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友達を作るために

こんにちは! クロです。


いきなりですがどうぞ!

第68話、友達を作るために

「さてと、確かここら辺の棚に……」


 少し前に、ほむらと遊ぶゲームを探し出すために、妹と共に僕の部屋に来ていた。


 なのだが、ある程度の数のソフトは見つけたけども、なかなか面白そうなのが無くて、ゲームやら本やらが入っている棚を漁ろうする。


 そして、丁度ゲームが置いてある棚に当たり、数十種類の家庭用ゲームソフトやゲーム機が置いてあった。


「わぁ、一杯あるね。お兄ちゃんがこんなにもゲーム好きってこと、知らなかったよ」


 それはそうだろうと言いかけたが、直ぐに口を閉じた。


 一見、何にもないようにも捉えられるのだけど、普通の兄妹がお互いの好きな物を知らないのは珍しいだろう。


 もしその事で、ほむらが鳥の籠の様な場所に閉じこもっていた記憶を思い出してしまえば、お互いが辛くなるだけだと自分に言い聞かす。


 それから数秒が経ち、場が沈んでしまうのは良くないから、無理にでも笑顔を作った。


「はは、ほむらにもこんなにゲームを好きになってもらえて良かったよ」


 だけど、少しばかり苦笑いを含んでいると直感的に分かってしまうが、構わず笑い続ける。


 ほむらは、苦笑いを穏やかな笑みだと勘違いしたのか、えへへと静かに言葉を零した。


「本当にありがとう。あとね……お兄ちゃん」


 妹は何故だか、急に手をもじもじさせて、頬も薄桃色に染める。


 頬を染めているほむらを見ていて、何故だか僕も緊張してしまった。


 だけども、妹は自分の兄が緊張していることに気付いていなかったのか、そのまま言葉を紡いでいく。


「私、ゲームが上手になったら、友達を作るきっかけに出来るのかな」


 言葉を紡ぎ終わり、大きく深呼吸をしているほむらを見て、こう感じる。


 前に友達を作ると決意を固めていた妹は、多分きっかけが無くて、作れるか不安になったんだろうと。


 だから、自分の得意なゲームを、友達作りのきっかけに使おうとしたんだと思う。


 でも、それだけでは一つの大切な事が欠けていた。


「そうだね。確かにゲームが上手くなったら、友達付き合いも良くなるとは思うけど、まずは話しかけてみないとね」


 友達をつくるためにゲームを上手くなろうとするならば、まずは話しかけてみないと始まらない。


 そう思ったからか、僕はほむらの頭を撫でながら話していた。


「えへへ! そうだね。まずは話しかけてみないと始まらないよね」


 僕達兄妹は、笑い合いながら将来について話していく。


 当初の目的を忘れていたけれども、今それを言うのは野暮っていうものかな。


 そう悩んでいたとき、ほむらからの一言が痛い所を刺す。


「お兄ちゃん。そういえば、ここに来た理由忘れてない? この箱の中から探そう?」


 丁度僕も考えていた事を、妹から言われた瞬間に、苦笑してしまった。


「どうしたの?」


 その苦笑を疑問に思ったのか、顔を近づけてくるほむらに対し、少しだけ後ろに下がるのだが。


 後ろに下がらせた本人は何も気にすることなく、僕の横に腰を下ろす。


「いや、なんでもないよ! ほら探そ?」


 結果的に二人は肩を並べて、寄り添いながら一つの箱に目線が向いてる中、ほむらは……。


「えへへ! なんか私たち恋人みたいだね」


 そう耳元で囁いてきて、からかわれた事に気付いているのにも関わらず、僕の頬は赤く染まっていた……。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お疲れ様です!


もう肌寒い季節がやってきましたから、皆様体調なども気遣ってくださいね。


どうか、風邪など引かないように。


それでは、また次回でお会いしましょう。

また次回も宜しくお願い致します!

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