださって誠にありがとうございました

また次話でお会いしましょうノシ

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