二人が抱く感情
こんにちは! クロです
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5/29日に、ジャンル別日間ランキング。現実世界〔恋愛〕で『58位』を頂きました! ありがとうございます。
それではどうぞ。
第三十三話、二人が抱く感情
「ん……ン? な、なぎ!?」
「うん。おはよ! かえで」
まあ〜おはようという挨拶を、妹のベットで寝ていた幼馴染と交わした訳だけども今は、夜の八時の針を刺していた。
「な、なんで私……寝てたの?」
そうか、かえでは何故自分が寝ていたのか分からないんだね。
寝てたというより、気絶してたけど。
「えーとね……かえでが凄く可愛いって話をしてたら突然倒れてきたから、ここに運んだんだ」
「そっか。気絶してたんだね……ありがとう」
ベットの上にいる女の子は、柔らかな身体に掛けられている毛布を、口元に持って行って小さな姿で縮こまる。
その表情は、また気絶してしまいそうなほど赤らめていて、凄く恥ずかしそうに顔を覗かしていた。
それに僕は、またかえでに可愛いという感情を抱いてしまっているが。
多分、かえでやほむらという女の子だからこそ、この感情を抱いてしまうのだろう……
そして無意識に、思いもしない事を喉から出してしまった。
「うん……こちらこそありがとう」
「そ、そそれってどういう意味なの!?」
怒号にも近いその声は、答えたく無い質問に問いを求めているのだと分かるけど。
その問いは、出せそうにも無い。
先程も考えたように、無意識に喉から出たのだ。
だから答えれない。
「どういう意味かは、自分でも分からないんだ……ごめんね」
僕の相手には、なんで伝わっただろうか。
変態? 意気地なし? 馬鹿? そんなこんな頭に浮かんできたものは、全てと言っていい程単純で、それこそ馬鹿というものだった。
でも、それは全て間違っていて、まず根元から違った様だ。
「ふふ!」
「どうしたの?」
「ん〜? いつものなぎだなって!」
駄目なことは一切感じさせない笑顔で、ハッキリと僕に伝えた君は、何処と無く小さな花が咲き誇る花畑を連想させる。
あぁ〜そうだったね。
君は、いつも『小さな花』を連想させてくるんだっけ……
「そうだね。そういうかえでも、いつものかえでだね!」
「どういう意味?」
さっきの笑顔とは違って、今度は警戒をしている小動物の様に身構えている。
それはそれで可愛いけども、逆鱗に触れそうだから耐え抜き、違う言葉を発する。
「恥ずかしがるところとか?」
「もう! 本当にどういう意味なの!? うぅ〜」
また一段……いやもう、熟したリンゴの様に顔を真っ赤にして、近くにあった枕でぼぶほふと叩いてくるけどそれがまた可愛いのだ……
結論を言ってしまうと、可愛い人は何をしても可愛いのかな……と危ない事が脳裏に焼きつく前に、かえでは言う。
「あ、これって誰の枕なの? 何かこの部屋、凄く可愛いけど」
そこのショーケースに入ってるぬいぐるみとか……とかえでは付け足して疑問に思っているみたいだけど、直ぐに明かされた。
『ガチャ!』
「あ、起きたんだ! おはようかえでさん。ごめんなさいね。お茶用意出来て……ない」
自分の部屋に戻って来たのは良いが、数秒だけ動きが止まってしまい。
更には、僕に向かってゴミを見る目をしてくる始末。
「私の部屋で、何やってるの? お兄ちゃん……」
あぁ〜今日持つのかな。
ここに居る二人の決定事項まで、あと数時間……
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
お疲れ様です。
今回は、ほむらが兄をゴミの様な目で見見てしまいましたが、これは嫉妬なので許してやってください。
では、また次回でお会いしましょう!
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