小さな嫉妬心
こんにちは! クロです。
長らく投稿出来ておりませんでしたが、今日より再開させてもらうことになりました。
是非、今後ともよろしくお願い致します。
それではどうぞ!
記念すべき五十話
小さな嫉妬心
霧島宅、居間。
「いてて……、どうしたの? ほむら」
「別に〜? お兄ちゃんがあの人を思い出して、ましてや私と比べる人だとは思わなかっただけだよー」
今のほむらの小さな顔から映し出される表情は、軽く頬を膨らませていて、唇は拗ねたように突き出ている。
そして、この居間から出ようと、扉を開けた瞬間……。
バンッ!!!!
という、響き渡るようにドアを勢い良く開けた時に奏でられる音色が、ほむらを襲う。
「いったぁい! かえでさん……、勢い良く開けないでよ……」
そのドアは、ほむらのおでこへと、何の躊躇も無しに襲った。
「ああー!! ごめんね。ほむらちゃん……、痛かったよね? ほんとごめん」
さっき、心の準備とやらをしたいからと、一人になっていたかえでが来たということは、そういうことなんだろう。
まあ〜、かえでは僕の妹を意図的ではないと言え、傷つけてしまって慰めていた。
「ところで、なぎ。なんかあったの?」
「ん? どうしたの?」
かえでは、ほむらを自分の胸へと抱きしめて、僕に問う。
女性というのは、ほんのちょっとした空気にも直ぐに気付けると言うが、それが本当の事かは、分からない。
分からないんだけど、かえでの反応を見た今なら、不思議と理解出来た気がした。
「いや、何でもない! それよりもう準備は出来たから寝ない?」
かえでは、もう目がきょとんとしていて心ここに在らずという感じで、小さなあくびもしていた。
現時刻は、午前四時三十分。
時計の針が示す時間は、もう午前で、外からは鴉の鳴き声も聞こえる。
もう僕も、いつもより遅いので、眠気が襲いかかっていた。
「そうだね。じゃ、寝ようか」
「うん! あ、そうだ」
かえでは、何かを閃いたらしく、ほむらの耳元で何かを話していた。
僕には何も聞こえなかったけど、ほむらは自分の身体を強張らせて、頬も赤くなっていく。
そして、小さく頷き、僕に向かって。
「さっきはごめんね……。痛かったよね。ごめんなさい」
「ううん。僕もごめんね」
「うん! ありがと」
二人は、少しだけ産まれてきた時間が違うけど、同じ時間を生きているのに……。
何故か、胸が少しだけ痛みつけられた感じがした……。
「じゃ、そろそろ寝ようか。僕の部屋に戻ろう」
「うん! あぁ〜、なぎと一緒に寝るのは久しぶりだなぁ」
「ふふ! お兄ちゃんと一緒に寝ると、何故か気持ち良いですよ!」
三人は、僕の部屋に戻って、それぞれ一つのベットに入って寝た。
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この短い一日の中で、深い記憶と優しい女の子達が、少しずつ凪という人物を変えていく……。
三本の針の流れに、翻弄されながら……。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
お疲れ様です。
さて、今回でお泊まり会1日目は終了ですが、朝の4時に寝るって遅すぎですよね(笑
でも、お泊まり会ってついつい寝るのが遅くなってしまうので、そこも考慮してこの時間にしました!
次の話も楽しみにしていただけると幸いです。
次回も、よろしくお願い致します!




