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お姫様抱っこ

こんにちは! クロです。


もしよろしければ、ポイント評価やブックマークなどもお願いします!


それではどうぞ。

第58話 お姫様抱っこ

 霧島宅、凪の部屋。


「はぁ〜。ほむら……そろそろ寝ない?」


 現時刻は、深夜三時。


 まだまだ幼い凪やほむらにとっては、相当な睡魔が襲い掛かってくる時間だと思うのだが。


「うん。寝よ? お兄ちゃん」


 妹は腰が抜けたかのように、ゆったりと床に座って右目をつぶり、優しく擦っていた。


 その傍らには、さっきまで遊んでいたコントローラを置いて。


 膝ぐらいまでの長髪を翻しながら、ゆっくりとふらふらと立っていく。


「あ、危ない!」


 その途中、急にバランスを崩したほむらは、近くにある木製のベットの隅を目掛けて倒れるが……。


 それを察知していた僕は、何かを考える前に勝手に身体が動き、優しく抱えた。


 そのままお姫様抱っこの体制を作り、ベットにほむらを置いて。


 その時、寝ている間にさらさらとした長い髪が引っかからないよう、手で解いていく。


「……ごめんね、お兄ちゃん。ありがと」


「こっちこそごめん。こんなになるまで気づけなくて」


 途中で、ほむらに寝るよって声をかけていればこんな事にはならなかっただろう。


 もし、もしも僕が倒れてくるほむらを抱えてあげなかったら……。


「泣かないでよ? お兄ちゃんは何も悪くないよ……。ありがとうね、一緒に遊んでくれて」


 僕の目を覗き込んでくるほむらが、目だけではなく心まで覗き込んできそうで。


 いまの時間があるのは、きっと無事でいてくれたから送れているんだと考え込んだら。


 考え込んだら……。


「これからも一緒に遊ぼうね! じゃあ、そろそろ僕の部屋に戻るよ。おやすみ」


 ベットに疲れたように横たわるほむらから目をそらし、反対側にある扉を目指していたはずなのに。


 不思議と視界が歪み、心のうちに秘めていた複雑な感情が表立つ。


 それを振り切るようにして部屋の扉を開けた時、ほむらは、自分が寝ているはずのベットには居らず。


 もう疲れて立つことも出来ないはずの妹が、凪の後ろに立ち、抱きついていた。


「どうしたの!? ほむら。寝ないとだめだよ」


「お兄ちゃん。私からのお願い、聞いてくれる?」


 ほむらの腕は、少しだけ震えていて、抱き締めてきていた。


 それだけ今からお願いする事は、妹にとって勇気がいることなんだと感じるが。


 それを感じてしまえば最後、余程の事ではない限り良いよって許諾してしまうから、ほむらにはどう足掻いても弱いなと思い知った。


「話してみて?」


 少しでも緊張を解いて欲しくて、僕のお腹に当てている小さな手に、僕の手を合わせる。


 それが効いたのか、ほむらからは震えが無くなって、ゆっくりとお願いを言葉に変えていった。


「お兄ちゃん……もし良かったら、今日は私と一緒に寝て?」


 ついに言葉に表されたお願いを耳にした瞬間、妹に向き直ってしまい。


 ほむらから上目遣いをされてしまえば、もう嫌だとは言えなかった。


「分かったよ……。なら僕の部屋に行こっか」


「うん! お兄ちゃんの部屋のベット、大きいからね」


 すっかり元気になったほむらに、僕は苦笑いでしか返してあげれなかった……。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お疲れ様です!


ここ数日、再びスランプ気味なのですが、それを振り切って頑張っていきたいですね!


本当にスランプって怖い「でも、私の実力ではスランプと呼べるかという程なんですが」


書かないと始まらないですよね「笑


では、また次回でお会いしましょう。

次回も、よろしくお願い致します!

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