笑い合えたその日
こんにちわ。クロです!
早速ですがどうぞ!
第三一話、笑い合えたその日
第31話
「ええ〜となぎ? どうしよう……凄く緊張するんだけど」
僕たち三人は、ついさっきまでの話を切り上げて、玄関から居間まで向かっている。
簡単に言うと、ほむらとかえでの地雷をどっちも踏んでしまい、大変な事になったのだけどそれを呆れたのか……ほむらが助けてくれた。
そして、玄関から居間までの距離は、ほんの僅かな距離なのだが。
かえでの歩きを見ているうちに、目的地に着くのは、一体何分かかるんだろうかと思わせるほどに、ちょっとずつ進んでいるけども……
ずっと考えては、いたんだけどまさかここまでとは……
「うーん。どうしたら緊張溶けそうなの?」
もうそろそろ自分の案が無くなって来そうだから、この時だけは許してください。
「えーとね……私の手を取って」
かえでは、恥ずかしそうに耳元で囁いてくる。
小さな声で言ってくれたのは、きっと目の前にほむらが居るからという、僕とほむらに対する気遣いからだと考えた。
でも、今この場では、かえでの手を取ってあげる事は出来ない。
きっと、かえでの小さくて綺麗に整っている手を取ってしまえば、それこそほむらの地雷に対する宣戦布告だろう……
「お兄ちゃん。良いよ、手を優しく握ってあげて」
どうやらほむらには、かえでの気遣いを混ぜた声が聞こえていたようで、地雷が爆発するかな? と思っていたのだけど結果はそうでは無かった。
だけど、念のためにもう一度確かめようとしたのだが、隣で良い香りを漂わす人物が一歩早く……
「え、良いんですか?」
「大丈夫ですよ。お兄ちゃんは、私の所有物では無いですし、何しようと勝手です!」
「うっ……」
あ、やっぱし怒ってらっしゃる……
多分、予想外の答えを返されたかえでは、可愛い唸り声を上げつつ一歩引いた。
「嘘です。良いですね! からかいがいのある人は、なかなか居ませんよ」
「な!? 私、からかわれてたの!?」
きっと、かえでからしたら遊ばれているのだと認識しているだろうが、そうではない。
まあ〜此処までおどおどする人は、かえで以外に僕たちは会ったことが無いから、面白い。
「ふふ! やっぱし面白いね! お兄ちゃん。かえでさんは、可愛いから大切にしてね?」
誤解を招きそうな言葉は言わないで!
でも、かえでは確かに可愛いと思う。
そして、大切にしたいとも思う。
だけどきっと、かえでからしたらどうなのか分からない。
でも、もしこのモヤモヤと霧が掛かっている感情に気づいてしまえば、僕たちの関係は壊れてしまうと思う。
「もちろん。大切にするよ!」
「た、たた大切に!? な……なぎ。ズルいよ」
『ふふ!』
『はは!』
『えへへ!』
僕は、ほむらにつられて笑い、かえではきっと僕につられて笑う。
こうやって笑い合えるのは、かえでさんをうちに泊まりに来させて! って言ってたほむらのお陰なんだよな。
「お兄ちゃん! なんで難しい顔してるの!? お楽しみは此処からだよ」
お楽しみ? どうやら考え事をしてたら、話しは進んでたようで……
そのお楽しみは、到底考えもつかない事で、過剰にもビックリしてしまう事になる。
「せーの!」
『今日の夜は、三人で一緒に寝る事に決定しました!』
今日の夜、大変な事になってしまう事を僕たちは、まだ知らずに……
此処まで読んでくださりありがとうございます!
お疲れ様です。
今回、凪は驚くべき事を聞かされた訳ですが、なんとも羨ましいですね「笑
それともし宜しければ、ポイント評価や感想などもお願いします!
それでは、また次回でお会いしましょう!
次回も、よろしくお願いします。




