三人の日常
こんにちは! クロです。
いきなりですが、どうぞ。
第五十二話。三人の日常
凪の家、居間。
「それでさ……、少し話したい事あるんだけど。良いかな?」
かえでが、家にいつまで泊まるのか……という話題の後に、違う話題へと変えていく。
そして、泊りに関する答えは、泊まりたいだけ泊まって良いという結果になった。
「うん。良いよ? どうしたの?」
まだ僕の隣には、ほむらがいるのだけど、今話を切り出したという事は、それでも構わないのだろうか……。
「あのね。前、なぎとほむらちゃんが話していたのを聞いちゃったんだ」
「「え……!?」」
僕とほむらは目を思っ切り見開いて、喉の奥から渇いた声を出してしまう。
この時、二人が思いついた事は、凪に関する記憶。
この事は、二人の秘密であって、他の人には聞かれたくない話だったのだが。
聞かれたのなら、仕方がない事だと、理解せざる負えなかった……。
「どんな話だったの?」
ほむらは、冷静というよりも、少し落胆とした口調で問う。
それと同時にこっちを向いて、ごめんねと声に出ないように口を動かしていた。
「なんか、記憶に関するお話だった気がするんだけど」
僕は、落ち込んでいるほむらに対して、大丈夫だよとでも言うかの様に、こんな事を口にする。
「実は、僕には、仲の良かった人の記憶が抜けているんだよね」
二人は、驚いていた。
ほむらは『なんで話したの!? 』と声には出さず、口を動かして。
かえでは『そんな……!』と声にならない声
を出していた。
「だから、その事を話していたんだ。ごめんね! 変な気を使わせちゃって」
「ううん。大丈夫! 話してくれてありがとう」
この時の、優しく微笑んでるかえでは、まるで傷ついてる心を優しく包み込んで、慈愛を分け与えてくれるかの様な感じがした……。
「じゃ、この話は終わりにしよ? なぎとほむらちゃんはゲーム得意?」
「ま、まあ〜。普通?」
僕は、この様に答えて。
「私も普通だよ〜」
ほむらも同じ様に答えて、僕の方を向き、少しだけ笑みを零していた。
それに、僕も少しだけ笑う。
「ところで、ゲームと言っても何をやるの?」
ゲームと言っても、種類は様々だ。
家庭用ゲーム機を使うのは勿論の事、強いて言えば、カードゲームだって、立派なゲームなのである。
そして、かえでが取り出したゲームは……。
「じゃじゃ〜ん。これだよ!」
可愛らしく顔の前に取り出したのは、五人のアニメキャラなどが、それぞれの武器を持ち、凛と立つ姿が写されているケースだった。
これは。
「これって、格ゲー?」
かえでは、その問いに満足したかの様に、笑顔になって『そうだよ!』と相槌を打つ。
それを聞いた瞬間、僕は落胆した……。
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「嘘……でしょ?」
かえでが、相手のあまりの強さに、手に持っていたコントローラーを目の前に置くが。
先程まで、綺麗な水晶体の様に輝いていた目は、何かに侵食されたかの様に暗くなってしまっていた。
「何で、何でこんなに……」
それには、目も当てられない大差で、かえでは敗北の文字を刻む。
落ち込んでいる女の子は、攻撃をまともに一度も食らわせれずに、カウンターという技だけで勝たれてしまったのだ。
カウンターとは、相手の攻撃を見極め、タイミングを合わすことによって発動する技であり、それには相当の技術が要求される。
それだけで勝たれてしまうというのは、つまり自分の技術より相手の技術の方が、桁違いの域に居るということであった。
「はぁ……。でも、一つだけ……」
暗くなるのも束の間。
「何で!? このゲーム。私は十位のランカーなんだよ!?」
かえでの声は、威圧を含めたかの様な大きさと勢いであり、その声は一階から二階まで届きそうな感じがしたが。
「え!?」
僕は、かえでに負けないぐらいの声の大きさで、返す。
返してしまう。
それも仕方がない。
何故かといえば。
ほむらも……。
「あ、ごめんね。このゲーム、私は二位のランカーなんだよ」
「え!?」
同じゲームの上位ランカーが、同じ部屋に複数のランカー居るのだから……。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます! お疲れ様です。
今回は、かえでに聞かれたくない話を聞かれてしまったのと、かえでとほむらが格ゲーランカーという事が明らかになりました。
ランカーって本当に凄いですよね。尊敬します!
それと次回は、何故この二人はランカーを取ろうと思ったのかという事。
それに凪の実力とは……。
それでは、次回もよろしくお願い致します。




