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身勝手な思い込み

こんにちは! クロです。


いきなりですがどうぞ!

第54話、身勝手な思い込み

 

「はぁー。寂しがり屋のほむらを楽しませてあげたいな」


 ほむらは今、風呂に入っていて、暫く自分の部屋には戻ることはない。


 そのうちに、楽しませてあげれる物が何か無いかなと頭を回転させて、僕の部屋を漁る。


 だけど基本的に霧島凪の部屋は、小説や漫画とかしかないため、本当に困ってしまう。


 因みに、妹は本を全く読まないだろうなと、何の根拠もなしに直感的に判断してしまった。


 まあ、さっき妹の部屋に入った時に、本という本が何もなかったからだが。


「まだ四歳だから、小説というわけにはいかないか」


 そう一人で呟いて、自分のベットに寝転がって考えていた。


 妹とは違って、ぬいぐるみや可愛い人形には何も興味無いし、きっと価値観すら真逆なのかなとネガティヴになってしまう。


 部屋にはベットやクローゼット、本を入れる棚とテレビがあれば良いという考え方が合わないのだろう。


「他に何か無いかな」


 そう思ったのと同時に、うつ伏せになっていた体が、急に落下感に襲われて気付いた時にはもう遅かった。


 肩から床に落ちて、次に背中を打ち、その次に頭を打った時に訪れる鈍い痛みは、心地悪かった。


 だが次の瞬間、今までのネガティヴな思考を一瞬で切り払う事になる。


「……これって」


 床に根っこのように張り付き、心までもが吸い込まれそうな感覚に陥り、それが嫌で身体を起こそうとした瞬間。


 ふと目に入るのは、とある家庭用ゲーム機のコントローラーと、横に置いてあるゲームソフトだった。


「これならどうだろう」


 もし妹と合わなかったら、また違うのを探せば良い。


 本当に今までほむらの面倒を見ることが嫌だったのに……。


 何で、こんなに積極的になっているんだろう。


「そんな事はどうでも良いか」


 知らない間に独り言を呟いてしまい、それを自分で鼻で笑ってしまう。


 直ぐに気持ちを切り替えて、ゲーム機の配線やテレビの配線を抜いて、次々と妹の部屋に持っていく。


 普通は自分の部屋に妹を呼んで、ゲームをやれば良くない? と思うかもしれないが、それをしてしまえば更に怖がってしまいそうで、出来そうになかった。


 だから、ほむらの部屋に機器を持って行っているのだ。


 それから十分程度経ち、配線も繋げた所でほむらが風呂から帰ってきたのだが……。


「何してるの? お兄ちゃん」


 一時間ぶりぐらいに見るほむらから感じる事は、冷凍庫に顔を突っ込むよりも、じわじわと背筋に襲ってくる恐怖に近かった。


「……ごめんなさい」


 僕は、よく考えてみれば何をしているのか分からなくなった。


 行動は、妹の部屋にゲーム機を繋げてほむらに楽しむ事を教えたかった。


 でもそれだけなら本当に余計なことをしてしまったと思う。


 勝手に部屋に入られることは絶対に嫌だろうし、ましてや女の子だ。


 だから、大人しく身を引こうとして立ち上がる……。


「待って、お兄ちゃん。一緒にやろ」


 その時の妹は、今までの不気味な部屋の空気を吹き飛ばすかの様に、穏やかに、美しく微笑んでいた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お疲れ様です!


今回は、妹の為に動いて、妹に頭が上がらないお兄ちゃんを書いてみました!


実は、作者は一人っ子なので兄妹というのがどういうものかが分かりません。


ですが、もしこんな妹がいたら僕ならこうする!という妄想で書いております。


少しイタイかもしれませんが、それでもどうか今後とも宜しくお願い致します!


では、また次回でお会いしましょう。

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