向日葵
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第59話、向日葵
霧島宅、凪の部屋。
「ほむら……明日さ、僕と一緒に公園に行ってみない?」
僕の部屋のベットに、二人で横たわりながらふと感じること。
それは、今まで家の中に閉じこもっていたほむらを、外に連れて行ってあげたいと思う。
少し前にも、似たような感情を持った気がするけど、あの時は親への憎しみが募っていたけど……。
今は違う。
そして、ほむらも外に出たがっていたんだ! だから僕から誘おう。
そう決心して、心の奥深くに閉じ込めてあった決意を話した。
「うん分かった。お兄ちゃんと一緒なら出れるかもしれないから」
言葉ではこう言っているが実は、ほぼベットによって密着せざるおえない妹は、身体を強張らせ震えている。
僕の背中に細い腕を伸ばし、更に近くほむらが握った服が少ししわになった。
それだけ外に出るのが怖くて、でも勇気を出して僕と一緒に出てくれる。
もう何度も何度も、僕がほむらのお兄ちゃんでいられて本当に良かったと感じてしまうが。
「ふふ、やっぱりお兄ちゃんが頭撫でてくれると、気持ちが満たされていくね」
ほむらの言ってることが理解出来なくて、五秒近く悩んだ結果。
僕は、ほむらと抱き合うような体制で尚且つ、自分の妹の頭を気づかないうちに撫でていた。
「え!? あ、ごめんほむら。そんなつもりじゃなかったんだけど……」
「すぅ〜すぅ〜」
自分でもいつのまにか制御出来なくなってしまった行動が、ほむらに睡眠を誘っていた。
つい僕の胸の中で寝ているほむらが、いつもよりとても可愛く見えてしまい、何ものにも変えがたいひと時の出来事にしようと。
この先ずっと、胸に秘めていくことにした。
そして、すやすやと気持ち良さそうに寝ている妹を見てしまうと、どうしてか自分まで眠たくなってしまい。
ほむらの頭に手を置いて、ほむらを抱くようにしている体制のまま、目の前が真っ暗になっていった……。
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「お兄ちゃん、お兄ちゃん起きて!」
「んぅ、うん? ほむら!?」
凪は、目の前に自分の妹であるほむらが居り、それに加えて妹を優しく抱きしめていることに驚きを隠せないでいた。
無理もない。
何故なら凪は昨日、自らの妹であるほむらを撫でていたまま、自分も寝てしまったのだから。
「もう、寝ぼけているの? 朝の九時だよ。昨日の約束忘れちゃった?」
……、昨日の約束?
「あ、公園に行くっていう約束?」
「そうだよ、一緒に外に行こ!」
この時のほむらは、多数の向日葵が咲き誇る花畑の中に一輪、太陽がたった一輪の為に光を照らしているかのような。
そんな感覚に襲われていた……。
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