白い雲と青い空
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第60話、白い雲と青い空
霧島宅、凪の部屋。
「そういや、何時に公園に行こっか?」
現時刻は、朝の九時を少し過ぎていた。
そして今日、ほむらと一緒に公園に遊びに行く約束をしたのだが、何時に行くのかは決めていない。
「うーん。なら11時ぐらいに行こ?」
確かに、まだ朝ごはんも食べていないし、今から作ったら出かけれるのはその辺だろう。
因みに、今の時代はインターネットというものがあるし、少し前にお母さんから料理を教わっていた。
ただ作れるものは本当に簡単なものしか作れないし、前にも話した通り両親は全然帰ってこない。
でも四年前まではこんなに仕事が忙しいということもなかった。
だけどそれは、ほむらが物心つく前の事だから、ほむらは一人ぼっちになってしまったと勘違いしているだけ。
でもまだ許せない。
「あ! お兄ちゃんまた怖い顔してる」
ひょこんと自分が小柄だということを認識してのことか、調理器具のボウルを持っていた僕の横に寄っ掛かってくる。
妹とは身長差があって、それが上目遣いで覗き込んでくるのは当然なのだが……。
どうにもほむらの上目遣いには慣れない。
「いや大丈夫だよ。ほむらのおかげで、どうにか冷静でいられそう」
この時のほむらは少し微笑んで、それだけじゃない優しい雰囲気を醸し出しながら。
「そう? 私はいつまでもお兄ちゃんと居るからね……。あ、もしお兄ちゃんに恋人が出来たら大人しく引き下がるよ」
ほむらは少しの微笑みから満面の笑みに表情を変えて、横から後ろに場所を移動し、抱きついてくる。
妹が後ろに行ってくれたおかげで、僕は恥ずかしさから少し和らいで。
全く、これじゃあ誰が恋人だよって心の中で突っ込み、一人で苦笑してしまった。
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それから二時間後。
ようやく二人の出かける準備が済んだので、玄関に向かう。
その玄関の先には、ほむらが経験した事もない、広大な空が何処までも繋がっているところを見たら、どんな反応をするのかな。
と期待をしてしまうが、きっと空の風景は知っているのだろう。
見ようと思えば、自分の部屋の窓からでも見えるのだから。
「それじゃ、準備は良いかい?」
「う、うん。大丈夫だよ」
ほむらの言葉が終わった瞬間に手を繋ぎ、玄関を開け、外に出る。
そこには、この瞬間を空が待っていたのかと思ってしまうほど、白い雲と空の青の調和が噛み合っていた。
まさに、ほむらが外に出ることを祝福するかのように。
「わぁ! 綺麗……。えへへ、お兄ちゃん。早く行こうよ!」
妹が日光にあまり強くないだろうなと思った僕は、ほむらに少し大きめの帽子を被せた。
その姿は、腰までのツヤのある黒髪につばのついた帽子が凄く、魅力的に思えたんだ……。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お疲れ座です!
ほむらと凪の幼い過去について、これは過去編第二幕とさせていただきますが、まだまだ続きますので、どうかこれからもよろしくお願い致します!
それでは、また次回でお会いしましょう!




