アイ・コンタクト
こんにちは! クロです。
早速ですが、どうぞ!
第三十六話、
アイ・コンタクト
「何が違うの!? 今思っ切り抱き合ってたよね!? お兄ちゃん!」
「ち、ちち違うよ! 私から抱きついちゃっただけで……。あ……」
ほむらからしてみれば、きっと抱き合ってた様に見えたと思う。
まあ〜、現にそうしてたんだから、仕方ない。
でもかえでは、多分僕を庇ってくれたんだろうけど、それでは自分で墓穴を掘ってしまっていた。
「へー。そうなんですか……イチャイチャしてて良いですね」
少し前まで慌てふためいていたほむらは、急に落ち着きを取り戻して、何処と無く冷たい雰囲気を醸し出す。
その冷酷と言ってしまっても良い程の空気に、僕達は言葉が出ない。
「なんか言ったらどうですか? まあ〜、どうせお兄ちゃんが、なんかしたんでしょうけど」
「う、ナンニモシテナイヨ」
「ちょっと! なぎー!?」
何もかも僕のせいにされているみたいだけど……仕方ないか。
かえでのせいにされても困ってしまうし、この問題は、誰も悪く無い。
なのにどうして僕は、ほむらの目線を外す様に何も無い場所へ、目を逸らしてしまうのだろう。
強いて言えば、そこにぬいぐるみが収納されているショーケースぐらいで……
だけど今回も、いやいっつも、こうなって仕舞えば助けてくれるのは一人しかいなかった。
それは……
「なんで目を逸らしたのかな? お兄ちゃん。まあ〜……今回も誰も悪くないのは、分かってるから大丈夫だよ」
「ありがとう。ほむら」
心を込めてありがとうって言う。
今日は、助けてくれなければ危ないことが多々あった。
だからきっと、いつもにも増して感謝の気持ちが先に出るのだろう……
ん? ちょっと待てよ……
そう思ってかえでの方を見れば、やっぱし固まっていた。
今回は、やってしまった……という気持ちが表れたかのように、身体を強ばらせている。
それが、二人にとっては面白くて。
『くすっ!』
と笑ってしまうけども、ほむらと目を合わせて、助けようという合図を送った。
アイコンタクトという奴だろう。
それを実行に移したのは、ほむらだ。
「かえでさん……おお〜い。かえでさーん!」
「は、はい!!」
反応が大きくて凄く可愛いと思うけど、いまは、そう言う場合じゃない。
妹は、立て続けに発する。
「かえでさん。今回も誰も悪くないのは、分かってますから大丈夫です! だけど、後で少し二人で話しませんか? 怒ったりしないですから!」
ほむらの冷酷な雰囲気は、初めから無かった様に感じれるほど、和かに笑っている。
リスみたいに……
あのショーケースの中にある、小動物みたいな優しさが出ていた。
その表情のまま、ほむらは提案する。
それは、僕を抜いた話し合い……
正直に言えば、凄く気になるけど、これは入ってはいけない話題だと分かる。
だから、こう言う。
二人に向けての言葉を……
「かえで! 大丈夫だよ。ほむらは、僕がいない間でも、何も変わらなくて優しいから。」
「ほむらも、僕がいないからって虐めたら怒るからなー。まあ、そんな事しないだろうけど、程々に」
一応僕も、ほむらの兄であり、まず家族なのだ。
なので、偶に兄らしい事を言ってしまう。
でも、ほむらは言った。
「大丈夫だよ! 私達がするのは、恋愛話だから」
どうして、こんな雰囲気で恋愛話の話題が出るのか分からないけど、まあ〜それなら心配ないかなと思う。
一応、かえでは嫌がってないかを確認した。
だけど、とても儚い女の子は小さな声で『分かった』と顔を真っ赤にして了承していた……
かえでとほむらの決定事項まであと……
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
お疲れさまです。
今回は、サブタイトルで悩みました……
(英語にするか、片仮名にするか)
ですが、このお話は日本語の方が良いと思い、片仮名にしました(笑
そして、先日に週間ランキングを確認してみたら何と! 『90位』にまで上がっていたのでびっくりです!
本当に、ありがとうございます!
それでは、また次回でお会いしましょう。