笑い合えるその日
こんにちは! クロです。
先日は、投稿日でも無いのに投稿をしてしまった事をお詫びさせて下さい。
それではどうぞ! 笑い合えるその日
第30話
「え……あ、はい! 初めまして、楠かえでです。本当にお邪魔してしまっても良いんですか?」
今、初めて出会う僕の妹とかえでのやり取りを聞いて思わず笑ってしまった。
ほむらは、きっと練習していたんだろう。
ここにいる僕の友達を家に招くために……そんな感じが漂ってくる。
それに比べて、予想してた事が起きてしまう。
「な、なぎ! どうしよ……」
かえでの言いたいことは嫌でも分かる。
きっと、会話の主導権を取られてどう接すれば良いのか分からなくなってきたのだろう。
そろそろ、助け舟を出した方が良さそうだな……
「はい! どうぞ。私もお兄ちゃんも凄く楽しみにしてたんですよ。今日は、たくさん話しましょ?」
「おーい? ほむら。そろそろ通常通りでいいよ? かえでを見てみ」
僕に、かえでを見ることを促された妹は、ここに居るもう一人の女の子に顔を覗かせた。
「あ、ごめんね……お兄ちゃん。かえでさんが固まってる」
まあ〜ほむらに悪気が無いのは一目瞭然で分かるし、きっと僕が家から出た後に家に人を招く練習をしていたんだなと感じので仕方ないと思う。
そしてほむらに、かえでは凄く繊細で儚い雰囲気を感じさせる事を伝えるのを忘れてしまった。
要するにかえでは、極度の人見知りで、か弱い女の子なのだ。
これは僕が悪い……けど今日は謝りあってもかえでが困惑してしまうだろうから『大丈夫。少し待ってて』とほむらに声を掛け……
「おーい……かえで〜。大丈夫だよ! そんなに固まんなくても一人じゃ無いから」
………………暫しの沈黙の後、僕は間違えてしまった事を察した……
「お兄ちゃん? どゆこと??」
今の静寂……そしてほむらの疑いの目に言葉。
その目は笑っていなくて、何かで射抜かれそうな事を、初めて体験させられる……
「い、いやいや!! 違うから。仲の良い友達がここに居るよって意味だよ」
「友達……そうだよね。友達だよね……」
………………再びの沈黙
もう……駄目かな。
なぜ駄目なのかは、自分でも分からないけど、涙が溜まって来たのが分かる。
その直後、妹からの助け舟が救いに来てくれた。
「何で泣きそうになってるの? お兄ちゃん。かえでさんも! もう終わり! そろそろ中に入ろう? 周りが暗くて寒くなってきたよ」
ほむらの顔は、少しばかり小悪魔らしい表情で小さく笑っていて、それにつられて僕達二人も笑い合えた気がする……
いや、違うな……
笑い合うのはここからが始まりなのだから!
「分かったよ!ほむら。さぁ〜いらっしゃい! かえで」
「うん。お邪魔します! なぎ!!」
そして僕達は、先ずは居間に向かうのだった……
ここまで読んでくださりありがとうございます!
お疲れ様です。
今回は、凪が思わぬ地雷を踏んでしまったのに、それを小悪魔のように救ってくれるほむらが凄く可愛いと思います(笑)
それでは、また次回でお会いしましょう!
次回もまた、よろしくお願いします




