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帰宅

こんにちは! クロです。


早速ですが、どうぞ!

第67話、帰宅。

「ただいまー!」


 僕達は、陽の落ちる夕陽を見てから、帰路に就いた。


 そして、家までの道で何気ない話をしながら歩いていると、楽しくていつの間にか家に着く。


 ほむらは、ただいまという挨拶を残し、一人黙々と家に入っていくが……。


 もちろん家からは帰ってくるのは、寂しい沈黙だけども、ほむらが部屋から出てきてくれたから話せる人がいる。


 そう思うだけで、なんだが毎日が充実している気分になってきた。


「うん! おかえり。楽しかった?」


 今は僕が親代わりというか、兄妹として今日のお出かけは楽しかったか聞いてみる。


 普通の親子だったらこうするのかな、という事を考えながら、少しでもほむらの寂しさを拭えれば良い。


 本当に今の気持ちは何なんのか分からなくなってしまうけど、ただそれだけを考えていた。


「うん! 楽しかったよ。ねぇ、一緒にゲームして遊ばない?」


 そう言い残し、自分の部屋に向けて歩いていくほむらを、後ろから見守ってしまう。


 僕も手を洗って、ゲーム機を置いてあるほむらの部屋に向かって歩いていった途端。


 妹から、はやくー! と急かしてくるので微笑みながら。


「うん! 分かった」


 そして、少し早歩きをして、ほむらの部屋の前に着いた。


 人の部屋に入るときに、必ず忘ずに行っている事がある。


 それは……。


 コンコン


 リズム良く部屋の扉を叩き、入って良いかを確認して、部屋の中にお邪魔するということだ。


「うん! 良いよ入って」


 機嫌が良い妹は、何にも迷いを感じさせない元気な声で、中に入るように促してくる。


 その言葉に甘えて、ドアノブをくるりと半回転させると、扉の抵抗は無くなって、女の子特有の甘い香りに惹きつけられるかの様に、部屋に吸い込まれた。


 ほむらの部屋には、相変わらずのぬいぐるみが沢山あり、前までは入ることを許してくれなかったと思う。


 ぬいぐるみが、そんな事を喋るわけがないのだが、ほむらの空気によりそう感じれたんだろう。


 だが今は、そんなことは一切感じないので、すんなりと入れることが出来るのが嬉しい。


「ふふ、このぬいぐるみちゃん可愛いでしょ」


 色々と感じた原因の一つのぬいぐるみを持ち上げて、僕に向く方向で、自分の胸に抱きあげてた。


 そして、にこにことしていることで、より一層可愛さが増し、愛おしさが増していく。


 そのせいで、変な誤解をしてしまいそうになってしまうが、自分を何とか抑えつけた。


「さ、さぁー。ゲームして遊ぼうか? 何するの? 僕の部屋にまだまだあるけど」


「うーん……じゃあ、お兄ちゃんの部屋に行ってもいい?」


 ほむらは、自分の小さな身体を僕に預ける。


 それが意味する事とは、僕が後ろからほむらを抱きしめている様になっていて、部屋に漂う甘い香りが、更に鼻腔をくすぐる。


 その香りに惑わされない様に、意識を確りと保ちながら、僕の部屋に行くように促した。


「うん! 良いよ。じゃ、選んでこよっか」


 ほむらは、向日葵の様に優しい暖かさを含みながら、満面の笑みでありがとうと言ってくる。


 もう昼は過ぎたはずなのに、眩しい日差しが僕達を包み込んでいる気がした……。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます! お疲れ様です。


もしよろしければ、ブックマークやポイント評価などもお願い致します。


それでは、また次回でお会いしましょう。

次回も、宜しくお願い致します!

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