番外編(好きという事)
こんにちは! クロです。
今回は、途中から視点が変わります。
凪→かえで
それでは、どうぞ。
第三十七話、番外編(好きという事)
「そろそろ行きましょうか。かえでさん」
「うん……」
「かえで! 言いたく無かったら、言わなくても良いからね。」
今は、ほむらお手製のカレーも三人で美味しく食べ終わり、お風呂も入り終えて。
かえでとほむらが一緒にお風呂に入ってる間は、女の子同士の笑い声が聞こえて、妙に落ち着かなかった。
そしてほむらから、お兄ちゃんは部屋で一時間ぐらい待っててと言われたので、少し寝る事にしようと思う。
何故なら、女の子同士の『恋愛話』が聞こえてしまったら、普通通りの会話が出来なくなりそうだから……
そんな予感がした……
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「お兄ちゃんには、部屋に居るように話したので、聞こえる事はありませんから大丈夫ですよ」
「う、うん……」
私は、凪が好き……
さっき、恋愛話ってほむらちゃんは言ってたけど、多分そのことだよね……
心臓の鼓動が落ち着かないよ。
「かえでさんは、その……お兄ちゃんの事が好きなんですよね?」
言葉と同時に、この愛くるしい部屋に居るぬいぐるみ達が、一斉に睨んでくるように感じる。
そして私の感は、当たっていた。
「うん。そうだよ」
正直に言うと、とても怖い。
凪と離されそうで、私の身体が自分のでは無くなって行きそうになる。
だけどほむらちゃんは、絶対に私と凪を離れ離れ《はなればなれ》にしないって、分かってるのに……
「そうですか。なら、お兄ちゃんの事を忘れてください。とてもじゃないですが、貴女にはあげられません」
え……
嘘でしょ……
なんで!? 私は、こんなにも凪の事が好きなのに、何で離そうとするの?
「…………ううぅ」
自分でも分かるぐらいに泣いていた。
もうこれは、本気で涙が出ているよね……
ほむらちゃんには、こんな姿、見せたく無かったのに!!
「はぁ〜。本気……何ですね」
「……どういう意味?」
私は、問い質す。
これを聞かないと、これから何も始まらないだろうと。
外は、もう真っ暗になっていて、ほむらちゃんの部屋の電気を付けても、そんな雰囲気は誤魔化せそうに無い。
でも、なぎが言っていたように、こんな雰囲気を晴らすきっかけをくれるのは、ほむらちゃんだった。
「正直に話します……実は、私もお兄ちゃんの事が好きなんです」
驚くべき事を聞いたと思った。
兄妹同士の恋愛なんて、世間では批判される。
そんなことは、分かってるつもりだったけど、不思議と応援しようと心が語り掛けてきた。
「いま、かえでさんのお顔に出た通り、これはいけない事なんです……引きましたか?」
そんな訳がないよ。
逆に言ってしまえば、ほむらちゃんや私の恋愛を世間に批判されるのは、おかしいと思う。
でも、ちゃんとした好きという気持ちを持っているほむらちゃんを、引く気には、なれなかった。
だから、ほむらちゃんの勇気を絞った問いに、私は首を横に振る。
「うんうん。引いてないよ! 人を好きになってしまったら、兄妹とか関係ないと思うんだ。だから私は、ほむらちゃんを応援する!」
「……っ!」
初めて出会った日に、ほむらちゃんは涙を見せてくれた。
これは決して、酷いことをされて出た涙では無いよね。
そして……
ほむらちゃんの涙と同時に、この部屋のぬいぐるみ達も何故か、私達を応援してくれた様な気がした。
「ありがとうございます! かえでさん。私もさっき、酷いことを言ってしまってごめんなさい。本当は、私も応援してるんです」
ぬいぐるみの様に、可愛い笑顔で笑ってくれるほむらちゃんと、分かり合えた感じになる。
でも、何故か距離を感じてしまう……
だから!
「ありがとう! でもこれからは、お互いをライバルとして……仲の良い友達として、敬語は無しにしよ! あと、この事は二人の秘密ね」
「はい! ありがとう。かえでさん!!」
この時、私の胸に飛び込んできたほむらちゃんは、部屋のぬいぐるみ達よりも
ずっと、愛くるしかった……
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
お疲れさまです。
今回は、かえでとほむらの恋愛話を書きました。
そして、二人とも打ち明けられる訳ですが、なんとも青春って感じですよね。
書いててそう思いました。
これからも、是非よろしくお願いします!
それではまた次回でお会いしましょう!




