新たな道への誘い
こんにちわ! クロです。
いきなりですがどうぞ!
第69話、新たな道への誘い
「なに言ってるの? でもまぁ、よく考えてみたらそうかな」
自分の頬が、赤く染まっていることに意味が分からなくなっているのに、よく考えても冷静な答えが出せるわけない。
それを理解しているのだが、あくまでも理解のみだった。
「ふふ! やっぱりそうだよね。でも、お兄ちゃんが恋人ならどんなに幸せなのかな」
妹による発言のあと、自分の言っていることを深く考えたのか。
いや、考えてしまったのか、僕と同じように頬を赤く染め上げていた。
その後、恥ずかしそうに俯きながら笑う。
一連の行動だけで、もう僕は幸せと言っても良いと思うほど、かわいいと思った。
だけど、僕たちの関係はあくまでも家族。
兄と妹という事が、初めて邪魔だと感じた瞬間だった。
「でも、私たちは兄妹だから……漫画で見たんだけど、夜逃げって無理だよね」
はぁ〜というため息と同時に、肩をがっくしと落とすほむらに、つい苦笑してしまう。
確かに夜逃げっていう事をしてしまえば、絶対とは言わないけれども、ほぼ無理に近い。
持つものを持っていないのだから、生活もままならないだろう。
だから僕は、ほむらの事を可愛いと思いながらも、恋に落ちることは無いと思ってしまっている。
「ほとんど無理だね。でもまあ、お互いに大切な人が出来なければ、兄妹でもずっと一緒に入れるんだからさ」
それを聞いただろうほむらは、今まで暗い表情から一変して、まさに桜咲くという感じに芽から花に変わっていった。
その桜を枯らしてはいけないと自分に言い聞かせ、余計なことを言わないように気をつけるが、思わせぶりに言ってしまったことは反省する。
これが、僕たちの本当の兄妹という関係が作られ、ほむらがゲームランカーになっていく物語の序章である。
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「ああー、なるほど〜。うん無理だね勝てないね」
かえでに僕たちの一連の流れを話したら、諦め口調で遠い目になる。
一連の流れとは、僕たち兄妹が心を許し合ったことと、ほむらがゲームにはまっている理由。
もちろん、ほむらや僕の恥ずかしい事は話していないが、そこは割愛ということで。
「ほむらちゃんと凪は、なんか私とは次元というものが違う気がするよ」
僕たちとは違う理由で、きっとかえではゲームをやり続け、ランカーになった。
しかも古いゲームとはいえ、何万……いや何十万以上いる中の10位なのだ。
多分、並外れの事があって、かえでもランカーになったんだと考えた。
でも……。
「次元が違う何て言わないで? かえでは10位なんだから! それもすごいことだと思うよ」
かえでには、次元が違うとは本気で言って欲しくない。
ほむらは、あれから数々の手を使ってきたが、友達が出来たことはない。
だから、これからも隔てを作らずに友達でいてほしいと思う。
「そっか。そうだよね! 上には上が居る。これはすごく幸せな事なんだよね!」
人それぞれの幸せを持つ僕たちだけど、互いの手を取り合って、生きていかなければならない。
一人では絶対に生きていけないから、必ず誰かと手を組むんだ。
そんな事を考えている間に、かえでは口元を手で押さえながら俯いていた。
そして……。
「そういや、ほむらちゃんが言ってたみたいだけど……。凪には勝てないみたいなこと」
上には上がいる。
実を言えば、僕もランカーで、何位という事を言おうか迷っていたけれども、ほむらが言う。
「そうだよ! お兄ちゃんは、私より強いんだ。そして、このゲームのランク一位を張っているんだよ」
「え……」
ほむらは、笑顔で話し。
かえでは、固まっている。
僕はこの時に、ある決心が固まっていた。
僕とほむらがゲームに夢中になっている理由は、兄弟が仲良くなるという事ともう一つ、仲の良い友達が妹に出来れば良いと思ったからだ。
だから、かえでに問いかけることにした。
「かえでは、僕たちとゲームをやって楽しんだり上手くなりたい?」
返事は直ぐには出せないかもしれないけど、もし三人でチームを組めたなら……。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
お疲れ様です!
さて、今回は三ヶ月以上の連載停止ということをまずはお詫びさせて頂きます。
僕はまだ高校生ということもあり、今が高校生活で一番忙しい時期なのではないかと思ってる次第で、執筆が全然出来ておりませんでした。
これからは、週1〜2の投稿をお約束させて頂きますので、どうか宜しくお願い致します。
今回は、こんなにも投稿が遅れてしまっていたのに読んでくださり、感謝の気持ちで一杯です!
ありがとうございました。




