楽しみを胸に……
こんにちは! クロです。
それではどうぞ!
第28話 楽しみを胸に……
「さて、そろそろ行ってくるね!」
僕は、かえでから家に招かれて今から向かうとこなんだけど、ほむらと話しながらの食事や準備で、あれから一時間は軽く超えていた……
あぁ〜怒られるだろうな……と思ってしまい足取りが重くなっていくのを見透かしたかのように妹の激励が入る。
「大丈夫だって! ご飯や準備で一時間ぐらいかかるのは当然でしょ! それよりも……分かってるよね?」
その声は、少しばかり緊張しているように感じた
無理もないかなと思いながら苦笑してしまいそれが顔に出た事は、自分でも分かる。
何故なら、ほむらはかえでさんの家から帰る時にかえでさんを一緒に連れて帰ってきてと言ってきたのだ。
つまりは、かえでと一緒に遊んでみたいから急ではあるけども……泊まらせるつもりらしい……
「分かってるよ! たけど、もし来れなくてもへこまないでね? 急に誘うのはあっちの家からしても迷惑だろうし」
「うん! 期待して待ってる!」
もしかして……話を聞いていなかったの? そう思わせるほど、今日一番の嘘偽りもない思い切った笑顔を作って見せてきた。
「はは! 頑張ってみるよ」
僕は、辺り一面にある……いつも見慣れた道路や家、そして太陽が暖かく照らしてくれる光景を想像しながら、目の前の扉を開けた……
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「後々言っても……いや、今言ってしまっても迷惑になるかもしれないけど……」
「どうしたの? なぎ」
数分前ぐらいから、自転車で15分ぐらいの所にあるかえでの家にお邪魔していた。
そして直ぐに、ほむらから家に連れてきてと言われたので、一応聞いてみることにした。
まあ〜あれだな……結局の所、言葉に詰まっているところなんだけど。
「遊び終わった後さ……家に来ない?」
その言葉を全て言い終えた時、上手く言葉に出来ない自分に腹が立ち、顔を伏せていたのだが、ふと見上げてみると……
「やった!! うん、行くね!」
ふと見上げてみると、そこには不思議な事に……鮮やかな花が目の前にあるかの様に……綺麗で、可愛いらしい笑顔を覗かせていた。
「でもそれなら、今から行った方が良くないかな? 夕方、急に来られても凪の親困っちゃうでしょ?」
「いや、大丈夫だよ。親は仕事で居ないからさ」
『いやいや、何が大丈夫なの!?』とでも言いたげな表情は面白い程、驚いていた。
「えーと。という事は……なぎと二人……きりなの?」
あ、そうか……まだ知らないんだっけ。
「僕には、妹が居るんだ。まあ〜妹がかえでさんを連れて来て欲しいって言ってたから歓迎だよ!」
「わ、分かった。ならあと数時間後に行こうかな……ちょっと待ってて、いや……部屋から出てね? 色々と準備するから! あ、そうだ。電話使ってもいいよ!」
これまた可愛らしく歓迎って聞いた途端に、今までの不安が無くなったかのように慌てて準備をしている。
でも、これは忘れない……忘れられない。
だってその表情は、とても楽しそうに輝いていたのだから……
「じゃあ……電話使わしてもらうね」
この時の僕は、かえでの邪魔にならない様に部屋から出て、家に泊まりに来ることをほむらに伝えるため、電話を使わしてもらったのだった……
ここまで読んでくださりありがとうございます!
そしてお疲れ様です。
今回から、前にかえでと約束した事……
凪の家でのお泊まりを書いていきたいと思います。是非見てみて貰えると幸いです
では、また次の話でお会いしましょう!