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二人が未来に願ったこと

こんにちは! クロです。


この作品を読んで、もし良かったと思って頂けたなら、ブックマークやポイント評価などもよろしくお願い致します!


 『カチ、カチャカチャ』


 ゲームパットのボタンの音が鳴っている中、あの熱戦を繰り広げた兄と妹は、休む事なく指を動かていた。


 その訪れる当たり前の結果といえば。


 手は動いているけども、お互いの操作しているキャラは、何の覇気も感じられないほどに動きが甘くなっている。


 それは何故か。


「ね、ねぇ。お兄ちゃん……もう勝たせてくれても良いんじゃないかな?」


「な、何言ってるの? 兄弟の真剣勝負に手加減出来るわけ無いじゃん」


 この負けず嫌いな兄弟は、何十戦も繰り返していて、両者ともにもうぼろぼろ。


 しかも戦績といえば、目も当てられないほど一方的で、凪は一度しか負けていなかった。


 だが、ゲームの天才と感じたほむらからの熱意は、凪よりも熱くて今までの妹とは比べ物にならないほどに変わっていたのだ。


 そして、勝負が終わる……。


「勝った……。勝ったよ! お兄ちゃん!」


「うわ!? ちょっと、ほむら」


 ほむらは今までの疲れを、まるでなかった様に僕に飛びついくるが。


 それを阻止できるわけもなく、する理由も無いので、せめて痛く無いように優しく受け止めた。


「えへへ、やっぱり優しいね! お兄ちゃん。いま痛くしない様に優しく受け止めてくれたんだね?」


 ほむらには全て分かっていたみたいで、頬を引きつって苦笑しか出来なかった。


 僕は相手のペースに入ってしまうと、こういう引き笑いしか出来ないから、直さないとな。


 そう思った時。


 頭に柔らかく儚い……、そんな感触がして不思議に気持ち良い感覚がした……。


 きっと、僕が人の頭を撫でた時もこんな感じがするのかな? そう感じてくれれば良いな。


「なんでにこにこしてんの? お兄ちゃん」


 きっと今までなら、きもいって言葉で全てが片付いていたと思う。


 それが、ほむらもにこにことして、更に優しく撫でてくれていた。


「うんとね。正直に言っちゃうと、気持ち良い……かな?」


「そっか〜、でもお兄ちゃん! こっち見ていってよ」


「うるさい! 仕方ないよ」


 いま妹の顔を見てしまえば、何か勘違いをしそうで、でもほむらの表情が気になって……。


 でも、ほむらはきっと分かっていて、からかっているのだろう。


 だけど、それは勘違いだと分かってしまう。


 ふとほむらの顔が目に入り、そのまま見つめてると……。


「こっち見ないでよ。恥ずかしいから」


 真っ白で綺麗なほむらの頬が、桃色に染まる。


 それを見てしまった僕は、更に恥ずかしくなり、まだほむらが膝の上にちょこんと座っているのに。


 お互いの視線が交わり、そして……。


 徐々に離れていく。


 いつか二人が、お互いを見つめ合えるようにと。


 二人は願っていた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お疲れ様です!


ここ一週間、小説を投稿出来ず申し訳ありませんでした。


ですが、これからもこの小説を読みに来てくださると嬉しいです!


それでは、また次回でお会いしましょう!

次回も、よろしくお願い致します!

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