表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/69

二人の記憶

こんにちは! クロです。


昨日は、投稿できずに申し訳ありませんでした。


それでは、どうぞ!

第四十二話、二人の記憶

 霧島宅、凪の部屋。


 僕は、トランプを探している少しの間に気絶してたらしい。


 そこで、かえでとほむらが起こしてくれたんだけど、打たれた頬が痛い……


 その後、とある写真が入ってた場所の下に、保管していた目的の物を見つけた。


 これが、偶然なのか、それとも記憶から逃げんなって事なんだろうか……


 そう感じた僕は、テンションが高いかえでに聞こえない声量で、ほむらに話す。


「ほむら……。かえでが寝たら話があるから、僕の部屋に来て」


「え……、もしかしてお兄ちゃん。気絶した事をまだ気にしてるの?」


「うん。あと、もう一つの事とか聞きたい」


 その時のほむらの表情は、何かを気にしていた様な顔から、直ぐに心配の顔に変わる。


「もしかして、お兄ちゃん。馬鹿な事を考えてないよね?」


 ほむらが馬鹿と言ってくる時は、機嫌が悪い時……、つまり怒っている時。


「それが馬鹿な事なのか分からないけど、少なくとも、僕達二人に関係することだよ」


「やっぱり馬鹿な事だよね? 何で、知りたいの?」


 珍しくほむらが睨んでくる。


 でも、それに負けてしまったら、これ以上なにも喋れないから困る。


 だけど、相当怒っているほむらに向かって、自分の心を素直に話そうと思えた。


「知りたいというより、知らなきゃいけない気がするんだ。そしてその後に、あの子がどうなったのか知らないんだ」


「それって……生きてるか、ないか?」


「うん。そうだよ」


「それだけじゃないよね? 他にもあるんだよね?」


「何でそんなに読めるかな……。そうだよ、あの子がどんな人物だったのかも聞きたい。」


「そっか。分かったよ! 教えてあげる」


 意外にも、これを交渉とは言えないけれど、二つ聞きだせる事になった。


 一つは、あの子が無事だったのか、そうでなかったのか……。


 もう一つは、どんな人物なのか……だ。


 でも、ほむらは、それを馬鹿な事と話す。


 そして、小さな声が聞こえた様な気がした。


「もう……。いつまで私達を苦しめるの? いい加減にしてよ!」


 ここには、その想いの向かう場所なんてない。


 それは、ほむらも自分で分かっているのだろう。


 でも、落ち着いて話そう。


「少なくとも僕は、苦しいとは思ってないよ。気絶しちゃうのは、その時の記憶が無いからだしね。」


 そう、記憶が無い。


 あの子が、何かに()かれそうな所から抜けている。


 だから、たとえ何があっても、気にしない様に努めよう……。


 そう決意した時、一つの優しい声が聞こえた。


「ううん。お兄ちゃんは、充分苦しむ事になると思うよ……。だって、記憶に無い事を言われた時、誰でも傷つくと思うし」


 さっきとは、違った。


 今回は、心配の眼差し。


 今なら分かる。


 あの怒りの眼差しは、僕に向かうんじゃなくて、その先のあの子に向かっていた事。


 これは、小学五年生の思い込みには、思えないだろう。


 だけども、ここからは、何もわからないんだ。


「それは、テレビの見過ぎだよ! 大丈夫。もし苦しんでも、ほむらが居てくれるしね」


 自分自身、満面の笑みを零した事には、気付いた。


 それで、ほむらの心配事が無くなれば良いなと思って。


「そうだね! 私は、お兄ちゃんが離れない限り、隣に居るよ。」


 ありがとう。


 でも、そろそろかえでが、この事に気付きだしたから話題を逸らす。


「ありがとう。さてと、思っ切り遊ぼうか!!」


 かえでにも聞こえる様に、声を張った言葉に二人とも盛り上がる。


 ほむらは、クスッと笑いながら……。


「「おお〜!!」」


 そして、僕達三人による、トランプが始まるのだった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

お疲れ様です。


今回は、二人の記憶について書きましたが、これが今後どんな展開を見せるのかは、楽しみにして頂けると幸いです。


それでは、また次回でお会いしましょう。

次回も、よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ