久し振りのあの子
こんにちは! クロです。
見に来てくれてありがとうございます。
それではどうぞ!
第26話 久し振りのあの子
凪の部屋
「さてと……お兄ちゃん。お腹空かない?」
今は、お互いが泣き終わり、それぞれの部屋で支度を済ませ、ほむらは僕の部屋に戻って来てお腹の具合を聞いてきた。
人間は涙が出た後にはお腹が空くのかは分からないけど、確かに空いているので妹の問いに答える。
「そうだね。もうなんかお腹がぺこぺこだよ」
「分かった! 今から朝ごはん作ってくるから待っててね。ん? これって朝ごはんなのかな? 昼ごはんかな?」
ほむらは言った……今からご飯を作ったら朝か昼なのかどっちなんだろうと。
……どっちなんだろう
確かに今の時間は、朝の十一時半だけど軽く作れるものならあまり時間は掛からないので、分からない。
それにこの疑問には、人それぞれ答えがあると思うので、これだ! とは言えないのが更に迷わせる……
でも、一つだけ言えることがある。
それは……
「ねぇ〜ほむら。ならこれは昼ごはんという事にして良いんじゃないかな?」
先ほども話したが、人それぞれの答えがあると言ったけど、僕もその一人なのだから自分なりに答えを出す。
そして、その答えにほむらは満足したのか、あるいは不満を持ったのかは分からないがさり気なく流された……
「じゃーそういう事にしよう! あ……お兄ちゃんが寝てた間に電話が掛かってきたから私が出たよ?」
そういう事は早く言おうな? と思ったけど、流石に遅く起きた人が言える台詞では無いし、素直にその電話の内容が気になった。
ほら、今のご時世って怪しいメールとか電話とか流行ってるから危ないでしょ? と心配になるが……
「大丈夫だった? 怪しげな電話じゃ無かったかい?」
ほむらは、小さく震えながら『え、えーとね……私の知らない人だった』と言ってるけども、それが直ぐにからかっているんだと理解できた。
だって顔が笑っているのを隠せてないんだよ? 直ぐ分かるよ。
でも、妹の折角の演技を無駄にしたく無いのでこちらも乗る事にする。
「え、うう嘘!? もしかして僕達、何かに引っかかっちゃった!?」
この言葉を発し終えた時の妹のやりきった感が凄くて、思わず笑ってしまった。
そして、ネタばらしをされる。
「大丈夫だよ! 怪しい人じゃ無かったし、お兄ちゃんはいるって感じの電話だったから。確かに私は知らない人だったけど」
起きて数十分が経っても一瞬だけ頭がついて行けなくて戸惑ったけど直ぐに誰か分かった。
それは前に助けたあの子だ……そして友達になって家に泊まらせてもらったあの子だ……と理解する
その理解は、正しかったようで……
「理解できた事が、思っ切り顔に出てるね。お兄ちゃん……そうだよ。あのかえでさんって人から来てた。私にはさっぱり分からないから、お兄ちゃんが起きたらまた掛け直しますねって言っといたよ」
あれ? 電話番号なんて教えたっけ……
いや、確かに教えてたな……これは前に話してなかったけど、かえでの家から帰る時にお互いに連絡先を交換しよって言い合ったんだっけ?
そう思い机の引き出しを開けてみると、やはり楠かえでという名前と電話番号らしいものが書かれていた。
「分かった! ありがとね教えてくれて。ほむらがご飯作ってくれている間に掛けてくるよ」
「おけー。なら今から作るよ! どーせ遊びに来てとかでしょ」
何故かは分からないが、この時のほむらは、小さな頬が膨れたリスみたいな感じだった事は今でも忘れられない。
「はは! 違いない」
そう、ほむらの言葉を肯定してお互いに笑い合う。
そして、久し振りにかえでと話すな〜元気にしてると良いな……と感じるのであった
ここまで読んでくださりありがとうございます!
そして、お疲れ様です
今回で、妹メインのお話は一旦終了です!
次は三人で描かれていくストーリーになりますので、次回もどうかよろしくお願いします
『この小説の総合ポイントが、記念すべき100ptを達成しました! ありがとうございます! 更なる高みを目指して行きたいと思いますので、どんどん有り難き指摘や良い点、悪い点についての感想をお待ちしております! 作者 クロより』




