僕達の晩御飯は……
こんにちは! クロです。
早速ですが、どうぞ!
第三十四話、僕達の晩御飯は……
「お兄ちゃん……はぁ〜」
深いため息を吐いた妹は、『私の部屋で何してるの?』と聞いてきた。
全くもってやましい事などしていないのだが、きっとそれは信じてくれないだろう。
でも、否定しなければ認めてしまう事になるため、仕方無く否定しようと思った。
「ち、違うんだ。かえでが気絶して、見守ってたのは、ほむらも知っているよね?」
「うん。知ってるよ……でも私が知りたいのは、そこじゃない。かえでさんが目を覚ました後だよ」
僕の目の前で、立ちっぱなしの妹の目は、もう冷たい目を超えていた。
それを危ないと思ったのか、かえでが悲しそうな表情をしながら、こう呟く。
「なぎは、気絶した私をここまで連れてきてくれて、お世話までしてくれた……でもその後はただ話してただけ。なぎが、そんなこと出来るわけないよ」
それを聞いた妹は、さらにため息を漏らす……というか、呆れていた。
「はぁ〜……それもそれでどうかと思うけど。もう良いよ。あ! それとご飯出来てるから食べよ!」
「ほむらちゃんが作ったの!? わ〜楽しみ!」
先程まで、シリアスといえばそんな風な展開だったのに、ご飯という言葉で盛り上がる。
きっと、ほむらが作ったというステータスが楽しみで、かえでは盛り上がったのだろう。
でもまあ〜、僕自身もほむらの料理には毎日の楽しみだから、それに便乗する。
「お! 待ってました。今日の晩御飯は?」
「なんだと思う? お兄ちゃん。かえでさん」
ほむらは、軽めに笑いながら早く早く! と急かして来たが、楽しそうに体を揺さぶっていた。
それに引きつられて、何だか僕まで楽しくなってくる。
かえでも同じ様に感じたのだろうか……ほむらとリズムを合わせて一緒に揺れていた。
「さぁー! まずは、かえでさん!!」
最初に当てられたのは、リズムを合わしていたかえでだ。
だが、答えは分からない様でヒントを求めている。
「うーん……分からないなぁ〜。ヒント!」
ほむらは、にやにやと笑いを高めてヒントを出す。
「ヒントは、お兄ちゃんが好きな料理です」
それを聞いてしまったら、もう晩御飯クイズなんてどうでも良くなってしまう。
でもほむらは、当てなかったらお兄ちゃんには、コーンフレークをプレゼント!! と嬉しくない発言をしてきた。
まあ〜……僕の好きな料理が答えなので、言えばすぐ当たってしまうから……
かえでさんが答え終わるまで駄目だよ? と妹は、兄に注意を促す。
でもかえでが、ぐぬぬ〜と頭を抱えて考えているので、答える気も無かった。
「か……カレー?」
僕にとって最初の友達である女の子が、自信なさげに答えを口に出すと、部屋の空気が一変する。
何故かと言うと、かえでが自分で正解だと思ったのかは分からないけども、それは的に当たっていたのだ……
「……なんで分かったの?」
ほむらは、自分の部屋に流れる静寂を切り開いて、どうして分かったのかを確認していた。
だけども、それはここに居るみんなが納得出来ない様な答えで……
「頭に浮かんだのを口にしたんだけど……合ってたのかな?」
妹は言う。
かえでさん、恐るべし……と。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
お疲れ様です。
今回のほむらも、嫉妬心を露わにしていましたけども、それすら可愛いと思えますよね!(殴
まあ〜……それは程々にしとくとして。
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